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月曜日の週末
1枚目のフルアルバム「ゆず一家」に収録されている「月曜日の週末」。
かなりテンポが速く、疾走感のある楽曲です。
岩沢厚治が作詞作曲を担当しており、彼の滑舌良い言葉が心地いい1曲。
ライブで演奏される際にはCD音源よりもかなり速いリズムで演奏し、まるで早口言葉のように歌われることも。
月曜日から金曜日まで働き、土日が休みという人が多い世間。
ただ、土日が稼ぎどきである接客業やイベント業は、月曜日が休みになることも多いですよね。
世間との休みのズレに、世の中と自分のズレを重ね合わせたような本楽曲。
今さら遅いとか早いとか言わない方がいいんだけど
あえてあからさまに曖昧にどっちでもいいと言ってくれ
パッと見た限りでは歌詞の意味が解釈しにくい箇所もありつつ、聞けば聞くほど虜になってしまうような楽曲です。
贈る詩
ゆずのメジャーデビュー曲「夏色」のカップリングである「贈る詩」。
路上ライブをしていた時期に、ファンに誕生日を祝ってもらった北川悠仁が制作した楽曲です。
時計の針が二十四時を回り わずかな荷物を持って走り出す
お金もない時間もないけれど今日は君がこの世に生まれた日だから
歌詞の中に「誕生日」という直接的な言葉は出てきませんが、大切な人の誕生日を祝いたい主人公像がはっきりと見えます。
曲の終盤には「ティリティティ」という歌詞がキャッチーなメロディーと共に流れる箇所も。
君の心へこの唄が届きますように
優しい笑顔曇らぬようにこの唄を贈ります
ゆずのライブのアンコールでは、観客が「アンコール!」という掛け声の代わりのこの曲のサビを大合唱するのが恒例。
相手を思う優しさに溢れたこの楽曲は、ゆずからファンへのメッセージでもあり、ファンからゆずへのメッセージでもあるのです。
値札
40枚目のシングル「表裏一体」のカップリングとして収録されている「値札」。
ゆずが路上ライブを行っていた時から演奏されていた知る人ぞ知る名曲です。
何を見ても何をやっても面白くない
外に出てみたい逃げ出してみたい
毎日に嫌気が差し、無気力な人間が見えてくる楽曲の冒頭部分。
ただ、自分の置かれた状況に嘆いているだけではなく、今を変えてみたいと変化を求める気持ちを感じさせます。
すぐにも値段が付きそうな
そんなやつには絶対になりたくないよ
1996年3月にゆずを結成し、路上ライブを行ってきた2人。
わずか1年後の1997年にインディーズデビューを果たし、スターへの階段を一気に駆け上がりました。
目まぐるしく変わっていく状況の中生まれた「値札」。
「好き」という気持ちが原動力であった歌うことでさえ、値札を貼られて商売にされることに抵抗感があったのかもしれません。
まだ若かった2人の葛藤が感じられる1曲です。
命果てるまで
6枚目のオリジナルアルバム「1~ONE~」に収録されている「命果てるまで」。
今生きているこの命を燃やし尽くしたいという熱い思いが感じられる1曲です。
命果てるまで 灯火が消えるまで
強く もっと強く 魂を焦がしたい
真っすぐに燃えたぎるような言葉が並ぶサビ部分。
限りある命だからこそ、後悔のないように歩んでいきたいという思いが見えます。
生きられるのに死んだ人がいる
死にたくないのに死んだ人がいる
生きているのに死んでる 死んでる人がいる
「死」という強い言葉が何度も出てくるCメロ。
自ら死を選んだ人、不幸で命を落とした人、そして、「今生きているのに死んでる人」という皮肉めいた言葉に続きます。
みんなを包み込んでくれるような温かな楽曲や、背中を優しく押してくれる楽曲が多いゆずには異端とも言える本楽曲。
思わずハッとさせられる言葉が多く、ぜひ歌詞に目を通しながら聴いてほしい1曲です。