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『脳漿炸裂ガール』の大ヒットは必然だった!?
れるりりが人気ボカロPになったきっかけといえば、2012年10月に投稿された『脳漿炸裂ガール』。
2022年12月現在、YouTubeで6000万回、ニコニコ動画で950万回再生を超えるロングヒットを見せており、れるりりの代名詞とも呼べる楽曲となっています。
しかし、本楽曲が大ヒットしたのは偶然ではなく、れるりりによる研究の結果でした。
当時、どうしたらより多くの人に音楽を聴いてもらえるのかを考えていたれるりりは、ニコニコ動画で伸びている人気ボカロ曲の傾向を分析。
音楽的特徴として、“ジェットコースターのように目まぐるしく展開する速いロック”と“早口でまくしたてるように歌うボカロ”という結果に辿りつきます。
さらに、“歌ってみた”で流行っているボカロ曲は伸びやすいというニコニコ動画内の傾向も発見。
これらを踏まえた楽曲として、『脳漿炸裂ガール』は誕生したのです。
また、歌詞も当時のボカロリスナーに多かった十代女子を意識して作成。
タイトルにあえて難しい四文字単語を入れたり、意味があるようで分からない歌詞で考察を誘ったりと、ネットでたくさん聞いてもらうための工夫を凝らした結果が大ヒットにつながったのです。
”歌ってみた”などの二次創作も数多く投稿され、最近ではリズムゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下プロセカ)にも収録。
新たにボカロへハマッた世代にも人気の楽曲となっています。
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二次創作大歓迎!れるりり楽曲とメディアミックス展開
『脳漿炸裂ガール』は、その人気の高さと考察しがいのある歌詞・PVから、文庫化や漫画化、ボカロ初の実写映画化など、さまざまなメディアミックスを展開。
れるりり人気ボカロ楽曲原案、厨二病学園コメディ!★「厨病激発ボーイ」TVアニメ化決定! https://t.co/XgwPO7wzW7
無事にアニメ化決定しました!(・ω・)♪
— れるりり (@rerulili) March 18, 2019
2015年1月投稿の『厨病激発ボーイ』も、過去に小説化・舞台化・アニメ化といったメディア展開が行われています。
ほかにも複数作品がノベライズ化されており、楽曲をさまざまな方向から楽しめるのがれるりりの魅力のひとつです。
メディアミックスや二次創作については、ボカロPによっても意見が大きく分かれるところですが、れるりりは歓迎派。
過去のインタビューでも「自分の音楽をきっかけにみんなが楽しくなってくれれば」と述べており、楽曲というネタを提供するエンターテイナーとしても活躍しています。
“山崎まさよし”に影響を受けた“れるりりの音楽”
れるりりといえば、多彩な音楽性が魅力のひとつ。
その音楽的ルーツを辿ると、『脳漿炸裂ガール』のようなボカロらしい音楽から、初投稿のようなバラード曲まで幅広いジャンルの楽曲を制作している理由が分かりました。
小学生の頃から音楽を聞くのが好きだったれるりり。
当時は優しいバラード系の曲が好きで、中学に上がった頃にギターを始めたといいます。
ギターを選んだ理由は、流行っていたゆずの楽曲をコピーをするためでした。
その後、高校生で山崎まさよしのアルバムに出会い、ギターのカッコよさに惹かれて演奏技術やジャズ、ブルースといったブラックミュージックを勉強。
軽音部にも所属し、ベースやドラムも触っていたといいます。
山崎まさよしさんのtransitionというアルバムは今まで聴いたアルバムの中でも1番いい音だ(;_;)
— れるりり (@rerulili) May 7, 2011
バンドを組み、さまざまな音楽経験を積んでいたれるりりですが、高校卒業後は音楽の道に進むつもりではありませんでした。しかし、バイト先を通じてスカウトされ、バンド活動に数年間専念。
バンド解散後も音楽を続けるためDTMに触れたのが、ボカロPになるきっかけだったのです。
過去のエピソードからも、れるりりはバラードやフォークサウンド、ジャズ、ブルース、ロックなど、さまざまな音楽の影響を受けていると分かります。
この経験があるからこそ、楽曲によってまったく異なる雰囲気を持つれるりりの音楽があるのでしょう。