Mr.Children【楽曲解説】ミスチルの隠れた名曲10選

Mr.Children【楽曲解説】ミスチルの隠れた名曲10選

Mr.Children、通称ミスチル。「HANABI」「しるし」など、数々のメガヒットを飛ばしてきました。

そんなMr.Childrenの楽曲の中には、ヒットソングの影に隠れた名曲たちが数多く存在します。これまで幾度となく隠れた名曲を語られてきたミスチルですが、語られすぎて隠れてない名曲も多数。

そこでこの記事では、隠れた名曲でよく挙げられる超定番の曲はあえて外した上で、よりマニアックな名曲を厳選しております。Mr.Childrenのコアな部分を、ぜひお楽しみください。

 

Mr.Childrenの隠れた名曲10選 Part.1

友とコーヒーと嘘と胃袋

最初にご紹介するのは、「友とコーヒーと嘘と胃袋」という曲です。アルバム「Q」に収録された、知る人ぞ知る名曲。

気怠げなメロディーに乗せて歌われるのは、この世の中のやるせなさです。

世の中に溢れた男女の関係のいざこざや小さな嘘。それらすべてを飲み込んで、自分の血肉に昇華してしまおうという乾いた熱意を表現しています。

曲の構成は、Aメロの繰り返し→サビというシンプルなもの。

あの娘(こ)の吸う タバコの口の中の残り香と

にがいコーヒーとの相性がとてもいいから

キスの残り香とモーニングコーヒーの相性がいいなんて、なんとも生々しくエロティックな表現ですよね。

また、この曲には歌詞カードに載っていないセリフ部分が魅力的。

酔っ払ってるのかな?と思うようなテンションですが、とち狂った饒舌なセリフ回しが、曲の魅力を最大限まで高めます。

ああ僕の胃袋よ もっと強靭たれ もっと貪欲たれ

なんだって飲み込んで なんだって消化して 全部エネルギーに変えてしまおう

全部飲み込んで生きることで、強くなっていくのかなと。

理不尽やもどかしさの連続でも、どんなことも経験や知識に変えられるというメッセージにも受け取れますね!

あんまり覚えてないや

続いて紹介する楽曲は、2007年リリースの「あんまり覚えてないや」です。13thアルバム「HOME」に収録されている楽曲。

ややミディアムな曲調で、どこか切なさを感じさせるメロディーラインに心から惹き寄せられます。

歌い出しから大サビに入るまでは、日常の至るところのエピソードで「あんまり覚えてないや」というフレーズの繰り返し。生活に退屈さを感じていて、身の入らない感情を抱えていることが感じ取れます。

あんまり覚えてないや あんまり覚えてないや

あんまり覚えてないや あんまり

大サビ部分では、それまで繰り返されていた「あんまり覚えてないや」が、「ちゃんと覚えてるんだ」へと転換されます。

ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ

ちゃんと覚えてるんだ こんなに

家族で遊んだり、旅行に行ったりしたこと。子どものころの記憶で、邪念もなく純粋に人生を楽しんでいたからこそ、大人になってもずっと忘れない記憶となっているのではないでしょうか。

幸せの本質に気づかせてくれるメッセージが込められた「あんまり覚えてないや」は、まさに名曲というべきでしょう!

ファスナー

次に紹介するMr.Childrenの隠れた名曲は、「ファスナー」です。ファンの間でも名盤と名高いアルバム「IT’S A WONDERFUL WORLD」に収録。作詞作曲を担当した桜井和寿が、親交のあるシンガーソングライター・スガシカオをイメージして作った楽曲ということでも知られています。

この曲のテーマは、誰もが持つ秘密や人に見せたくない部分。つまり人間関係におけるパンドラの箱といってもよいでしょう。これを衣服のファスナーに喩えて、大好きな人の真意を推し量れない寂しさを歌っています。

歌い出しから、飛び込んでくるのは直接的な歌詞。

昨日 君が自分から下ろしたスカートのファスナー

およそ期待した通りのあれが僕を締めつけた

この部分では、夜の営みが連想されます。そこで目にした彼女の秘所に、自分が大切にしなければならないのはその相手ではないと気づいてしまいます。

帰り際 リビングで僕が上げてやるファスナー

御座なりの優しさは 今一つ精彩を欠くんだ

自分以外の誰かに、その相手が心を委ねているという予感めいた確信。彼女のファスナーを上げるときも、これまでの丁寧さを欠いたようなおぼつかない手つきになってしまいます。

欲望が苦し紛れに 次の標的(ターゲット)を探している

でもそれが君じゃないこと想像してみて少し萎えてしまう

当てつけのように浮気をしたいと思っているけど、そんな自分にも嫌気がさしている、といったところでしょうか。

曲中には、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などのヒーローが登場します。子どもの頃信じていたヒーローが実在しないと知ってしまったこと、その絶望感は相手の心の中に自分以外の誰かが存在するのと同等だと。

きっと ウルトラマンのそれのように

君の背中にもファスナーが付いていて

ファスナーは、きっとどんな人の背中にもついているもの。その中に隠れているものを曝け出す権利は、誰にもありません。裏の部分ごと人を愛さなければならない葛藤は、恋をしている人に響くことでしょう。

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