1994年のメジャーデビュー以来、日本のボーカルグループの先駆者として数々の名作を生み出してきたゴスペラーズ。
「永遠に」や「ひとり」、「ミモザ」など、誰もが一度は耳にするラブソングも彼らの作品です。
また、楽器を使わずに声だけでハーモニーを奏でるアカペラの素晴らしさを、ゴスペラーズから学んだ人も多いはず。
今回は、アカペラ界の王者であるゴスペラーズのメンバーや楽曲を紹介します。
目次
ゴスペラーズとは?
ゴスペラーズは、1991年に早稲田大学のアカペラサークルで結成された5人組ボーカルグループです。
メンバーチェンジを経て、1994年にシングル「Promise」でメジャーデビュー。
2000年にリリースされた14作目のシングル「永遠に」は、43週チャートインするほどのロングヒットを記録しました。
2000年といえば、サザンオールスターズの「TSUNAMI」やTUBEの「虹になりたい」、SMAPの「らいおんハート」など名だたる名曲が生み出された時代です。
特にバンドが注目されている中で、生身の声だけで勝負し、人々の心を掴んだゴスペラーズはまさにアカペラ界の先駆者だと言えるでしょう。
その後もゴスペラーズの勢いは止まらず、2001年にリリースした16thシングル「ひとり」で初めてオリコンチャートインを記録し、最高3位を獲得。
同年にリリースしたアルバム「Love Notes」はミリオンセールスを記録するなど、数々のヒット作品を生み出してきました。
2006年にソウルシンガー鈴木雅之や2人組の音楽ユニットSkoopOnSomebodyと共に、ソウル・ミュージックの祭典「SOUL POWER」をスタート。さまざまな年代のアーティストが集結し、ソウルをはじめ音楽の素晴らしさを伝えている唯一無二のイベントです。
現在はソロ活動を行ったり、楽曲提供・プロデュースを行ったりと各々活動しながらも、ツアーでは日本を代表するアーティストとして5人の美しい歌声を世に届け続けています。
ゴスペラーズのメンバー
多彩な魅力を持つ5人が揃ったゴスペラーズ。
作詞・作曲・歌うパートなどをメンバー全員が担当し、曲によって変わります。
そんな実力派グループのメンバーを紹介します。
村上てつや(むらかみてつや)
ゴスペラーズのリーダーであり、サングラスがトレードマークの村上てつや。
メンバーの黒沢薫と並んでメインボーカルを務める場合が多く、名曲「ひとり」は村上が作詞、作曲を手掛けました。
ゴスペラーズのファルセットといえば村上、とファンから言われているように、歌声を自由に操りながらソウルフルに歌う姿は圧巻!
また、琴線に触れるずっしりとした歌声だからこそ、言葉一つひとつがダイレクトに心へ届くのでしょう。
現在は、SkoopOnSomebodyのボーカルTAKEと2006年に結成したボーカルユニット「武田と哲也」や、ゴスペラーズの村上と酒井、ラッツ&スターの鈴木、佐藤、桑野のユニットであるゴスペラッツでも活動しています。
ファルセットとは高い声を出すための歌唱法で、裏声とも呼ばれています。
黒沢薫(くろさわかおる)
類い稀なハイトーンボイス持つ黒沢薫。
その軽やかな美声の中にある、突き抜けるような力強さで聴く人を驚かせます。
メインボーカルを務めることが多く、ゴスペラーズが大ヒットしたきっかけとなった「永遠に」のメインボーカルも担当。
また、ソロでも活動しており、数々の楽曲制作・提供も行っています。
プライベートでは大のカレー好きな一面も!家に仲間を呼んでカレーパーティーを開催したり、カレーに関する著書「ぽんカレー」を執筆したりしています。
酒井雄二(さかいゆうじ)
スウィートな歌声で聴く人を虜にする酒井雄二。
透き通った歌声はもちろん、抜群の歌唱力も兼ね備えている人物です。
また、酒井が制作した2019年リリースの「VOXers」は、喧嘩アカペラとも呼ばれているアッパーな一曲。
「5人が同じことをやらない」をコンセプトに、異なるリズムパターンをメンバーそれぞれが担当し、結果的に一体感のあるハーモニーとなる革新的な作品です。
リードボーカルに合わせてハモる字ハモが少なく、かつ「ウー」や「アー」でハモるウーアーを多用するわけでもない珍しいアレンジを採用しています。
バラバラであることの美しさやそれぞれの個性があるからこその美しさを感じる本作は、概念や常識に囚われず、新しいジャンルに挑戦しつづける彼だからこそ生み出せた作品でしょう。
そんな酒井は、プライベートでは大のパン好きとして有名です。バラエティー番組「マツコの知らない世界」に「ローカルパンの世界」を紹介する専門家ゲストとして参加した経験もあります。
北山陽一(きたやまよういち)
ゴスペラーズの中で最も低い声を得意とし、主にベースパートを担当する北山陽一。
楽曲に絶妙なグルーヴを形作る重要な存在でありながらも、柔らかな優しい歌声を響かせることもあり声を自由自在に操る技術力の高さを持っています。
また、北山の音叉を鳴らすシーンが好きだというファンも多いようです。
2015年に脳腫瘍で倒れ活動を一時休止していましたが、2016年に復帰。
北山がいない約半年は、残りの4人で歌い分けながら活動をしていました。
インタビューでメンバーは「一人欠けることの大変さを感じた」「長く続いていたら無理だったかもしれない」など5人であることの大切さを語っています。
また、北山のインスタグラムでは愛犬の投稿が多く、犬好きな一面も持っているようです。
安岡優(やすおかゆたか)
安岡優は名曲「永遠に」をはじめ、数々の歌詞を手掛けているリリシスト。
郷ひろみやSPEEDなど名だたるアーティストにも歌詞を提供しています。
そんな安岡が手掛ける大人な歌詞は、ゴスペラーズの絶妙なハーモニーと相性抜群。
その心に響く作詞力もさることながら、甘くはっきりとした歌声と、溶けるようなハーモニーも魅力です。
ソロでも活動しており、2015年に1stソロアルバム「バラードが聴こえる」を発表。
2021年に11月にソロライブ「そろソロSOLOで」を控えており、今後の動きにも注目です。
ゴスペラーズにはメンバーカラーがある?
ゴスペラーズにはメンバーカラーがあります。
村上てつやは赤、酒井雄二はグリーン、北山陽一はオレンジ、安岡優はブルー、黒沢薫はイエローです。
カラーの決め手となったのは、1995年に発売された1stアルバム「The Gospellers」のジャケット。
各メンバーの写真の背景色を見てメンバーカラーを決めた、とインタビューで語っています。
また、2019年に発売された「G25 -Beautiful Harmony-」のジャケットに5色のメンバーカラーがあしらわれていたり、同年にリリースされた52thシングル「VOXers」にメンバーカラーと思われる歌詞が登場したりと、それぞれのカラーを積極的に表現しているようです。
ゴスペラーズの楽曲
ここではゴスペラーズの楽曲を紹介します。
名曲はもちろん、おすすめの一曲もチョイスしました。
永遠に
2000年にリリースされた14thシングル「永遠に」は、ゴスペラーズがブレイクするきっかけとなった代表曲です。
メインボーカルを黒沢が務め、歌詞を安岡が担当。
ピアニストであり作曲家の妹尾武が作曲、グラミー賞受賞歴を持つ世界的プロデューサーBryan-Michael Coxが編曲を行っています。
本作は安岡が「どこまでも悲しいラブソングにしよう」と書いた甘く切ないラブソング。
優しく包み込むような大人の恋愛を思わせる歌詞と、心に響く黒沢のハイトーンボイスが印象的です。
ひとり
「愛してる」から始まるこの曲は、2001年にリリースされた16枚目のシングル。
ゴスペラーズの中でも幅広い世代に愛されているバラードナンバーで、初めてオリコンチャートのトップ10に入りを果たしました。
作詞、作曲共にリーダーの村上が担当。切ない歌詞と静寂な森の中で聴いているような優しいハーモニー、そして村上の優しいファルセットが味わえる一曲です。
ぜひ5人の最後の息遣いまでお聞きください。
I Want You
ゴスペラーズのメジャーデビュー25周年を記念して、5ヶ月連続配信リリースする企画「G25 ~ゴスペラーズが足りない~」。
その第一位弾として、2020年に配信されたのが「I Want You」です。
作詞は村上、作曲はアカペラクリエイターのとおるすが担当しています。
爽やかな春風を彷彿させるハーモニーが心地良く、前向きで元気づけられる鮮やかな歌詞も魅力。
「カラフルな植物があしらわれたセットや、ラフなメンバーの姿が伺えるPVにも注目です。
常に進化し続けるゴスペラーズ
いつの時代も綿密に重なった美しいハーモニーを私たちに届けてくれるゴスペラーズ。
最近はさまざまなアーティストとコラボしたり、新しいジャンルを生み出したりとますますパワーアップし続けています。
デビュー25周年を迎えた2019年にリリースしたトリビュートアルバムでは、ヒップホップ界に欠かせない存在となったCreepy Nutsや、ソウルフルな歌声が特徴のSIRUP、グループ魂のMCを務める港カヲルなどが参加。
それぞれのアーティストの持つ色と、ゴスペラーズのメロディーが重なり合い、「今」を象徴する作品となっています。
2021年3月には、2002年に発売したアルバム「アカペラ」の第二弾「アカペラ2」を発表!
アカペラの常識を覆す「VOXers」をはじめ、新しいゴスペラーズが楽しめるアルバムとなっています。
まとめ
今回はゴスペラーズのメンバーや楽曲について紹介しました。
自分たちの個性を発揮しながらも、ゴスペラーズのメンバーとしてそれぞれを尊重し合える関係だからこそ、25年もの間続けられてきたのかもしれませんね。
生身の声で人々に感動を与え続けている彼らが、今後どんな作品やコラボレーション見せてくれるのか楽しみです。
メンバーの魅力と名作はまだまだたくさんあります。気になった方はぜひ曲を聴いてみてください。
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