宮本浩次-豪華アーティストとのコラボ楽曲&珠玉のカバー楽曲を徹底解説

宮本浩次-豪華アーティストとのコラボ楽曲&珠玉のカバー楽曲を徹底解説

エレファントカシマシのボーカルとして、そして2018年よりソロ名義での活動にも力を入れている宮本浩次。2021年10月にリリースされたアルバム「縦横無尽」には、Mr.Childrenのボーカル・桜井和寿とのコラボ曲が収録されており、“夢のコラボ“として話題を呼んでいます。

これまでにも大物アーティストとのコラボソングを数多く出している彼。今回はこれまでのコラボソング、そしてカバーという形でコラボを果たした曲をいくつか紹介します。

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宮本らしさも体感!有名アーティストとのコラボ曲

ソロ活動を始めた2018年から、数多くのアーティストとのコラボレーションソングを発表している彼。2021年11月までに発表されている4曲を取り挙げます。

桜井和寿organized by ap bank「東京協奏曲」


9月29日にリリースされたBank Bandのベストアルバム「沿志奏逢4」、10月13日発売の宮本浩次のアルバム「縦横無尽」に新規収録されているこの曲。作詞・作曲はミスチルをはじめ桜井和寿が歌う曲には欠かせない存在であるプロデューサー・小林武史、リマスターにはTED JENSENを迎えています。

リリースに際しap bankのサイトにて公開されたコメントで、小林武史は歌声に特徴がある二人が作り出した奇跡の曲だと語っています。自身がプロデュースした楽曲というよりはこの2人の触媒のような存在で、宮本に対してはap bankの活動への理解を、桜井へはコーラスワークの素晴らしさへの感謝を伝えてコメントを締め括っています。

曲名にもあるように、舞台となっているのは東京という街。コロナ禍による人々の軋轢、経済格差など様々な切なさと痛みを抱えながらも、前を向いて生きる人々の美しさを歌った楽曲になっています。終始モノクロで展開するPVは、映像監督の児玉裕一が手掛けたもの。2人の守護天使が主人公の作品「ベルリン・天使の詩」になぞらえて、宮本・桜井を天使に見立てて撮影をしています。

横山健「Do you remember?」


映画「宮本から君へ」の主題歌として書き下ろされ、2019年にリリースされたこの曲。ソロ活動が軌道に乗り始めたころにリリースされたこの曲は、宮本本人は他のコラボ曲とは少し異なる立ち位置で考えていると語っています。

それまでリリースしてきた「Easy Go」「昇る太陽」から続く3部作の最終章というこの楽曲。「Easy Go」「昇る太陽」どちらもエレカシでは表現してこなかったロックへの挑戦ととらえ、それこそKen Yokoyamaが作った曲も参考にしているそう。彼らの曲を模倣したそれまでと、コラボという形で乗り込んだ楽曲。「Easy Go」がドラマ放映された同作品のテーマソングであったこともあり、作品の背景もくみ取りながら「Easy Go」を発展させたのがこの楽曲なのです。

エレカシとも違うロックを、横山健・JUN GRAY・Jah-Rahとともに2日かけて仕上げたこの曲。2番以降の歌詞はこの2日間の空気を感じたうえで仕上げています。

2019年8月に行われたROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019では、このメンバーでステージに登場。あくまで宮本ソロ名義のステージではあったものの、さながら期間限定で組まれたロックバンドのような熱のあるパフォーマンスが観客を沸かせました。

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東京スカパラダイスオーケストラ「明日以外すべて燃やせ」


2018年にリリースされたこの曲。スカパラの真骨頂でもあるスウィングサウンドに乗る彼の声。同年代である彼らの相性は抜群です。

曲そのものはスカパラが10年来温めていたというもの。然るべきに出そうとメンバー全員が感じていたんだそう。

歌詞はスカパラメンバーから新しい世代に前向きな思い、炎のような情熱を込めた歌詞を書き下ろしています。公式YouTubeチャンネルにあるPV&インタビュー内でも話しているように、「人生を変える」「1966年生まれの世代ならではのアツさが伝わる歌詞づくり」を意識しています。宮本本人も、スカパラ側の熱意に応えねばならない緊張感があったと話しています。

実は、レコーディング直前まで冒頭の歌詞は違うものだったと、作詞担当の谷中敦は語っています。レコーディング数日前、別バージョンを練習していた宮本宛に現在あてている歌詞「人生は美しいアルバムじゃない 撮れなかった写真さ」の仮データを送ったそう。メンバー間ではやめておこうという話になっていたのですが、レコーディング当日に宮本から「こっちの歌詞がいい」と逆プレゼンを食らったのです。2回録音をし、「これでいこう」という風になったんだそうです。

椎名林檎「獣行く細道」


2018年にリリースされたこの曲。ずっとコラボのタイミングを狙っていたと語る椎名林檎。すでにコラボをしていたトータス松本につないでもらいながら生まれた1曲です。

そもそも「news zero」の書き下ろし主題歌として椎名林檎が着手したこの曲。製作時期がちょうどサッカーW杯ロシア大会の開催時期と被っており、西野ジャパンの活躍にも影響を受けながら曲作りに勤しんでいました。楽曲の方向性が定まってきた頃、誰かと一緒に歌う必要性を感じたのです。

そこで白羽の矢がたったのが宮本浩次。

彼の力強さと泥臭さのある声に可能性を見いだし、彼女なりに宮本浩次という男を要約した結果、この曲が生まれたと楽曲特別サイトのコメントに残しています。

この曲が発表されて以降、彼女のライブに宮本が招かれることも多いのですが、パフォーマンスは実に自由奔放。静かに歌う彼女の横で好きに躍り、曲の間奏で服を脱ぎだし、ステージ上に落ちたものを椎名林檎が拾うまでがテンプレート。宮本自身、ライブで気持ちよくなると自然とそうなってしまうのだそうです。

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コラボとは違う良さが出るカバーソング

ここからは2020年11月にリリースされた、女性ボーカルソングのみで構成されたカバーアルバム「ROMANCE」に収録されているカバー曲をピックアップします。

久保田早紀「異邦人」


まずは、1979年にリリースされた久保田早紀の「異邦人」。これまでZARDの坂井泉水もカバーをしている往年の名曲です。宮本はこの曲に関し、ラブソングながら夢と現実のギャップ、孤独や悲しみを感じる歌詞の世界観を感じてほしいとコメント。公式YouTubeチャンネルにアップされているPVは彼のソロデビュー曲「冬の花」も手掛けた児玉裕一が担当。曲名通り“異邦人“となってさまよう彼が描かれています。

原曲は異国情緒を感じられるようなエキゾチックな雰囲気の曲調ですが、小林武史がピアノとバンドサウンドを組み合わせてアレンジされています。

小坂明子「あなた」


異邦人より前、1973年リリースの小坂明子の「あなた」。「ROMANCE」の1曲目を飾っています。この曲も数多くのアーティストがカバーしていますが、小坂本人が宮本のカバーを大絶賛!原曲の雰囲気を大事にされがちな中、この曲を宮本の世界観に完全に取り込んだことを高く評価しています。

2019年、NHK BSプレミアムで放送された「The Covers’ Fes 2019」で初披露。この曲のピアノとバンド、そこに金管楽器のサウンドという原曲に近い形でアレンジしています。男性がこの曲をカバーする際、キーを落とすこともありますが、宮本は原曲キーで歌いきっています。

「異邦人」「あなた」ともに共通するのは、宮本の幼少期にリリースされた楽曲ということ。その時々と向き合い、宮本が感じたものを反映している歌でもあります。

宇多田ヒカル「First Love」


日本のアルバムセールス歴代1位を記録した宇多田ヒカルの1stアルバムのタイトルチューンであり、彼女が持つ数多くの有名曲の一つ。「ROMANCE」に収録されている楽曲で唯一の1990年代リリースの楽曲です。
収録候補には、「今宵の月のように」のヒット後、テレビの企画で行った上海一人旅の待ち時間で耳にして印象的だったという「Automatic」もあったそうですが、スタッフの提案で「First Love」に変わったそうです。

エレキギターの弾き語りで、しっとり歌い上げているこの曲。インタビューでは英語の歌詞だけでなくリズムの取り方にも苦労したとコメント。アルバムの〆にふさわしい曲だとも話しています。

2020年12月に放送されたミュージックステーションで披露され、SNS上でも話題となりました。

最後に

コラボやカバーソングは、そのアーティストの別の魅力を感じられるもの。「日本ロック界でも稀有なボーカリスト」として認知されていた宮本の魅力を、これまでのコラボやカバーソングを通じ様々な角度から引っ張り出しています。カバーアルバム「ROMANCE」にはここで紹介した以外にも“彼らしさ“を感じる曲がまだまだあります。

2021年10月からはソロツアー「日本全国縦横無尽」がスタート。2022年以降の公演はまだ空きがあるようなので、興味がある方はぜひライブにも足を運んでみてください。

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