日本男子フィギュアスケーターの中で史上3人目のオリンピックメダリストに輝いた宇野昌磨(うの しょうま)選手。
宇野昌磨選手がスケートを始めたきっかけ、そして今日までの活躍ぶりは一体どのようなものだったのでしょうか。
本記事では彼の経歴をさかのぼると共に、その魅力について解き明かしたいと思います。
目次
宇野昌磨選手・プロフィール
名前:宇野 昌磨(うの しょうま)
生年月日:1997年12月17日
身長/体重:158cm/55kg
血液型:B型
出身地:愛知県名古屋市
出身校:中京大学付属中京高校、中京大学
所属先:トヨタ自動車
宇野昌磨選手・経歴
スケートとの出会いからシニアデビューまで
宇野選手がスケートを始めようと思ったのは5歳の頃。
地元名古屋のスケートリンクを訪問した際にホッケーのスクールに入ろうか悩んでいたところ、元フィギュアスケート選手で現在はプロフィギュアスケーターとして活躍中の浅田真央さんにスケートを勧められたことがきっかけだったそうです。
ハードな練習もスケートに対する楽しさで乗り切り、2007年から2010年にかけての全日本ノービス選手権はすべて優勝。
2011-2012シーズンにはジュニアのGPシリーズに初出場ながら3位表彰台に上る活躍ぶりを見せ、2年後の2013-2014シーズンではシニア枠で出場したガルデナスプリング杯で初優勝を飾ります。
さらに、翌シーズンのアジアフィギュア杯でも優勝し、その後のジュニアGPシリーズファイナル戦でも世界歴代最高得点を獲得して優勝。
全日本ジュニア選手権でも、ショートの演技でジュニア選手初の80点越えを成し遂げて見事優勝、と次々に主要な大会を制して同世代の選手と圧倒的な差をつけていきます。
シニアデビューの2015-2016シーズン
2015-2016シーズン、宇野選手は待望のシニアデビューを果たします。
GPシリーズでは初戦のアメリカ大会で2位、エリック・ボンパール大会で優勝という快挙を達成し、ファイナルへの切符を手にしました。
ファイナルでは、3連覇を達成した羽生結弦選手とその好敵手であるハビエル・フェルナンデス選手に次いで銅メダルを獲得。
本大会初出場の選手がメダリストになるのは史上初の出来事で、世界中から注目を集めました。
しかし、その後の四大陸選手権は4位、世界選手権は7位とどちらも表彰台には届かず。
満足いかない結果は、自身の力不足によるものだと涙する瞬間も見られました。
シーズンの締めくくりに出場したチームチャレンジカップでは、前大会の結果を見事に払拭。
世界初となる4フリップを成功させ、ギネス記録に認定されます。
▼羽生結弦選手の記事はこちらから
2016-2017シーズン
シニア2年目のシーズンは、4回転に力を入れたプログラム構成にすることでトップスケーターたちとの差を埋めていこうと考えていた宇野選手。
夏に行ったアメリカ合宿では数えきれないほどの4回転ジャンプを飛び、今までとは比べ物にならないほどの体力を手にします。
その成果は本番にしっかりと発揮され、GPシリーズ初戦のロンバルディア大会で優勝すると、続くアメリカ大会でもフリー演技の4回転3本をすべて決める好調ぶり。
ファイナルでは、ショートの演技で得点源の4フリップが減点されたことによって点数に伸び悩みますが、フリーでは大きなミスなく2年連続で3位表彰台に立ちました。
その後、12月の全日本選手権では初優勝。
2月の四大陸選手権ではシーズン前半で感じたショートの課題を克服し、史上4人目となる100点台に乗る点数を生み出しました。
さらに、フリーでは初挑戦の4ループを含む4回転4本を見事に決め、自己ベストとなる288.05点を出して銅メダルを獲得します。
ショートフリー共に自身最高の演技を披露出来たという世界選手権では、首位の羽生選手とのわずか2点ほどの差で銀メダルに輝きました。
2017-2018シーズンと平昌オリンピック
このシーズンのフリープログラムは2シーズン前、シニアデビューの年にも使用した「トゥーランドット」。
彼の体によく染みついている思い出の曲で2月の平昌を目指したいと思ったようです。
そんな勝負曲で臨んだGPシリーズ初戦のカナダ大会は、見事優勝。
続くフランス大会は、インフルエンザの影響で本領が発揮できない中での2位となります。
無事に進出を果たしたファイナルは、宇野選手の地元である名古屋開催ということもあって準備万全の状態で出場。
結果はネイサン・チェン選手にわずか0.5点及ばずに銀メダルとなりますが、フランス大会の時と違って楽しい演技が出来たということでその表情には笑顔が戻りました。
12月の全日本選手権は、羽生選手が怪我の影響で欠場。
追われる立場になった宇野選手は無意識のうちに追い込まれていたのか、ショートで首位に立つも「余裕がなかった」と話します。
結果的に大会2連覇を達成して平昌オリンピック代表に選出されますが、4回転に課題が残る演技に。
オリンピック前最後の実践の場となった四大陸選手権では、ショート首位発進。
フリーも冒頭の4フリップの転倒以外、大きなミスなく滑り切りました。
この試合の構成はオリンピック用だったとのことですが、難易度を上げたジャンプを盛り込んでも最終的には銀メダルを獲得。
彼にとって大きな自信に繋がる一戦となったそうです。
満を持して迎えた2月の平昌オリンピック。
細かいミスはあったものの、落ち着いた演技が出来たショートでは104.17点を記録して3位発進。
翌日のフリーは冒頭の4ループでの転倒以外に大きな減点はなかったため、転倒が2回見られたショート2位のフェルナンデス選手の点数を上回って銀メダルを獲得します。
日本男子シングルの選手で史上3人目のメダリストとなりました。
長いシーズンをしめくくる世界選手権では直前に痛めた右足の影響でショートの点数が伸びず、5位からのスタートとなりました。
翌シーズンの世界選手権の枠を稼ぐため、挑んだフリーではオリンピックの構成をそのまま使用。
演技中盤まではジャンプがなかなか決まらずに苦戦しますが、後半で4回転を含むコンビネーションを決める等して2年連続となる銀メダルを獲得します。
2018-2019シーズン
GPシリーズ初戦のカナダ大会ではショートのトリプルアクセルで転倒し、2位発進となります。
フリーでは4回転4本を着氷し、逆転優勝。
2戦目のNHK杯でも優勝し、ファイナルに4年連続での出場を決めます。
しかし、カナダ・バンクーバーで開催されたGPファイナルでは普段の調子が出ず、ショートとフリー共に回転不足が目立つ演技に。
前年同様チェン選手が優勝し、宇野選手は2位という結果に終わりました。
憧れの高橋大輔選手と5年ぶりの共演となった2018年の全日本選手権は、3連覇という期待を背負っての出場でした。
しかし、ショートの公式練習中に右足首を負傷するアクシデントに見舞われ、以降ジャンプをほとんど練習しないまま本番へ向かうことに。
それでも、冒頭のジャンプに成功すると流れに乗ってそのまますべてのジャンプを着氷する圧巻の演技で首位に立ちます。
フリーは周囲から棄権を勧められますが、自身の強い意志で出場を決意。
4回転を次々に着氷させ、シーズンベストの点数を出して3連覇を成し遂げました。
続く四大陸選手権でも逆転優勝を飾ります。
しかし、世界選手権はショートで6位と伸び悩み、最終結果は4位と久々の表彰台落ちとなりました。
2019-2020シーズン
昨シーズン終了後、宇野選手は5歳から指導を受けていた樋口コーチと山田コーチの元を離れることを決意しますが、コーチ不在のまま迎えたGPシリーズ初戦のフランス大会ではシニアデビュー後最低となる8位に終わり、ファイナル進出を逃します。
全日本選手権での羽生選手との4年ぶり直接対決を前に、コーチのいない状態に限界を感じたのかステファン・ランビエールコーチへ師事を仰ぐことを決意。
出場を逃したGPファイナル期間を利用し、スイスで4回転の練習に取り組み始めます。
その成果が出たのか全日本選手権の当日、ショートの演技で苦戦していた4フリップを見事に着地。
フリーはジャンプの加点に伸び悩み自己ベストの達成は叶わなかったものの、羽生選手の得点を上回り逆転優勝します。
そうして全日本選手権4連覇を成し遂げた宇野選手の次の実践の場は四大陸と予定されていましたが、今後コーチの移行と共に拠点を海外に移す上で時間が必要だと考えた彼は辞退を発表。
3月の世界選手権に向けてスイスでどれだけジャンプの完成度を高めてくるのか、という部分に注目が集まります。
宇野昌磨選手・スケートの特長
表現面への強いこだわり
高い表現力を持つ高橋大輔選手に憧れる宇野選手。
彼自身も曲調にピタリと合った演技を得意としており、元コーチから絶賛されています。
本人も、今季からランビエールコーチに指導してもらうに当たってさらなる表現力へのこだわりを見せていきたい、と表明しているので世界選手権でどれだけの成長が見られるのか楽しみなところです。
▼高橋大輔選手についてはこちらから!
滑らかなスケーティング
宇野選手の演技構成点の高さは、滑らかな滑りによるもの。
スケート靴のエッジを上手に使い、伸びのある滑りで会場を魅了します。
宇野昌磨選手・魅力
普段と試合中の表情のギャップ
普段は子犬のように愛くるしい表情をしていますが、演技が始まった途端まるで別人のような雰囲気を放ち始めます。
素の彼にはない、闘志に満ちたような顔つきに魅力を感じる方も多いようです。
素の天然過ぎる性格
ちょっとした仕草や、インタビューの受け答えの中で素の天然ぶりを発揮する宇野選手。
そんな彼の性格が女性ファンの間で可愛いと話題です。
引き込まれる独特な空気感
12月に22歳になった宇野選手。
もう立派な大人の男性ですが、ついつい撫でたくなってしまうような独特な空気感を醸し出しています。
他の男性スケーターにはない、彼だけが持つ雰囲気に誰もが引き込まれてしまうのです。
天才に勝る努力家
目標を作らず、常に自分に向かって挑戦し続けるのが彼のスタンス。
決して天性のスケート能力を持っていたわけではありませんが、どんな壁も努力を重ねることで乗り切ってきました。
だからこそ無限の成長が期待出来る選手です。
まとめ
今回は宇野昌磨選手の経歴を中心に、彼のスケートの特長や彼自身の魅力についてご紹介しました。
これを機会に、今まで以上に彼のことを知るきっかけになったのであれば大変嬉しいです。
現在、3月の世界選手権に向けてスイスで調整中の宇野選手が新しいコーチによってどれだけ表現力に磨きをかけてくるかという部分に注目しつつ、試合本番を楽しみに待ちましょう!
▼あわせて読みたい!