「あなたがいることで」は、Uru(ウル)初の配信限定シングル。TBS系日曜劇場『テセウスの船』の主題歌として書き下ろされたバラード曲です。
大切な人を想う気持ちが込められた歌詞、そしてUru本人が涙したミュージックビデオについて、曲の魅力と共にご紹介していきます。
Uruの楽曲をもっと知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
Uru(ウル)とは
本名や生年月日、出身地といったプロフィールを公表せず、謎多きシンガーとして話題となった女性アーティストのUru(ウル)。
2013年よりYouTubeでの活動を始め、男女関係なくありとあらゆるアーティストの楽曲をカバー。同時にオリジナル曲を制作し、歌唱はもちろんのこと演奏からアレンジ、動画撮影や編集を全て自分1人でこなしていました。
アマチュアでありながら、当時のYouTubeチャンネル登録者数は15万人程。2016年にメジャーデビューを果たした際には話題の1つとして上がりました。
その後のUruの活動は目覚ましく、デビューから僅か1年程でタイアップ曲も数多く担当。アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に「フリージア」、ドラマ『コウノドリ』では「奇蹟」、そしてドラマ『中学聖日記』では「プロローグ」。これ以外にも多くの主題歌・挿入歌を手がけ、現在のYouTube公式チャンネル登録者数は70万人以上に上ります。
その話題性から2020年にはアニソン歌手のLiSA(リサ)との共演を果たし、YOASOBI(ヨアソビ)のコンポーザーを担当するAyase(アヤセ)をプロデューサーに置いた「再会 (produced by Ayase)」を披露。
個人としても楽曲のほとんどがオリコン上位に食い込むなど、今後の活躍が期待されているアーティストの1人です。
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主題歌「あなたがいることで」とは
「あなたがいることで」とは、Uru初のデジタルシングルとして2020年2月9日にリリースされました。ドラマ『テセウスの船』の主題歌として起用され、バラードが主体となった楽曲です。
これまで数々のドラマや映画、アニメなどの主題歌・挿入歌を手がけてきたUru。原作の主人公を自分に置き換えて書き下ろされた楽曲は、視聴者から「世界観にぴったり」「ドラマのワンシーンが浮かんでくる」と絶賛の声が相次ぎました。
Uruをこれまで知らなかった人からも、その歌声や曲のイメージに魅了され、主題歌となった「あなたがいることで」を機にファンとなった人も多いようです。
その後も反響は大きく、主題歌は配信限定でありながらもオリコン週間チャートでは最高1位を記録。YouTubeに投稿されたミュージックビデオは7000万回近く再生され、Uruがこれまで公開してきたどの動画も上回る再生回数となりました。
大切な人を想う気持ちが込められた楽曲
ドラマ主題歌としても話題となった「あなたがいることで」ですが、単体で聴いても非常に魅力を感じる曲となっています。
スローテンポ一貫としたバラード。Uruの透明感溢れる歌声が曲全体を包み込み、感情に直接訴えかけられているような気さえします。
そして、それらを支える楽曲の歌詞。ドラマ主題歌としてのオファーを受けた際、Uruが原作の面白さから主人公を自分に置き換えて書き下ろしたとのこと。
大切な人を幸せにしたい、守りたいという強い気持ちが込められており、Uru自身もその点を特に意識して楽曲を制作しています。
歌詞もシンプルな言葉が並んでいます。僕とあなたを登場人物として置き、相手が自分にとってどれだけ大切で、かけがえのない人であるかが歌詞から伝わってくるでしょう。
Uru本人が涙したミュージックビデオ
ミュージックビデオの監督を担当したのは、スタイリストから映像作家に転身した異例の実績を持つ内山拓也(うちやまたくや)。美しさとスタイリッシュさを軸に、リアルで魅力的な人物描写を得意としています。受け手に考えさせるようなストーリー展開は、まるで映画さながらの深みある映像を生み出し、今後の活躍が期待されている人物です。
これまで手がけた中でも特に内山拓也の名を轟かせたのが、King Gnu「The hole」や平井堅「#302」です。
楽曲の良さを最大限に活かしたストーリーは、映像から目を離せなくなるような魅力を感じます。そんな内山拓也が今回新たにタッグを組むことになったUruの「あなたがいることで」。
当時、楽曲と歌詞以外の情報がなかった内山拓也は、「これは男女の恋愛ソングではないか」と印象を抱いたとのこと。実はこの時、ドラマ『テセウスの船』のオファーを受けたものの、ドラマの情報はほぼなかったそうです。
また、最初はUruとの直接のやり取りはなく、楽曲と歌詞だけを与えられている状態でした。内山拓也は楽曲と歌詞だけに向き合い、それを自分なりの感覚で紐解いていくことしかできませんでした。
その中で一人称の「僕」から男性目線で歌っている曲であることに注目し、これをあえて女性目線に置き換えてはどうだろうかと「親子愛――母と娘の物語」をテーマに制作を開始。それがドラマの内容と合致し、歌詞と映像の相乗効果によってより豊かな表現となりました。
また、このミュージックビデオにはUruの実体験が偶然にも描かれていました。主人公が母親の育児日記を読むシーンがそれなのですが、このシーンを見たUruは「なんでわかったんだろうと思って涙が止まりませんでした」と後に語っています。
ただ、内山拓也はここまで情報がほぼない状態で制作していたため、Uruの発言に「なんで最初に教えてくれなかったのか」と、苦笑いしたそうです。
まとめ
何かを大切に想う気持ちが込められた「あなたがいることで」。非常にシンプルなバラード曲ですが、それこそがこの楽曲の良さでもあります。
Uruの透き通る歌声とシンプルだからこそ染み渡る歌詞。そしてそれを1つの映画のように彩った内山拓也によるミュージックビデオ。
ドラマ『テセウスの船』の主題歌の世界観に寄り添っているのはもちろん、単体としても非常に深みある楽曲として制作されています。
独創的な楽曲が注目されがちな昨今ですが、「あなたがいることで」のように身近を感じられる曲もやはり捨てがたいものです。
歌いやすい曲でもあるので、もしこの曲が気に入ったのであれば、ぜひカラオケで歌ってみるのもいいでしょう。歌うことでより曲の良さを理解できるかもしれません。
また、これを機会にUruの歌声や内山拓也の制作したミュージックビデオに触れてみてはいかがでしょうか。
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