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楽曲「LOVE ROCKETS」が放つ新たなスラダンの世界
そんな数多くのファンを驚かせた劇場版、そしてThe Birthdayの起用。
なぜこの作品にThe Birthdayが選ばれたのか、そして書き下ろされた「LOVE ROCKETS」をファンはどう評価しているのか説明しましょう。
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The Birthdayが選ばれた理由は?
2006年結成、王道オルタナティブ・ロックを貫き続けているThe Birthday。メディア露出が少ないので、今回の抜てきがきっかけで名前を知った人も多いのではないでしょうか?
今回のタイアップのきっかけは、原作者の井上雄彦の音楽の趣味。実は彼、過去にこんなツイートをしているのです。
暑いのでヘッドホンでThe Birthday聞きながら原稿、おお、はかどる。
— 井上雄彦 Inoue Takehiko (@inouetake) August 21, 2012
彼はThe Birthdayの発起人であるGt&Vo.のチバユウスケのファン。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代から彼の声と曲に魅了されていることは井上雄彦ファンの間では有名でした。
今回のタイアップに関し、チバユウスケはスラダンの名前は知っていたもののきちんと読んだことがなかったそう。原作を読み切った上で「疾走感」にこだわって楽曲を仕上げたとコメントしています。
エンディングは10-FEETが担当しているのですが、The Birthdayとは違う切り口で話題です。というのも、10-FEETメンバーはスラダン世代で作品の大ファン!エンディングだけでなく劇伴も担当しており、話をもらった際は驚きを隠せなかったとコメントしています。
原作者が惚れ込んだアーティストと原作に惚れたアーティストが作品を彩っているのです。
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染み出る「ガラの悪さ」と「カッコよさ」
スポーツアニメのタイアップといえば、登場人物への応援ソング仕立てになっていたり、青春を表現したようなポップな曲が目立ちがち。とくに2000年代以降はJ-ROCKの流行に伴いより聞きやすい楽曲が取り上げられることが多いです。
しかし、The Birthdayは違います。
冒頭で王道オルタナティブ・ロックを貫き続けているバントと書いたように、楽曲は彼等らしいロックで仕上げています。
ロックのカッコよさを通じて表現しているのは、湘北高校の柄の悪さ。かき鳴らすベースで始まり、ドラム・ギターと音が重なり、しゃがれたチバユウスケの声が乗っかる。そこにスポーツアニメらしい爽やかさはありません。
このゴリゴリのロック感がスラダンらしさをより掻き立て、カッコよさを際立たせています。
普段からオルタナティブ・ロックを聴いている方からすればこのカッコよさは当たり前でしょう。
しかし、今回この曲を多く耳にするのはあくまでスラダンのファン。
きっと新たな音楽の可能性に触れ、彼らに魅了されていること間違いなしです。
この楽曲は2022年12月に配信EPとしてリリース。また同時期に行っていたツアー「GO WEST.YOUNGMAN」でも披露しています。
ライブの際、単なる新曲発表として披露しており、タイアップの件は一切話していないと言います。
映画のOPも最高と話題に
原作ファンをより魅了させているのがこの楽曲と共に流れるオープニング映像です。
湘北メンバー登場と同時に楽曲が始まり、主人公がいるチームの登場のはずなのに悪者が出てきたように演出されています。
今回映像化されている湘北高校対山王工業の試合は湘北高校側が悪者のような扱いをされていることもあり、その背景にばっちり合った映像にファンは大喜び!
The BirthdayのYouTube公式チャンネルにアップされているPVにはオープニング映像との組み合わせに関するコメントが多数見受けられます。
「あのオープニングを見に行くためにもう1回映画館に行きたい」という声も多数。それだけ曲と映像がしっくり来た仕上がりになっています。
最後に
元々名曲ぞろいだったアニメ・SLAM DUNKを彩るタイアップソングたち。今回、約30年ぶりにそのラインナップが変わりました。
The Birthdayの「LOVE ROCKETS」はスラダン原作目当てで映画を観に行ったファンすら取り込んでしまっている名曲。
決してメジャーなアニソンに寄せることなく、彼ららしいロックを貫いたことでむしろ原作の世界観にフィットさせることに成功しています。
The Birthdayファンだけでなく原作ファンも巻き込み、大きなブームが起きそうな予感がします。