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Moth Into Flame / Metallica
スラッシュメタル四天王の一角…というよりも、「世界最大のメタルバンド」と呼んだ方がしっくりくるほどのモンスターバンドMetallica。
近年ではファストファッションブランドから発売された彼らのTシャツが人気を博しており、音楽は聴いたことがないけれどTシャツは持っている、という人も多いのではないでしょうか。
初期は速さと複雑さを兼ね備えたスラッシュメタルを演奏するバンドでしたが、1991年にリリースした『Metallica』(通称:ブラックアルバム)で重さとグルーヴ感を前面に押し出した作風へシフトチェンジ。
スピード感を求める一部のファンからは批判を浴びたものの、同作は全世界で3,000万枚以上のセールスを記録するメガヒット作となっています。
今回ご紹介する“Moth Into Flame”は、現在のところ最新作に当たる2016年発表の『Hardwired… to Self-Destruct』からのシングル曲です。
2017年のグラミー賞授賞式では、レディー・ガガと同曲を共演するという豪華コラボレーションが実現し、音楽ファンを驚かせました。
グラミー賞授賞式でのパフォーマンスという大舞台でしたが、機材トラブルによってヴォーカル/ギターのジェイムズ・ヘットフィールドの歌が聴こえないというハプニングが発生。
ガガとマイクをシェアするなど機転を利かして出番を終えましたが、ジェイムズはさすがに怒り心頭で、楽屋に戻ってからは手の付けられない状態だったとか…
ザクザクとしたリフ、中期以降の彼らが獲得したルーズなリズム、流れるように繋がっていく各セクション、シンガーとしての成熟度を増したジェイムズ・ヘットフィールドの歌唱が見事にハマった“Moth Into Flame”は、結成から30年を超えた現在も彼らの作曲能力がまったく衰えていないことを示す絶好のサンプルだと言えるでしょう。
スラッシュメタルにはメロディが無い、と思っている方に強くオススメしたい一曲です。
メギツネ / BABYMETAL
海外の有名メタル雑誌の表紙を飾るなど、日本のメタルアーティストとしては未曽有の快進撃を続けているBABYMETAL。
今でこそ否定的な意見は少なくなりましたが、「メタルとアイドルの融合」というコンセプトはハードコアなメタルファンの間で賛否両論を巻き起こすことになりました。
しかし、MetallicaやJudas Priestなどレジェンド級のメタルアーティストからの寵愛を受ける彼女たちは、これまでのメタル界ではありえなかった新ジャンル・Kawaii Metal(カワイイメタル)で世界中のファンを虜にしています。
2018年にはYUIMETALの脱退が発表されるという危機もありましたが、2人体制として初のアルバムとなった2019年の『METAL GALAXY』は全米チャート13位を記録する快挙を達成。
その勢いはまったく衰えるところを知りません。
オススメ曲は、2014年のデビューアルバム『BABYMETAL』に収録されている“メギツネ”です。
筆者も多くのメタルファンの例に漏れず、「メタルとアイドル? メタルを馬鹿にしてない?」と否定派だったのですが、その意見は初めて“メギツネ”を聴いた日に撤回されることとなりました。
メタルとアイドルという組み合わせだけではなく、そこに日本的なメロディも大胆に導入された“メギツネ”は、シュガーコーディングされた甘いアイドル歌謡ではなく、超一流のメタル曲として完璧なまでに成立していたのです。
神バンドと呼ばれる超凄腕のプレイヤーが揃ったバックバンドの一糸乱れぬ演奏ぶりも特筆すべき凄まじさでした。
ライヴも何度も観る機会がありましたが、異常なまでの運動量を要求されるダンスも完璧にこなす彼女たちの姿にプロ根性を見たのは筆者だけではないでしょう。
BABYMETAL未経験の方は、是非ライヴ映像をご覧になって彼女たちの凄さに触れてみてください。
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Dance Macabre / Ghost
2010年代メタルシーンの顔のひとつだったと言っても過言ではないバンド、それがスウェーデン出身のGhostです。
C級ホラー映画的な世界観を持つバンドで、ムード歌謡とメタルを融合させたような音楽を演奏していましたが、キャッチーな音楽性と匿名性の高いキャラクターが大いに受け、ふと気が付けば海外では大物バンドになっていました。
実質的にはヴォーカリストのトビアス・フォージがバンドを所有しており、バックバンドとしてネームレス・グールズと呼ばれるミュージシャンたちが雇用されています。
また、リーダーのトビアス・フォージも本名ではステージに立っておらず、現在はコピア枢機卿と名付けられたペルソナを使用中です。
“Dance Macabre”は2018年リリースのアルバム『Prequelle』収録曲で、ビッグなギターリフとダンサブルな四つ打ちのビート、80年代を思わせるシンセの音色が懐かしくも新しいキラーチューン。
2019年に実現した奇跡の再来日でも大いに盛り上がった一曲です。
個人的には日本語カバーを発売したら大ヒットするのではないかと考えています。
Twitterで「郷ひろみがカバーすれば売れそう」と呟いたところ、「それは郷ストということですか」というリプが飛んできて座布団1万枚出しそうになった…というのはどうでもいい話ですね…。
Bad Timing / No Warning
おそらく今回ご紹介する楽曲の中で、一番知名度が低いのがNo Warningの“Bad Timing”でしょう。
厳密に言えばメタルというよりもハードコアに近い音楽なのかもしれませんが、2005年にSUM41のオープニングアクト、同年のSUMMER SONICで立て続けに観る機会があり、そのあまりのかっこよさに「彼らがメタルの未来だ!」と(筆者だけが)確信したという経緯もありますので、今回はメタルバンドとしてご紹介することをお許しください。
2004年のアルバム『Suffer, Survive』に収録された“Bad Timing”はスピード感、重さ、メロディなどのバランスが申し分ない名曲で、リリースから15年以上が経過した現在でも、この曲を聴きながら白飯3杯はイケるほどです。
筆者がメタルの未来だと確信したNo Warningは、確信から数か月後の2005年後半にあっさりと活動を休止。
2013年に活動再開しましたが、2005年を最後に再来日は実現していません。
The Wicker Man / Iron Maiden
いよいよ最後の曲となりました。
最後にふさわしくメタル界の超大物で締めることにしましょう。
メタル界の巨人Iron Maidenの“The Wicker Man”は、2000年リリースのアルバム『Brave New World』のオープニングトラックです。
1993年にバンドを脱退した看板ヴォーカリスト、ブルース・ディッキンソンの復帰作となった『Brave New World』からの先行シングルでもあり、Iron Maidenの魅力を凝縮したスピーディーでパワフルでメロディアスなメタルチューンにファンは歓喜。
以降20年以上の長きに渡って続いているIron Maiden新黄金期の到来を高らかに告げた曲だと言ってもいいでしょう。
新たな生命を得たかのようなエネルギーに満ち溢れたサウンドと歌詞は、疲れた身体に活力を注入するのにピッタリです。
エナジー注入ソングとして大音量で聴くことをオススメします。
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オススメのメタル曲10選・まとめ
オススメのメタル曲10選、いかがだったでしょうか。
思い入れたっぷりに…いや、思い入れのみでご紹介してしまったような気もします。
今回は「2000年以降にリリースされた曲」など条件を設定した上で選曲してみましたが、もちろんここでご紹介した以外にもメタルの名曲は山ほどあります。
ご紹介した曲を足掛かりとして、サブスクなどで色々と探ってみてください。
この記事をきっかけにメタルの門をくぐってくださる方がいらっしゃったら光栄の極みでございます。