宮本浩次 – エレカシの声、ソロデビュー曲『冬の花』の魅力に迫る!

宮本浩次 – エレカシの声、ソロデビュー曲『冬の花』の魅力に迫る!

日本を代表するロックバンド、エレファントカシマシのヴォーカルとして知られる宮本浩次(みやもと ひろじ)

活動の幅はミュージシャンだけにとどまらず、役者としてドラマ出演、バラエティ番組にも出演しています。バラエティ番組では、少し天然で独特なキャラが話題になりました。

ドラマ『Friends』では、売れないシナリオライターの役を見事にこなし、『俺のセンセイ』では元売れっ子の中年漫画家として主演を務めるなど、役者としても素晴らしい才能があります。

そんな多才な宮本浩次が2019年にソロ活動を始め、ファンから注目を浴びました。この記事では宮本浩次はどのような人物なのか、またソロデビュー曲『冬の花』の魅力など徹底解説します。

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宮本浩次とは


バンド・シンガーソングライター・役者として幅広く活動している宮本浩次。

個性的で独特な雰囲気がありますが、実際どのような人なのか気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは宮本浩次の経歴やプロフィールをまとめてみました。

宮本浩次(みやもと ひろじ)・プロフィール


生年月日:1966年6月12日
出身:東京都北区赤羽
身長:170㎝
血液型:O型
愛称:ミヤジ
担当:ボーカル&ギター

1966年6月12日生まれの現在55歳の宮本浩次。

1981年にエレファントカシマシを結成し、数々の名曲を生み出してきました。

ミュージシャンとしてだけでなく、役者やバラエティ番組にも出演し、ファンからは「ミヤジ」の愛称で親しまれています。

幼少期はNHK東京合唱団に入団し、声楽の指導を受けていました。宮本浩次の歌唱力の高さは幼少期から育まれていることがわかります。また、幼少期は童謡歌手としても活動し、すでにアーティストとして頭角を現しているといえるでしょう。

宮本浩次といえば、日本を代表するロックバンド、エレファントカシマシのヴォーカルとして有名です。

エレファントカシマシといえば、『今宵の月のように』や『俺たちの明日』、『悲しみの果て』などが代表曲で、数々の音楽ファンを魅了してきました。

宮本浩次・音楽的影響

幼少期はクラシックや歌謡曲などを好んで聴いていたようです。

中学生になってからは、エレファントカシマシのドラム富永義之からザ・ローリング・ストーンズやディープ・パープルなどをおすすめされ、ロックにのめり込みました。

他にもファンクやオルタナティブロックにも影響を受けており、エレファントカシマシの楽曲からもその影響を感じ取れます。

宮本浩次・ソロデビュー曲『冬の花』

長年エレファントカシマシのヴォーカルとして活動していた宮本浩次のソロデビュー曲『冬の花』はどういった楽曲なのでしょうか。

ここでは、サウンド・歌詞・MVから魅力を掘り下げてご紹介します。

木村佳乃主演ドラマ『後妻業』の主題歌


冬の花は、木村佳乃主演のドラマ『後妻業』の主題歌として放送されました。

後妻業とは、遺産相続を狙った結婚詐欺師のこと。

後妻業を営む主人公に、資産家の娘が遺産を守るために立ち向かうストーリーです。

プロデュースは「ライフ」以来のタッグとなる小林武史

冬の花は、作詞作曲が宮本浩次、編曲・プロデュースは音楽プロデューサーの小林武史が担当。

小林武史とのタッグはエレファントカシマシのアルバム『ライフ』以来となります。

本楽曲には、ギターに名越由貴夫、ベースにTOKIE、ドラムスに屋敷豪太など数々のベテランミュージシャンが参加。

その他、ストリングスには四家卯大ストリングスが参加し、豪華な面々となっています。

『冬の花』は儚くも力強さを感じる歌謡曲

宮本浩次自身は本楽曲冬の花を「歌謡曲」と述べています。

メロディや節回しはまさに歌謡曲と言えるでしょう。歌とピアノから始まり、徐々にドラムやストリングスが参加、ラストのサビで最高潮の盛り上がりを見せます。

この楽曲を聴くと、どこか切なく儚げな印象を受ける方も多いでしょう。

その理由は、楽曲の調性が短調(暗い印象を持ちやすい)であるからといえます。

通常、どのような楽曲にも大きく分けて、メジャーキー(長調)とマイナーキー(短調)があります。

メジャーキーは明るい印象、マイナーキーは暗い印象を感じることが多いでしょう。

冬の花は、マイナーキーで統一されており、切ない印象や儚げな印象は調の性質が大きく影響しているためです。

また、ピアノのメロディが印象的で、まさに儚く散る「花」を連想させます。しかし、力強い歌声と豪華なストリングスが楽曲を盛り上げ、「儚くも力強さを感じる」一曲に感じるのではないでしょうか。

楽器編成はとてもオーソドックスなポップスですが、Bメロではドラムのハイハットが16ビートで細かく刻み、緊張感をあたえ、サビへの盛り上がりのステップを踏んでいます。

そしてサビではマーチングドラムのようなスネアロールが印象的で、迫り来る嵐のような迫力を感じ取れるでしょう。

Bメロから徐々に入ってくるストリングスも見事。サビで爆発するための助走をつけています。また、サビのストリングスのカウンターメロディーも、歌を引き立てる素晴らしい演奏です。歌謡曲らしさと現代ポップスのバランス感覚が絶妙で、聴き心地がよいでしょう。

1番サビ終わりの短い間奏もインパクトがあります。現代のポップスではあまり見られないような起承転結がはっきりしたメロディラインです。スムーズに2番に移行していき、リスナーを飽きさせない工夫が施されています。

2番サビ終わりの間奏は、ラストサビに向けて見事に展開されています。コード進行にも変化があり、緩急をつけながらも楽曲の雰囲気を崩さず、ラストサビまで助走をつけています。これもプロデューサーの小林武史の手腕でしょうか。

ラストサビでは全ての集大成が込められた、爆発するような盛り上がりを感じ取れるでしょう。各楽器が最高のテンションで演奏され、各々の音域で主張しながらも見事に調和されています。まさに1曲の中に人生の全てが詰まっているかのような楽曲です。

ラストサビが終わると、宮本浩次の語りが入り、歌謡曲や演歌らしさを演出しています。全体を通して聴くと、1本の映画を見終わったような達成感、充実感を味わえるでしょう。

歌詞から見る『冬の花』考察

サウンド面では「儚くも力強さを感じる一曲」とご紹介しました。続いて、歌詞からも世界観を考察していきます。

冬の花の歌詞を一言で表すならば、「旅」や「人生」でしょう。しかし歌詞の中では、「あなた」や「わたし」が出てくるので、恋愛的な要素も感じ取れます。宮本浩次の文学的で情緒あふれる表現と、情熱的で前向きな歌詞がとても魅力的な楽曲です。

歌いだしの歌詞では「いずれ花と散る わたしの生命」とありますが、まさに演歌や歌謡曲のような哀愁があります。「花の一生のように、人間の生命も美しく咲き儚く散っていく」とたとえているのかもしれません。

1番の歌詞に「旅みたいだね 生きるってどんな時でも」とありますが、この楽曲のテーマを語っているように思えます。人生=旅のような、文学的・哲学的な歌詞が印象的です。

サビの歌詞の「ゆけ ただゆけ」の部分は、宮本浩次らしさがとてもよくでているように思えます。宮本浩次の歌詞で、ストレートで情熱的な部分が好きな方も多いのではないでしょうか。本楽曲でも宮本浩次らしい情熱的な歌詞のフレーズが散りばめられています。

冬の花で一番印象に残るフレーズは、「ああ 心が笑いたがっている」という部分ではないでしょうか。「現状とは裏腹に自分の心は素直だ」という解釈もできます。また、将来への期待や、今後起こりうる出来事にワクワクしているといったメッセージでしょう。

MVでは宮本が車を運転しながら熱唱

冬の花のMVでは宮本浩次が車を運転し、歌を歌いながら旅をしているかのような映像です。車を運転し、徐々にギアを上げていく様が人生を表現しているかのような印象を受けます。

とくに注目していただきたいのは車を運転しているときの宮本浩次の表情です。狂気的な笑みを浮かべていたり、真剣に思いを伝えようとしていたりと、宮本浩次のライブ時のような表情が楽しめます。

ラストのサビでは、宮本浩次の派手な運転さばきが見どころです。真っ赤なバラを撒き散らしながら車を運転し、どこか儚げな印象を受けます。

宮本浩次のデビューアルバム『宮本、独歩。』は必聴CD


この記事でご紹介した冬の花は、宮本浩次のデビューアルバム『宮本、独歩。』の2曲目に収録されています。

エレファントカシマシで長年活躍してきた宮本浩次の、これまでになかったエッセンスがたくさん詰まっており、聴き応え抜群のアルバムといえるでしょう。

椎名林檎とのコラボ楽曲「獣ゆく細道」や東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ楽曲「明日以外すべて燃やせ」も収録されています。他にもドラマの主題歌やCMで起用された楽曲が収録され、宮本浩次ファンの方もそうでない方もぜひ聴いて欲しい楽曲です。

宮本浩次『冬の花』・まとめ

これまで宮本浩次のプロフィールや冬の花の魅力について掘り下げてきましたが、いかがでしたでしょうか。

エレファントカシマシでは表現されてこなかった宮本浩次のエッセンスが冬の花に散りばめられており、多くのリスナーを魅了する楽曲かと思います。

そしてデビューアルバムの『宮本、独歩。』は、宮本浩次のソロ活動の第一歩にふさわしい必聴アルバムです。ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。

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