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音楽業界への影響~ピエール瀧の逮捕と楽曲配信に関する騒動
結成30周年の2019年3月、ピエール瀧が麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕。
予定されていたツアー及びFUJI ROCK FESTIVALへの参加取り止め、当時所属していたソニー・ミュージックアーティスツとの契約解除と同時に行われたある処分についてひと騒動起きました。
それが、音源および映像作品の出荷・配信停止です。
サブスクによる楽曲配信も急に止まったことによりファンは混乱。瀧出演のドラマ作品が公開・販売されているのに彼の活動の軸である曲がファンの手に渡らないのはおかしいと声をあげたファンも数多くいました。
オンライン署名サイト「change.org」には楽曲の配信停止を撤回するためのページが立ち上がり、ここで集まった64000人に及ぶ署名をソニー側へ提出しています。
同年3月26日、ライブストリーミングチャンネル・DOMMUNEで楽しめなくなった映像・音楽作品に限った音楽プログラム「『DJ Plays“電気グルーヴ”ONLY!!』5HOURS!!!!! BROADJ♯2703 – WHO IS MUSIC FOR? MUSIC IS FOR EVERYONE!」が放送。
日本に限らず、Twitterの世界トレンドにも入りました。
また坂本龍一がTwitterで「音楽に罪はない」とツイートしたのを筆頭に、この音源配信停止に関しては様々なアーティストが苦言を呈しています。
電気グルーヴの作品の出荷停止、店頭在庫回収、配信停止に、断固反対する。 https://t.co/9D0bKornsf
— ソウル・フラワー・ユニオン (@soulflowerunion) March 14, 2019
とりあえず何でも自粛にしていく風潮はやめて欲しいけど、会社の規約、コンプライアンスなど仕方ないところはあるのだろうな…。電気グルーヴは本当にカッコいいし、まだまだ知られるべき音楽なのに。 https://t.co/hKnRNXuchw
— ピエール中野 凛として時雨 ピヤホン監修 (@Pinakano) March 14, 2019
日本では瀧さんの作品への心配が議論されてますが、
米国でもマイケル・ジャクソンの楽曲の取り扱いが物議を醸してます。やはりその人作品は切り離して扱うべきだと思うけどなぁ…。
https://t.co/ZoEvbFgGgO— Emi 🌠,🌠 (@emikusano) March 12, 2019
瀧本人は罪を犯しました。しかし、彼らがこれまで作ってきた音楽は何も悪くない。こんなにいい曲ばかりなのだ。
そんな思いをファンもアーティストも抱いていたことがわかります。
なお、配信・出荷停止した音源や映像作品が再度市場に出回ったのは2020年6月。逮捕・契約解除を経て1年弱かかりました。
同じような議論は2020年の槇原敬之の薬物による2度目の逮捕、そして2022年のロシアのウクライナ侵攻の際にも起きています。
前者の槇原敬之逮捕の際は、発売予定だったアルバムは発売延期となったものの過去の楽曲の配信・出荷停止という措置はとられていません。
しかし、瀧と同じく有名アーティストが薬物で逮捕されたという動きから、似たことが行われるのではという懸念の声が多く寄せられていました。
後者でいうと、ロシアの対ナポレオン戦争の勝利を記念して作られたチャイコフスキーの大序曲「1812年」の演奏を自粛する動きが出た際に、似た議論が起こっています。
不祥事や喜ばしくない出来事に対し、音楽業界内でどのくらい自粛をすべきなのか。この線引きは非常に難しいです。
さいごに
高校の友人という関係から始まり、日本のテクノバンドをけん引する存在となっている電気グルーヴ。瀧は俳優として、石野は音楽家としてソロ活動でも結果を残しつつも、電気グルーヴという原点は忘れていません。
ピエール瀧の逮捕やコロナの影響もあり、30周年を思い切り祝えいません。しかし、2021年の活動再開以降はライブ・メディアへの露出も活動自粛前まで戻りつつあります。
SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022への参加も決まっており、30年目以降のキャリアをどう盛り上げていくのか楽しみです。