バーチャルユーチューバー(通称:VTuber)の登場により、音楽も違った形で表現されるようになりました。
その1つとして、バーチャルシンガーの存在が挙げられます。
元々は初音ミクといったVOCALOIDに使用されていた名称ですが、現在ではアーティスト扮するバーチャルの存在を指すことが多くなりました。
今回の記事では、そんなバーチャルシンガーの1人として活躍する理芽(りめ)について紹介します。
YouTubeやTikTokを中心に活動を続ける彼女の気になる経歴や音楽性。人気曲について触れながら紹介するので、理芽が気になる人はぜひ最後までご覧ください。
目次
理芽(りめ)とは
理芽(りめ/RIM)
19歳(2021年現在)
日本語の歌、英語の歌、韓国語の歌が好きな女の子。
日本の何処かにいる19歳
理芽の公式で公表されている情報では、バーチャルシンガーとしての見た目と、日本の何処かにいる19歳との表記だけ。ちなみにデビュー当時の年齢は17歳と紹介されており、どうやら年を重ねる設定のようです。
キャラクターデザインには、酸欠少女さユりのジャケットや花譜のキャラクターデザインを担当したこともあるPALOWが担当。そして楽曲全般をシンガーソングライターの笹川真生が担当しています。笹川真生はボカロPとして活動していた時期もあり、『豆腐屋』『なぎさ』『mercredi』という名義であれば知っている人もいるのではないでしょうか。
覆面系シンガーもそうですが、バーチャルな存在はミステリアスな部分が多く、そのほとんどが詳細なプロフィールが明かされてはいません。そういったミステリアスな部分が気になる人も多く、もっと知りたいという気持ちから惹かれる人もいるでしょう。
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「KAMITSUBAKI STUDIO」発足と共に活動を始める
理芽の名前が初めて公となったのは、花譜(かふ)やカンザキイオリらが所属する『KAMITUBAKI STUDIO(神椿スタジオ)』が発足した頃でした。
2019年10月18日、YouTube発のクリエイティブレーベルとして誕生し、花譜らが所属する『KAMITSUBAKI RECORD(神椿レコード)』を内包するこのレーベルは、音楽に限らず、イラストや動画などの様々なジャンルを取り扱っています。
KAMITUBAKI STUDIOが立ち上げられると同時に、花譜に続く次世代のバーチャルシンガーとして、理芽、春猿火(はるさるひ)、ヰ世界情緒(いせかいじょうちょ)の3人を発表しました。
スタジオの立ち上げ2ヶ月後には、YouTubeの公式チャンネルにオリジナル曲「ユーエンミー」を投稿した理芽。これまではカバー曲や自己紹介のみでしたが、このオリジナル曲の発表により、バーチャルシンガーとして本格的な活動が始まりました。
オリジナル楽曲「食虫植物」がバズる
「ユーエンミー」から約3ヶ月後、新たに発表したオリジナル曲「食虫植物」がYouTubeを中心に広がり、TikTokといったSNSなどで多くの反響を呼びました。
2021年現時点でのYouTube再生数は2,900万回にまで上り、TikTokでの推定再生数もそれと同等もしくはそれ以上とされています。中毒性がある、歌詞がいいといった声が多く、理芽が発表した中で最も注目され、彼女を語る上では外せない曲と言えるでしょう。
方言系バーチャルシンガー
デビュー当初は標準語で話していた理芽ですが、ある時期から方言を用いた喋り言葉へと変化しています。その時の動画がこちらです。
元々は方言を使用していたようですが、理芽というキャラクターの都合上、どうしても標準語にしなくてはいけなかったようです。しかし、標準語に矯正することによって本来の魅力を出しきれず、2020年頃に方言の封印を解いたことがレーベル側から発表されました。
どの地域の方言を使用しているかについてですが、“やけん”という語尾から、博多弁であると推測されています。ただ、理芽は詳細な出身地を公表してはいないので、実際のところは不明です。
そんな突然の路線変更にファンは戸惑うかというと、むしろその逆でした。デビュー当初から理芽を知るファンの中には、彼女をもっと好きになったという好感の声が多く、この方言の解禁によって彼女の魅力がより増したのは確かでしょう。
花譜と理芽が同一人物説について
デビューから注目を集める理芽ですが、そんな彼女がとあるバーチャルシンガーと似ているという声が一部で挙がっています。そのシンガーというのが、同じKAMITUBAKI STUDIOに所属する花譜です。
見た目に関して言えば、両シンガーのキャラクターデザインが同じであることも要因の1つかもしれません。また、歌声がやや似ていることも挙げられます。
ただ、2人のシンガーには年齢差があります。2021年現在、花譜は17歳で理芽は19歳です。
これら全て設定と言ってしまえばそうかもしれませんが、2人が同一人物説について、KAMITUBAKI STUDIOの統括プロデューサーは下記のようにSNSで言及しています。
花譜と理芽は本当に全くの別人なんですが、どうしても信じてもらえない人達も居て、そんなに似てるかな..?と思ってます。
喋ると明らかに個性が違うんですけどね。音楽含め趣味嗜好も全く違うし歳も離れてます。
血は繋がってないけど心で繋がってる姉妹なんです。未だに問い合わせ多いので念の為。
— PIEDPIPER/KAMITSUBAKI P (@PIEDPIPER2045) September 21, 2020
花譜と理芽が同一人物であることには否定しています。このような発言をすることから、同一人物についての問い合わせは相当数に上るのでしょう。
バーチャルの中身が気になる人も多いと思いますが、ぜひ目の前の花譜や理芽という存在を純粋に楽しんでみるのがいいでしょう。
理芽のおすすめ曲
シンガーソングライターの笹川真生とのタッグによって生まれた理芽の楽曲の数々は、どれも素晴らしいの一言に尽きます。また、理芽はオリジナル曲以外にカバー曲も投稿しており、本来のアーティストが歌う楽曲とは違った魅力が生まれています。
どれもおすすめの作品ばかりですが、その中でも理芽をまだ知らない人に聞いて欲しい曲を並べてみました。ぜひ彼女を知るきっかけとして聞いてみてください。
「ユーエンミー」
理芽の記念すべきデビュー曲。理芽の透明感ある声を後押ししながらも、シンセサイザーの鋭さとノイズ混じりの音が生かされた楽曲。実写映像を組み合わせたことによって、モダンなサウンドが上手く溶け合っています。
「食虫植物」
愛されたいと願う気持ちが綴られた歌詞。独特なリズムと3Dを駆使したリリックビデオが癖になるでしょう。他の曲と違って理芽自身が登場しないのも新鮮です。食虫植物とは読んで字の如く、虫を食べる植物の総称です。そんな特性を愛に例え、曲として作り上げた笹川真生の技量にも驚きの1曲と言えるでしょう。
「甘美な無法」
イントロからの引き込みがとても印象的な楽曲です。MVでは様々な世界を飛び回る理芽の姿に、リアルではできない良さを感じ取ることができるでしょう。歌と伴奏で、スチームパンクの世界観が上手く表現されています。
「クライベイビー」
これまで紹介してきた曲の中でも異質さに富んだ曲。疾走感ある曲調に退廃的なサウンドが絡み合い、ポピュラー音楽とは相反する内容に仕上がっています。狭い部屋の一室に固定されたカメラワークと縦長に切り取られたような動画演出が、この曲の退廃的な雰囲気をより一層深めているように思えます。
「十九月」
歌唱のほとんどが語り口調で構成された前衛的な楽曲。まるで日記を読むように紡がれ、音楽ではなく、朗読劇を聞いているように感じます。幻想的でもあるサウンドが時に恐ろしくもあり、悲しくもある。遠回しに何かを伝えようとするメッセージ性の高い楽曲に仕上がっています。
最後に
バーチャルという存在が、徐々に浸透しつつある現代。これからもバーチャルシンガーは増え続けていくでしょう。理芽もその1人として、ぜひ頑張ってもらいたいですね。これから先、どのような活躍をしていくのか、非常に気になります。
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