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Mr.Childrenの隠れた名曲10選 Part.2
ひびき
ミスチルの隠れた名曲、続いては「ひびき」をご紹介。大ヒットソング「しるし」のカップリング曲で、ファンの間でも人気のある楽曲です。
Aメロは軽快なリズムで、気分を上げていきます。それがサビ部分になると、ノスタルジーを帯びたメロディーへと変化。このギャップにはたまらず、胸を締めつけられます。
「僕」と「君」を取り巻く世界にはさまざまな「ひびき」が溢れていて、たまらなく愛おしい気持ちが伝わってきます。
見つからなかった宝物は ポケットに入ってました。と 幸せなんかおそらくそんな感じでしょ!?って 君の声は教えてくれる
2番に入ると、そんな幸せの裏で起こっている悲しい出来事に思いを馳せています。
外を歩いたら銃声が聞こえる
あの場所じゃ その音は 悲しげに響くだろうな
さらに、Cメロ部分では「風」「川」などの自然現象が、時に人間に牙を剝くことも示唆しています。
風のように 川のように 君と歩いていく
時に嵐に たまに流れに 飲み込まれそうになるけど
そんな厳しい現実の中でも、「君」がそこにいれば幸せなんだと。
それぞれの「ひびき」でハーモニーを奏でていくことが、これ以上ない幸せなのだという表現は、聴く人の情緒を揺さぶります。
純粋なラブソングを求めている方は、ぜひ「ひびき」を聴いてみてください!
つよがり
次は、ミスチルの隠れた名曲の中でも珠玉のバラード、「つよがり」をピックアップ。
「つよがり」はアルバム「Q」に収録されている曲ですが、元々は一つ前のアルバム「DISCOVERY」に収録される予定でした。アルバムのイメージと合わないためにデッドストックとなり、「Q」で収録される形となりました。
スローテンポで情緒たっぷりに奏でられるこのバラードでは、ピアノの伴奏とボーカル・桜井和寿の声が優しくマッチしており、極上のラブソングを形成しています。
シングル楽曲ではないからこそ、ミスチルファンから根強い人気を誇っている「つよがり」。彼女を思い続ける「僕」の一途な愛情と、ふだん隙を見せない「君」の強情、その対比が人気の理由となっています。
凛と構えたその姿勢には古傷が見え
重い荷物を持つ手にもつよがりを知る
「僕」の前では、気丈に振舞う彼女。しかしその裏に弱さがあることを、「僕」は理解しています。
「優しいね」なんて買被るなって
怒りにも似ているけど違う
弱い部分を見せてくれない姿に、怒りとも悲しみともいえない感情を抱きます。
しかし、自分も弱い部分を決して見せないように強がっているのです。それは相手が自分に寄り掛かれるように、いつかつよがりを捨てて自分に頼ってくれるようにと。そしてその絆を少しずつ強めていきたいという思いがあるから。
幻想的に愛を表現したこの「つよがり」は、ミスチルの隠れた名曲を代表するにふさわしいでしょう!
声
Mr.Childrenの隠れた名曲、次に紹介するのは「声」です。アルバム「SUPERMARKET FANTASY」に収録されている、脚光を浴びる機会の少ない名曲。
この曲の魅力は、サビに歌詞がないこと。「yeah yeah」というフレーズの繰り返しで、新鮮な感覚を味わえます。
サビ部分に歌詞がないのは、しっかり意味が込められています。
それがわかるのは、Aメロのこの部分。
言葉はなかった
メロディーすらなかった
リズムなんてどうでもよかった
言葉やリズム、メロディーなんてどうでもいいから、とにかく自分の中に湧き上がる気持ちを大声でさらけ出したい。そんな気持ちが読み取れます。
誰かのためを思って歌えば、それはきっとその人に届くはず。下手でも声が枯れても、めちゃくちゃな歌詞やメロディーでも、「声」には魂を揺さぶる何かがあるんだと。そんな情熱が感じられます。
また、サビの「yeah yeah」という部分は、ライブで大きな盛り上がりを見せる箇所です。会場全体が一つになる瞬間は、アーティストにとってもファンにとってもたまらないものですよね。そんな言葉を介さないコミュニケーションが取れることからも、「声」が名曲としてあげられるポイントの一つです。
Mr.Childrenのライブに行きたい方、参加する前に「声」を覚えておくと、もしかしたら最高に楽しい瞬間が待っているかもしれませんよ!
CANDY
続いて紹介するミスチルの隠れた名曲は、アルバム「I ♥ U」に収録の「CANDY」という曲。恋心をキャンディーに喩えた、切ない歌詞が魅力的な楽曲です。こちらもシングルリリースされていない曲ながら、完成度の高さからファンの間では高い人気を博しています。
この曲が胸に残る秘密は、コード進行にあります。Aメロから、セブンスコードがふんだんに使われていることがその理由です。サビに入ると、一気にマイナー調へと変化。メロディーに絡む下ハモが、曲の雰囲気をドラマティックに仕上げます。叶わない恋の切なさをこれ以上なく秀逸に歌い上げた、非常に練度の高いラブソングです。
ミスチルといえば、言葉の使い方が絶妙。「CANDY」は、そんなミスチルならではの表現力が炸裂した歌詞となっています。
「あきらめよ」と諭す回路に君がそっと侵入してきて 何食わぬ顔で 夢をチラつかす
直接的な表現を何一つ使用してしていないのに、困難な恋の最中にいることが伝わります。
上手に包んで仕舞ったものが「飛び出したい」と疼いてる
痛い記憶を最後に寝たふりしていたくせに
二重の意味を込めた表現となっています。言葉通りに考えられるのは、胸の内にある恋心を曝け出してしまいたい、それが奥底に眠っていたのに、という心情。そしてもう一つは、性的な出来事の表現なのではないかということです。桜井さんの作詞は婉曲的な表現が多いですが、時にストレートな表現も織り交ぜられます。「飛び出したい」と疼いているものが何なのかは、あえて説明するまでもないでしょう。
歌詞中に登場するキャンディーの味にも注目。「CANDY」の中には、「ほろ苦いキャンディー」と「甘酸っぱいキャンディー」の二種類が登場します。恋が叶わないと悟っている切ない気持ちと、「君」を思うだけでたまらなく愛おしい気持ち。
そこに続く「君が食べておくれ」もダブルミーニングで、諦めさせて欲しい、または僕の恋心を叶えて欲しい、という気持ちが表現されています。