『人マニア』『イガク』など個性的な楽曲を次々に生み出すボカロP・原口沙輔。
2023年に投稿したデビュー曲がYouTubeで3300万回再生を超えるなど、高い注目を集めています。
また、原口沙輔には2020年東京パラリンピック閉会式でパフォーマンスをするほどのメジャーアーティストという一面も。
そんな彼が、なぜ突然ボカロPとなったのでしょうか。
今回は、謎多き若手アーティスト・原口沙輔のプロフィールや経歴、おすすめ楽曲などをご紹介します。
目次
新進気鋭のボカロP!? 原口沙輔のプロフィールを紹介
@DistortBot pic.twitter.com/m4ShTm2QZE
— 原口沙輔 (@sasuke_maschine) January 11, 2022
- 名前:原口沙輔(旧:SASUKE)
- 生年月日:2003年5月21日
- ボカロ活動:2023年8月~
- 主な使用ボーカロイド:重音テト(UTAU)
原口沙輔は、2023年よりボカロ曲の投稿を行っている今注目のボカロPです。
その魅力は、なんといってもインパクトのある楽曲。
初めて聴くときは尖った音作りや歌詞に衝撃を受けますが、何度か聴いているうちにハマってしまう中毒性を持っています。
特にデビュー曲である『人マニア』はYouTubeで3300万回再生を超える人気楽曲となりました。
あまりの人気に、投稿当時「一体何者なのか?」と疑問に思ったボカロリスナーも多かったのではないでしょうか。
原口沙輔は、ボカロから音楽活動を開始したアマチュアのクリエイターではありません。
長年”SASUKE”という名義で活動してきた若きメジャーアーティストだったのです。
音楽制作から歌唱、演奏、ダンスまで!マルチにこなす天才クリエイター
10歳でニューヨークに進出!?アマチュアナイトで日本人最年少優勝
SASUKEこと原口沙輔は、音楽制作から歌唱、ダンスパフォーマンスまで、幅広い分野で活躍するマルチクリエイターです。
その音楽的ルーツは、2歳のころにありました。
音楽好きな家族のもとで育ったという原口沙輔は、2歳にしてダンスを、5歳のころにはすでに作曲にも挑戦していました。
独学でさまざまな音楽活動に取り組んだ原口沙輔は、その後10歳にしてニューヨーク・アポロシアターで開催された「アマチュアナイト」にダンス部門で出場。
なんと日本人最年少優勝を達成してしまったのです。
アマチュアナイトは、マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーなどの世界的スターを生み出してきた伝統あるオーディションイベント。
出場に憧れるパフォーマーも多い中、原口沙輔は小学生にしてダンスパフォーマンスで優勝したのでした。
さらに、12歳のときにはフィンガードラムパフォーマンス日本一を決める大会「ACHIEVEMENT BEAT BATTLE」に出場し、大人に混じって準優勝を果たしています。
原口沙輔は、ダンスにドラムとさまざまな才能を持つ若きクリエイターなのです。
弱冠15歳にしてメジャーデビュー!
「アマチュアナイト」優勝以降、音楽制作に力を入れていた原口沙輔は、自作の楽曲をSoundCloudなどのサイトに投稿していました。
拡散希望‼️
なんと!僕の曲『インフルエンザー』の配信が12時からスタートしました😆✨
僕が去年作った曲で、学校でインフルエンザが流行っていたので思い付いて作った曲です!昔から僕のことを知ってる人にはお馴染みの曲笑笑
是非フルバージョンで😆
↓https://t.co/Y4OVJauy7n#インフルエンザー pic.twitter.com/hodqe8kpLP— 原口沙輔 (@sasuke_maschine) December 25, 2018
すると、2018年12月に稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾によるユニット・新しい地図 join ミュージックに楽曲『#SINGING』を提供することに。
同じく2018年12月には楽曲『インフルエンザ―』をリリースし、ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビューを果たすこととなりました。
原口沙輔は、15歳にしてメジャーアーティストとなったのです。
さらに、2020年1月にはフランス出身のスーパープロデューサーMADEONの来日公演、同年2月には「JリーグFUJI XEROX SUPER CUP 2020」のハーフタイムショーにも出演しています。
17歳になるころには、国内外でオファーが殺到するアーティスト・クリエイターの地位まで登り詰めてしまったのです。
2020年東京パラリンピック閉会式にも出演!
活躍は、メジャーシーンにとどまりません。
2021年1月に所属レーベルや事務所を離れ、フリーランスの音楽クリエイターになった原口沙輔は、2020年東京パラリンピック閉会式にクリエイター・パフォーマーとして出演しています。
改めまして、パラリンピック閉会式のオープニング映像、僕のパフォーマンスパート、皆さんとのセッションパート、東京クルージング(渋谷のとこ)の音楽を担当、そして出演しました。
貴重な経験をさせて頂きました!
全ての関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした🙇♂️#パラリンピック閉会式#tokyo2020 pic.twitter.com/buvTJ52Jm6— 原口沙輔 (@sasuke_maschine) September 6, 2021
オープニング映像の制作や会場でのダンスパフォーマンスなど、これまで培ってきたさまざまなスキルを活かした演出で観客を圧倒しました。
2023年”原口沙輔”として活動スタート
2023年、これまでSASUKEとして音楽活動に取り組んできた原口沙輔は名義を変え、“原口沙輔”として1stアルバム「アセトン」を配信でリリースしました。
同年にボカロPとしての活動もスタートし、原口沙輔の名前はボカロリスナーの間でも知られるようになったのです。
ボカロを始めた経緯は、フリーランスになってようやく時間が取れるようになったから。
ボカロ自体は小学生のころからよく聴いており、ボカロを使った楽曲制作にも挑戦してみたかったのだといいます。
名義を変えたのも「ボカロPを始めるから…」といったものではなく、自分の活動を見直した結果、本名に落ち着いたからでした。
このように、原口沙輔はマルチな才能と確かな実績を持つ実力派クリエイターとして、ボカロ音楽シーンにも参入していったのです。
代表作は初投稿曲!『人マニア』で人気ボカロPに
原口沙輔のボカロPとしての代表曲といえば、やはりデビュー曲の『人マニア』です。
2023年8月に投稿された動画は、2024年7月時点でニコニコ動画400万回、YouTubeでは3300万回以上もの再生がされており、たった1年で多くの人に聴かれている楽曲であることが分かります。
本楽曲はもともと、ニコニコ動画で開催された投稿祭「ボカコレ2023夏」の参加曲として投稿されたもので、投稿時はほとんど無名のボカロPにも関わらず、有名ボカロPの楽曲に混ざってTOP100ランキングにランクイン。11位という好成績を収めています。
さらに、UTAU版重音テトが歌唱している楽曲としても多くの記録を残しており、UTAUを使用したデビュー作でニコニコ動画ミリオン再生を達成した初のボカロPとなりました。
楽曲は、一言でいえば音MAD(さまざまな動画や音声を音楽のリズムに乗せて再編集した二次創作作品)やネットミームなどのアングラな雰囲気漂うインターネットカルチャーを音楽にしたもの。随所に人の叫び声や爆発音などの”音”が組み込まれており、耳に残るリズムと共に中毒性を生んでいます。
これには「現代の若者は歌詞ではなく音やリズムで音楽を聴いている」という原口沙輔なりの分析があり、日本人になじみのあるリズムを研究して意図的に作っているのだそうです。
実のところ、本人は「満足いくものが作れたからそこまで聴かれなくてもいい」とさえ思っていたようですが、そんな思いとは裏腹に『人マニア』は多くの人の耳に残る大ヒット曲となりました。
2024年には『イガク』も投稿!
2024年2月23日には、「ボカコレ2024冬」参加曲として『イガク』を投稿。
『人マニア』と同じくクセになる音作りが反響を呼び、TOP100ランキングでは堂々の1位を獲得しました。
しかも、集計期間中、毎時ランキングでも常に3位以内をキープする圧倒的な人気を見せつけ、ニコニコ動画動画では1ヶ月弱で伝説入り(100万回再生)するという快挙も達成しています。
絶妙な間を生む「ユ!」という掛け声が人気の理由のひとつ。
とにかく耳に残る音作りがされており、何度も聴きたくなる中毒性があります。
歌詞や映像からも作りこまれた表現を感じられ、ネットではMVに登場する記号のような文字を読み解いて考察するファンも多く見られる楽曲です。
意味を考えずともスラスラ聴けてしまうけれど、意味深な思いが込められているようにも感じるミステリアスさが本楽曲の魅力です。