新世紀エヴァンゲリオン – 歴代主題歌!テレビ版・劇場版を含めてまとめて紹介!

新世紀エヴァンゲリオン – 歴代主題歌!テレビ版・劇場版を含めてまとめて紹介!


社会現象にまで発展した『新世紀エヴァンゲリオン』。四半世紀に渡りファンに愛され、ラストを飾る新劇場版は大きな反響を呼びました。今回は長年愛されてきたエヴァンゲリオンの歴代主題歌をテレビ版から含めてまとめて紹介します。

1990年代にオリジナルSFアニメとして登場した『新世紀エヴァンゲリオン』

哲学的で難解なストーリーは放送終了後でも語られ、世代でない人からも知られるほどの人気作品として知られています。

テレビ版から始まり、漫画やゲーム、劇場版にまで発展した作品は、日本を代表する作品といえるでしょう。

今回の記事では、歴代のシリーズ作品を彩ってきた主題歌を、テレビ版から劇場版に至るまで一挙まとめて紹介していきます。また、新劇場版のネタバレに関する内容は記載せずに紹介していきますので、まだ観たことがないという人でも安心してご覧ください。

新世紀エヴァンゲリオンとは


https://promo.kadokawa.co.jp/eva/

大災害『セカンドインパクト』が起きた世界を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器『エヴァンゲリオン』のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵『使徒』との戦いを描いたSF作品が本作品です。

放送が開始された1990年代を代表する作品であると同時に、アニメ業界において多大な影響力を与えた作品として国内だけでなく、海外からも高く認知されている作品です。

放送終了後も様々なメディア展開が行われ、四半世紀経った2020年以降、本編をリアルタイムで観たことがない人であっても、キャラクターや作品のタイトルが知られている作品でもあります。

2006年にはこれまでのテレビ版・劇場版の設定を大きく変更した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズが放映されたことで、その認知度はより高まり、日本を代表するコンテンツとして欠かすことができないものとなりました。

テレビアニメ版主題歌

GAINAX(庵野秀明)原作によるSFオリジナルアニメ作品として、1995年より全26話で放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』。哲学的で難解なストーリーは、放送開始から大きな反響を呼び、90年代を代表するアニメ作品として現在でも語られています。下記では、そんな話題沸騰のアニメ作品を支えた主題歌を紹介しているので、ぜひご覧ください。

「残酷な天使のテーゼ」高橋洋子

最初に紹介するのは、高橋洋子さんが歌う「残酷な天使のテーゼ」です。

エヴァンゲリオンを代表する曲でもあり、数あるアニソンの中でも高い人気を誇り、アニソン界を代表するアニソンといっても過言ではないでしょう。

テレビアニメ版のOP主題歌として使用され、その人気は放送終了から25年が経った今でも続いています。

JOYSOUNDによる調べでは、平成の間に歌われた楽曲ランキングで総合1位を飾り、その人気はもはやアニメソングの枠を超えたものであることがわかります。

また、2020年9月6日にテレビ朝日系列で放送された『国民13万人がガチ投票!アニメソング総選挙』においては、堂々たる1位にランクイン。

哲学的で難解な曲ではありますが、一度聞いたら耳から離れない癖の強さは、どの楽曲と比べても群を抜いているでしょう。

「FLY ME TO THE MOON」CLAIRE


※リンクの歌唱は高橋洋子さんが担当しています。

テレビアニメ版のED主題歌として起用されたのは、ジャズのスタンダード・ナンバー曲のカバーである「FLY ME TO THE MOON」です。歌唱は、CLAIRE(クレア・リトリー)さんが担当しました。

アニメソングとしては珍しく洋楽が取り入れられています。この曲は他でもない、エヴァンゲリオンの生みの親でもある庵野秀明さん直々による希望だそうです。

実際にCLAIREさんが歌唱したのは、全26話のうち第1話~4・11・18・19話だけで、その他の話数ではRei(林原めぐみ)、YOKO TAKAHASHI、Aya、Akiの4人のヴォーカルが歌唱を担当。

ヴォーカル以外にもインストゥルメンタルなどを含めると、全14ものバージョンが使用されました。それぞれ細かなアレンジが加えられており、発売されたリニューアルDVDなど、未使用のバージョンを含めると52ものバージョンが用意されていたとか。

エヴァンゲリオンはアニメーションやストーリーに注目されがちですが、実は音楽も非常に重要な要素を担っています。今回のエピソードで、その一端を知ることができたのではないでしょうか。

旧劇場版主題歌

現在2000年代に放映された劇場版シリーズよりも前に、1990年代に放映された映画版は旧劇場版として呼ばれています。テレビ版では語られていなかったもう1つのストーリーを補う形で放映され、総集編を含めた内容のものとなっています。しかし、主題歌は別に用意されており、これらもエヴァンゲリオンシリーズを語る上では欠かすことのできないものとなっています。

「魂のルフラン」高橋洋子

1997年3月15日に放映された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』

主題歌「魂のルフラン」を担当したのは、テレビアニメ版のOPを歌った高橋洋子さんです。

ちなみに“ルフラン”とは、“refrain(リフレイン)”のフランス語読みだそうで、“繰り返し”という意味があります。

この主題歌を作詞を担当した及川眠子さんは、テレビ版OPの「残酷な天使のテーゼ」を担当した人物でもあり、作詞にあたって本編をほとんど見ずに詞を書き上げたそうです。

テレビ版本編の1話分を視聴後、「これは“輪廻”だ」と考えた及川さんは、タイトルを「魂のリフレイン」としますが、音数などが合わなく気持ち悪く感じたそうで、上記のフランス語の“ルフラン”にしたと後に語っています。

また、歌詞の一部に「私に還りなさい」という言葉は比喩的な表現でもあり、直接の表現としては「子宮に還りなさい」が正しいんだとか。エヴァンゲリオンはストーリーもそうですが、主題歌も良い意味でぶっ飛んでいるのがわかります。

「THANATOS -IF I CAN’T BE YOURS-」LOREN & MASH


※リンクの歌唱は高橋洋子さんが担当しています。

1997年7月19日に放映された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』

劇中とスタッフロールで流されたもので、この楽曲はアニメソングではなく、洋楽として販売されました。テレビアニメ版主題歌の「FLY ME TO THE MOON」のような、ジャズテイストな曲調が特徴的な1曲です。

元々は劇場版の主題歌として使用するものではなく、作曲を手掛けた鷺巣詩郎さんが、劇場版へ向けての緊張感を保つために自主的に制作したものでした。しかし、このデモを聴いた庵野秀明監督は、即決で主題歌に採用したようです。

新劇場版主題歌『序』

1990年代に一世を風靡して社会現象にまでなった『新世紀エヴァンゲリオン』

そのリメイク作品、アニメ劇場版シリーズ第1作目となるのが、2007年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』です。タイトルの『エ』『ヱ』に変更されていますが、この表記はタイトルのみで、劇中に登場する機体などは従来どおりの表記が用いられています。

しかし、同じ作品ではあるものの、過去のアニメ版や劇場版シリーズとは異なるストーリー展開、新キャラクターが登場します。そのため、これまでのシリーズを見たことがないという人でも楽しめる内容となっています。

同時に主題歌なども一新されており、新劇場版シリーズでの主題歌は全て宇多田ヒカルさんが担当することになりました。下記の項目にまとめていますので、気になる方はぜひご覧ください(※ネタバレに関する情報――キャラクターを特定する名前、ストーリー、結末などに関しては記載しておりません)。

「Beautiful World」宇多田ヒカル

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のテーマソングとなった「Beautiful World」。歴代シリーズでは高橋洋子さんが担当していましたが、今回の新劇場版の放映にあたり、シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんが担当することになりました。

今回、宇多田ヒカルさんがテーマ曲を歌うことになったのは偶然の出来事でした。2006年の『週刊プレイボーイ』の企画で『新世紀エヴァンゲリオン特集』が組まれた際、作品の熱狂的なファンである宇多田ヒカルさんのインタビューが掲載されました。その時の記事をたまたま読んだ庵野秀明監督や制作スタッフが打診したことで、今回の主題歌が実現したのです。

リアルタイムでエヴァンゲリオンを観たことがなかったと語る宇多田ヒカルさんでしたが、知人の薦めをきっかけに作品にのめり込み、このインタビューの数年前から寝る間も惜しんでアニメを視聴したそうです。

全26話もあるアニメを僅か3日で観終え、その熱中ぶりに今回のインタビューが実現しました。その知人の薦めがなければ、今のテーマ曲は別のアーティストになっていたかもしれませんね。

「もしも願い1つだけ叶うなら」と歌詞にあるように、この楽曲には願いが込められていると語る宇多田ヒカルさん。「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」とは違った美しさを感じる楽曲に仕上がっています。

「Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX-」宇多田ヒカル

「Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX-」は、映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の予告編テーマソングとして使用された楽曲です。

これは宇多田ヒカルさんの5枚目のシングル「Wait&See 〜リスク〜」に収録されているジャズ楽曲のカバーがベースになっており、今回の映画版に合わせて新たにリマスタリングされたものが収録されています。

新劇場版主題歌『破』

2009年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。全4部作の2作目にあたります。

内容について深くは触れませんが、テレビ版や旧劇場版をなぞりつつも全く異なるストーリー展開となっており、新旧のファンも楽しめる内容となっています。2作目ということもあり、前作と見比べてどのような伏線が散りばめられているのか、ファンの間では大いに盛り上がりました。

そして、2作目となる今回の主題歌も、前作に引き続き宇多田ヒカルさんが担当しました。

「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」宇多田ヒカル

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の主題歌となった「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」は、前作の「Beautiful World」の別バージョンとなる楽曲です。

現在はアルバム『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』に収録されていますが、当時は配信限定シングルとして発表され、映画の公開初日に合わせて配信されました。

前回の主題歌と同じではあるものの、その雰囲気はガラリと変わってしまっているのがわかると思います。曲調がアコースティックを主体にしたものだということはもちろんなのですが、原曲の世界そのものの願いを歌うというよりは、どこか人間臭さのような、身近な願いのようにも受け止めることができます。

曲そのものがストーリーにも大きくリンクしているので、実際に映画本編を観た後に聴き比べてみると、また違った捉え方をすることができるかもしれません。

新劇場版主題歌『Q』

2012年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』。全4部作の3作目にあたります。

これまでのストーリーは新規キャラや異なる演出などがありつつも、テレビ版や旧劇場版をなぞる内容のものとなっていました。しかし、本作品より全く異なるストーリー展開へとシフトチェンジしており、旧作からのファンであっても予測できないものとなっていました。

そして、それとは別に主題歌に関して一時問題が発生していたことでも話題となりました。その問題というのが、新劇場版主題歌を担当していた宇多田ヒカルさんが、2010年より活動休止を発表していたことです。

上映予定が決まる中で主題歌だけ発表されないという時期があり、これにはファンの間でも大きな話題となりました。しかし、活動休止中であるにも関わらず、宇多田ヒカルさんは特例として主題歌の制作に臨み、映画公開当日に発表された主題歌は、各種情報サイトやSNSで上位を独占するほどの盛り上がりでした。

そんな当時話題となった主題歌「桜流し」は、下記の項目で紹介しているので、映像とともにぜひご覧ください。

「桜流し」宇多田ヒカル

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の主題歌となった「桜流し」

本来の放映時期は2011年を予定していたそうですが、制作などの関係で2012年に延期されました。また、この発表当時は主題歌も決まっておらず、その理由というのが、これまで新劇場版主題歌を担当していた宇多田ヒカルさんが2010年に活動休止を発表したからです。

しかし、制作スタッフからの熱烈なオファーと、本人が作品に対して熱い思いを抱いていたこともあり、活動休止中であるにも関わらず、新曲「桜流し」が書き下ろされました。

「桜流し」という言葉には、春の終わりに訪れる梅雨の季節を表す季語です。制作にあたって庵野秀明監督は、映画の展開に関係なく、宇多田ヒカルさんが思うこと、感じることを歌にして欲しいと希望したそうです。

宇多田ヒカルさんはその希望に沿った内容のもので制作に臨み、本人も台本はもらったものの、ネタバレになることを嫌がり、目を通さずに作詞を行ったようです。

台本を読んでいないにも関わらず、その曲調は非常にエヴァンゲリオンの世界観に溶け込んでいるように思えます。ピアノの伴奏に揺れながらセンチメンタルさが表現されており、本編の映画を観た人でなければ気付けない、皮肉さが込められている歌詞にも注目です。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

2021年に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(タイトルの『||』の部分は、演奏記号の反復終了記号が正式名称)。

前作『Q』の放映から9年ぶりとなる、全4部作の最終作となる今作品。これまで『ヱ』という表記だったものが、テレビ版や旧劇場版と同じ『エ』の表記に戻っていることが見て分かると思います。

最終作というだけあり、多くのファンが待ち望んでいた本作品は、長年の延期を繰り返していたにも関わらず、各種SNSで大いに盛り上がりを見せました。ネタバレを防ぐために自らSNSを自重する動きもあり、その話題性は異常と捉えられるほどです。

そんな最終作品の主題歌を担当するのは、もちろん宇多田ヒカルさんです。

「One Last Kiss」宇多田ヒカル

配信開始と同時に多くの反響を呼んだ「One Last Kiss」。その人気は凄まじく、YouTubeでは配信から僅か30分で20万回再生を超え、公開から6日後には1,000万回再生を突破しました。

弾むようなサウンドの中に潜む低音のベースが、歌唱部分と上手く混ざり合っており、エヴァンゲリオンのストーリーに沿った内容ながら、終盤での連続した「忘れられない人」という歌詞が、この曲の本質を描いているように思えます。

ちなみに今回のMV製作にあたっては、宇多田ヒカルさんサイドから監督を庵野秀明監督に依頼したそうです。また、コロナ禍での製作であったため、ほとんどのやりとりはメールなどの最低限の接触に抑え、撮影場所であるロンドンでの映像確認は行わず、庵野秀明監督は日本に送られてきた素材の中から製作を行ったとのこと。

日常を切り取ったような映像の数々。特殊な映像処理による演出は行われておらず、自撮りなどを駆使した自然体の姿が映し出されています。とても温かみがあると同意に、どこか切なさすら感じさせるMV。映画本編もそうですが、つい何度も見直したくなってしまう作品です。

「Beautiful World(Da Capo Version)」宇多田ヒカル

最後を飾るのは、新劇場版最初の主題歌となった「Beautiful World」のリメイク作品です。

始まりの主題歌が最後を飾るというのは、やはりファンにとっても胸が熱くなる思いだったのではないでしょうか。アコースティックをベースにしたサウンドは、無駄がなく、徐々に消えるか細い火のようです。

歌詞は同じであるのに、ここまで違う曲に感じるのは、宇多田ヒカルさんの技術やセンスがあってのものでしょう。

この製作の背景には、主題歌の「One Last Kiss」だけではエンディングロールの長さに合わないと予測した庵野秀明監督が、宇多田ヒカルさんにオファーしたことで制作されました。どのようなエンディングロールかは、実際の映画や発売されるDVD・Blu-rayなどで確認してみてください。

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最後に

四半世紀にわたりファンに愛されてきた『エヴァンゲリオン』。

世代を超えてアニメやキャラクター、主題歌が語り継がれ、これこそファンを盛り上げる最高のコンテンツといえるでしょう。

今回紹介したのは主題歌だけでしたが、エヴァンゲリオンシリーズの本編ではストーリーを盛り上げる劇中歌も多数使用されています。

まだ観たことがないという人は、ぜひこの機会に観てみるのもいいかもしれません。

それでは、ここまでご覧いただきありがとうございます。

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