SHISHAMO【人気曲解説】国民的スリーピース・ガールズバンドの名曲11選

SHISHAMO【人気曲解説】国民的スリーピース・ガールズバンドの名曲11選

2010年に高校の軽音楽部で結成されたガールズバンド・SHISHAMO。

ボーカル&ギター・宮崎朝子の優しくも力強い歌声、等身大の女の子らしい歌詞や、キャッチーなメロディーが魅力的なバンドです。

2022年にはCDデビューから10周年に突入し、全国ツアーを控えている彼女たち。

今回は、そんなSHISHAMOの人気曲を11曲解説します。

ぜひ彼女たちの作り出す音楽に耳を傾けてみてください。

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バンド・SHISHAMOとは?


3人組ガールズバンドであるSHISHAMO(ししゃも)。

ボーカルギターの宮崎朝子、ベースの松岡彩、ドラムの吉川美冴貴の3人で構成されています。

2013年11月13日にアルバム「SHISHAMO」でメジャーデビューし、これまでに数多くの楽曲をリリースしています。

恋愛をテーマにした楽曲が多く、同年代を中心に多くの支持を集めるSHISHAMO。

CMソングやタイアップ曲に起用されることも多いため、誰しも一度は彼女たちの音楽を聞いたことがあるのではないでしょうか。

CDデビュー10周年を目前にした今も、楽曲発表や全国ツアー、フェス出演など、精力的な活動を行っているバンドです。

SHISHAMOの人気曲

明日も

SHISHAMOが多くの人に知られるきっかけとなった楽曲「明日も」。

NTTドコモのCMソングとして起用され、2017年12月31日にはSHISHAMO初のNHK紅白歌合戦で歌唱された楽曲です。

SHISHAMOメンバーの地元である神奈川県のサッカーチーム・川崎フロンターレのサポーターの熱量に感動した宮崎朝子が制作したという本楽曲。

広いスタジアムの上でボールを追いかけて走る選手を「ヒーロー」に見立て、そのヒーローに背中を押されながら自分を鼓舞するような1曲です。

MVの撮影は川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力陸上競技場で行われました。

ちなみに、等々力陸上競技場でMVの撮影が行われたのは、同スタジアムの歴史上初の試みだったといいます。

この楽曲がリリースされた年、川崎フロンターレはJ1リーグで初優勝。

パレードにはSHISHAMOのメンバーも参加し、選手やファンと喜びを分かち合いました。

君と夏フェス

好きな人と2人で夏フェスに行くという甘酸っぱさが際立った青春ど真ん中の楽曲である「君と夏フェス」。

まだ照れくさい関係の2人が夏フェスで共に時間を過ごしますが、ロックが好きな彼女はステージを前にすると我を忘れてステージの前の方へ。

ふと我に帰ると、さっきまで2人がいた景色とは違い、「やっちゃった」と肩を落とす彼女に「新しい君が見れたから今日は本当に来てよかった」と彼が声をかけるストーリー仕立てになっています。

歌詞の中に出てくる「スーツを着たロックスター」は、作詞作曲担当の宮崎朝子曰く、方向性的にはミッシェル・ガン・エレファントだそう。

ライブでは定番のナンバーであり、フェスでは最高の盛り上がりを見せる本楽曲。

1番と2番のサビ前には、ファンがリズムに合わせて手を叩く箇所があります。

楽曲をよく聴いてみると、1番と2番で微妙にリズムが違うのですが、ライブでリズムがバシッと決まると会場が一体となるエモさを感じる部分です。

また、この楽曲は旧ベースである松本彩が参加した最後の作品。

この楽曲以降、新ベースの松岡彩へとバトンが渡されました。

僕に彼女ができたんだ

デビューアルバム「SHISHAMO」の1曲目に収録されている「僕に彼女ができたんだ」。

テレビ東京系「JAPAN COUNTDOWN」のエンディングテーマに起用され、SHISHAMOの名を知らしめるきっかけとなった楽曲の1つです。

SHISHAMOの楽曲は、ボーカルギターの宮崎朝子が作詞作曲を務めることが多いのですが、本楽曲の作詞はドラムを担当する吉川美冴貴。

彼女ができたことを周りに言いふらしたいけれど、それができないもどかしさを表現した楽曲です。

学生時代、誰と誰が付き合っているだとか、あの人が告白しただとか、そういった恋愛話を冷やかした経験が誰しも一度はあるのではないでしょうか。

めでたくカップルとなった楽曲内の2人は、「付き合ってることはみんなに内緒」と約束をし、秘密のお付き合いを始めます。

しかし、かわいい彼女ができ、幸せの絶頂である彼は、「いいだろみんなうらやましいだろ」とみんなに言いたい気持ちでいっぱい。

歌詞の中では、登場人物の年齢がわかる言葉は出てきませんが、まだ恋愛に慣れていない若い学生カップルが目に浮かびます。

2022年8月7日現在、YouTubeにアップされているMVの再生回数は1474万回再生を突破しています。

ねぇ、

好きな人に気持ちを伝えられないもどかしさを歌った楽曲「ねぇ、」。

「カルピスウォーター大・告白編」のCMソングとして書き下ろされた1曲です。

カルピスウォーターのペットボトルに歌詞が印刷されたことから、歌詞をきっかけにSHISHAMOを知る方も多かったのではないでしょうか。


たった2文字が言えなくて 今日も私は見てるだけ

曲の主人公は、好きな人へ伝えたい気持ちがありながらも、告白する勇気が湧かない女の子。

もたもたしていたら取り返しがつかなくなってしまうかもしれないという焦りを感じ、自分自身を変えようと決意します。

思いを寄せる相手に「好き」と伝えることの大変さや、恐怖、少しの淡い期待が歌われた1曲です。

本楽曲はリリースから3年後、恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。春桜編」の主題歌に起用され、再び注目を集めました。

量産型彼氏

SHISHAMOの2枚目のシングルである「量産型彼氏」。

ベースの交代後、初のシングル曲となりました。

男性目線で描かれており、「あの子の彼氏は僕に似ているんだから、僕でもいいんじゃないか」とヤキモチを妬いているような楽曲です。

「むしろ僕の方がいいんじゃないか」と思いながらも、「あの子があいつを選んだ理由はちゃんとあるんだろう」と理解している主人公の男の子。

惨めな気分になりながらも、好きな子の幸せを願う姿が浮かびます。

ただ、自分の目の前で好きな人が惚気話をしたり、幸せそうな顔をしていると、気持ちがモヤッとしてしまうのも事実。

「せめて僕の前でそういうことはやめてくれ」と願う男性の切ない気持ちが痛いほどに伝わってくる楽曲です。

OH!

アイス「爽」のCMソングに起用され、話題となった「OH!」。

青春真っ只中の若者たちの背中を押してくれるような応援ソングとなっています。

「ダサくて何が悪い」「汗だくで何が悪い」と泥臭く生き抜いていくことを全肯定してくれる楽曲。

「周りの目を気にしてる時間なんてもったいない」と自分を信じるパワーを与えてくれる1曲です。

MVはボーカルギター・宮崎朝子と、ドラム・吉川美冴貴の母校である川崎市立川崎総合科学高等学校で撮影されました。

高校の軽音楽部で結成されたSHISHAMO。

彼女たちの原点で撮影されたMVは、夢を追いかけ、形にしてきた彼女たちの強さや美しさを感じることができます。

曇り夜空は雨の予報

アルバム「SHISHAMO6」に収録されている楽曲「曇り夜空は雨の予報」。

東京メトロのCMソングとして起用され、CMにSHISHAMOが出演したことや、アルバム発売に先駆けて楽曲が配信されたことでも話題となりました。

SHISHAMO6の一番最後に収録されている本楽曲。

ボーカルギター・宮崎朝子のアカペラから楽曲が始まり、ゆるやかなテンポで楽曲が展開されていきます。

「一生」「絶対」という言葉を脳天気に言う彼に、少し腹立たしさを感じている彼女の姿が描かれた楽曲序盤。

未来の話ばかりする彼を見ながら「明日なんてどうでもいい」と繋いだ手を見つめ、今自分の胸の中にある「好き」の気持ちを大切に感じ取っている彼女の姿が見えます。

恋愛の温度差から生まれる少しの寂しさを感じつつも、「いっそひとつになってしまいたい」と大きな愛を彼に向けている彼女の姿がかわいらしく歌われた楽曲です。

君の隣にいたいから

10枚目のシングルである「君の隣にいたいから」。

NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書き下ろされた曲であり、NHK「みんなのうた」で放送されたことでも知られる楽曲です。

頑張る「君」を見て、「自分も自分なりに羽を精一杯広げて飛び立とう」と背中を押される主人公が描かれた本楽曲。


いつまでも胸張って君の隣にいたいから

タイトルになっている言葉が出てくるサビ部分。

「君の隣が恥ずかしくない自分でいるために成長し続けたい」という心境が感じ取れます。

自分の在り方を考え、壁にぶつかることも多くなる中学生という年頃に寄り添った楽曲です。

夏の恋人

5枚目のシングルである「夏の恋人」。

「さよなら」という言葉が歌詞に登場し、恋の終わりを感じさせるような切ない楽曲です。

本楽曲はストーリー仕立てになっており、宮崎朝子が綴る繊細な言葉を堪能することができます。

ジメジメとした部屋でパッと目が覚めた女の子の隣には、寝息を立ててまだ寝ている彼。

「こんな関係しょうもない」と寝起きの頭で考える彼女ですが、「だけど夏が終わるまで」とこの関係の継続を望む気持ちも。

その後、潰れかけのコンビニに2人で行き、アイスを買った2人。

公園で遊ぶ子供たちを見ながら、ジメジメとした部屋へと帰っていきます。

デートとも呼べないような風景の中に見える2人の冷めた気持ち。

彼女は「私からさよならする」と別れを告げる決意をしますが、もう1人の自分は「このままでもいいじゃない」と彼女を引き留めます。


この夏に閉じ込められて 一生大人になれなくても

「このまま2人でこの時間を永遠に過ごせればいい」「だけどこのまま2人でいても未来はない」と対極の気持ちの中で揺れ動く彼女の姿が浮かびます。

「好きだけど、でも、さようなら」という別れを経験したことがある人になら痛いほどに刺さる名曲です。

ほら、笑ってる

7枚目のシングルである「ほら、笑ってる」。

卓球を通して男女が親密になっていく展開を描いたラブコメ映画「ミックス。」の主題歌として書き下ろされており、つまずきながらも前に進み続ける映画の主人公が反映されたような楽曲になっています。

映画のために楽曲を作るのは今回が初めてだったという宮崎朝子。

「生きていて良いことばかりじゃない、上手くいかないこともある」という映画のテーマにスポットを当てて楽曲を制作したのだといいます。

映画のプロデューサーが本映画の原型となる物語が生まれた時、「映画の楽曲はピュアかつストレート、そして卓球のように弾ける楽曲がいい」と女性バンドを探していた時に出会ったのがSHISHAMOだったそう。

出来上がった楽曲を聴いたプロデューサーは、「まさに映画とSHISHAMOの奇跡のミックスだ」と感じたとSHISHAMO公式HPのインタビューで語っています。

水色の日々

8枚目のシングルである「水色の日々」。

2018年3月に発売された本楽曲の軸にあるのは「卒業」です。

青春を「水色」と例えて歌われている本楽曲。


いつもと同じ教室なのに いつもと何かが違うのは
きっと 今ここにある全て 今日で最後だからだね

毎日当たり前のようにみんなと会い、勉強に友情に恋にと駆け抜けてきた学生たち。

これまでの日々を振り返りながら「青春が褪せてしまうのが怖い」「まだ大人になるのが怖い」と感じている若者の姿が描かれています。

本楽曲はYouTubeで行われた一夜限りのアコースティック編成ライブ「YouTube Music Night feat.SHISHAMO」でも歌唱され、優しく暖かな音楽を紡ぎました。

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まとめ

今回は「SHISHAMOの人気曲」と題し、11曲をご紹介しました。

恋愛ソングのイメージが強いSHISHAMOですが、青春や力強い応援をテーマにした楽曲も数多く発表しています。

シンプルな楽器編成で生み出される魅力的な楽曲をぜひ聴いてみてくださいね。

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