ネットを中心とした活動でデビューを果たしたシンガーソングライターの長谷川白紙。今回の記事では、長谷川白紙のプロフィール、名前の由来、魅力、人気おすすめ曲について解説していきます。
ネットを中心とした音楽活動を経て、デビューを果たした長谷川白紙(はせがわ はくし)。
ゴスペラーズや東京スカパラダイスオーケストラとのコラボでも話題となり、注目を浴びているアーティストの1人です。
今回の記事では、そんな若きシンガーとして活躍する長谷川白紙の経歴や魅力、人気おすすめ曲についてご紹介いたします。
目次
長谷川白紙(はせがわ はくし)とは
長谷川白紙が音楽活動をするようになったのは2016年のことです。
音声ファイル共有サイト『SoundCloud』を始めとしたインターネットを中心に活動を始め、その1年後の2017年11月には、デジタルEP「アイフォーン・シックス・プラス」を制作。ネットレーベル『Maltine Records』からリリースされた本作品は、オンライン上で無償提供されました。
当人は自身の音楽性について、学生時代の体験が大きく影響されていることを語っています。
中学生時代にはサカナクションでエレクトロニカの世界に興味を抱き、高校生時代にはジャズに触れ合うようになったこと。
気付けば自分の耳に入ってきた音楽を片っ端から調べて吸収し、ジャズから現代音楽までの幅広いジャンル性を身につけるようになります。
そして、その身につけた技術の集大成となったのが、2018年に全国流通盤ミニアルバムとしてリリースした「草木萌動」です。
この作品は長谷川白紙のデビュー作となり、10代最後の作品となったものです。
とても10代とは思えない圧倒的な存在感を放ったこのアルバムは、ネットを中心に大きな話題となり、長谷川白紙というシンガーの華々しいデビューを飾るに相応しい作品となりました。
ちなみにデビュー作の「草木萌動(そうもくほうどう)」は、四文字熟語で“草木 萌(めば)え動(いず)る”と訓読みされ、草木が目を吹き始めるころの季節を表しています。10代最後ということもあり、新たなスタートをこのように表現したのかもしれません。
デビュー作によってその知名度が大きく膨らんだ長谷川白紙は、2018年頃より他のアーティスト作品に参加するようになります。
2021年には、日本のスカバンドとして活躍する東京スカパラダイスオーケストラとの共同編曲・共同作詞・ヴォーカルを担ったことでも話題となり、長谷川白紙の幅広い音楽性には、ベテランのアーティストも注目しているように思えます。
また、2019年には編曲として、穐山茉由監督の長編デビュー映画『月極オトコトモダチ』の主題歌「ナニカ feat.長谷川白紙」に携わり、入江陽と同映画に出演している芦那すみれが『BOMI』名義で歌唱を担当しました。
徐々に話題性を広げ、2019年の11月には自身の1stフルアルバム「エアにに」をリリース。
同作品は『第12回CDショップ大賞2020』に入賞したほか、各種音楽誌において年間ベストアルバムにランクインするなど、若きシンガーの溢れる才能や音楽性に、業界も注目するようになります。
また、世界的人気プロデューサーとして話題を集めるDJのPorter Robinson(ポーター・ロビンソン)が主催するオンラインフェス『Secret Sky.』に出演が決定。
2020年5月に開催されたフェスは約14時間にも及び、フランスのMadeon、オランダのDJ San Holo、スウェーデンのNanobii、Vtberからキズナアイといった世界各国のアーティストが参加し、ネット上を賑わせました。
そのオンラインフェスの開催から2ヶ月後の2020年5月には、カバーアルバム「夢の骨が襲いかかる!」をリリース。
デビュー作の「草木萌動」や1stフルアルバム「エアにに」のオリコン順位を上回る本作品は、ヴォーカルと鍵盤演奏のみで構成された弾き語り。
最低限の楽器構成でカバーされた楽曲には、サンボマスターやサカナクションといった著名アーティストの作品も含まれており、長谷川白紙が手掛けることによってオリジナルとは違った作品として楽しむことができます。
長谷川白紙の魅力
長谷川白紙は、幼少期にピアノを習っていましたが、特別音楽に力を入れた家庭で育ったわけではありません。
そんな長谷川白紙が現在の多彩な音楽性を披露できるようになったのは、日々の生活を通し、音楽に触れ合ってきたからこそ身につけたものでした。
自身が始めて購入したCDはサカナクションの「シンシロ」と語っており、これによってエレクトロニカの世界にのめり込むようになりました。
ネットでは掲示板なども利用しつつ、“エレクトロニカ おすすめ”というワードから探すこともあり、多種多様な音楽性は、こういった積み重ねによって構築されたことがわかります。
サカナクションの他に、rei harakami、アイ・アム・ロボット・アンド・プラウド、エイフェックス・ツイン、Boards of Canadaといったアーティストも熱心に聴いていたそうです。
しかし、その当時はまだオリジナリティとは程遠く、気に入ったアーティストのジャンルに寄せただけの音楽性でしかありませんでした。
そんな長谷川白紙がオリジナリティに目覚めたのは、オンラインレーベル『Bunkai-Kei records』のオーナーの言葉でした。
“他のアーティストの真似事だけではそれ以上にはなれない”というアドバイスをもらい、この出来事がきっかけで、より多くの音楽に触れ合うようになります。
高校生時代にはジャズ専門のレコード店に通うようになり、Brad Mehldau(ブラッド・メルドー)の「The Art Of The Trio」に大きな感銘を受けたとも語っています。
また、John Cage(ジョン・ケージ)の主張に出会えたことで、自身の音楽に対する姿勢に大きく影響し、日常の中から生まれる音楽が現在のオリジナリティある音楽性へと繋がっています。
高校を卒業後には音大に通ったことも、長谷川白紙のルーツの1つとして大きく影響しました。
知的好奇心から独自に身につけた音楽性。
他者をリスペクトし、現代音楽からエレクトロニカ、ジャズ、ボーカロイド、ブレイクコアといった幅広く吸収したことよって生まれたオリジナリティは、中性的で深みのあるヴォーカルが絡み合うことで、美術作品のような幻想的な世界観を作り上げています。
自分だけの音楽を探し続ける姿勢が長谷川白紙の魅力の1つでもあり、しかし、その魅力はまだまだ発展途上にあります。
これからの音楽活動を経て、どのように進化していくのか、目が離せないアーティストの1人です。
長谷川白紙の人気おすすめ曲
「毒」
「毒」は、2018年12月19日にリリースされた1stミニアルバム「草木萌動」に収録されている楽曲。
イヤホンやヘッドホンで聞いてみると、この曲の中毒性を序盤から味わうことができるでしょう。両耳を交互に揺らすように、独特な世界観に酔わせてきます。ミュージックビデオでは、様々な色に輝くおもちゃがひしめき合い、捉え方によっては人類そのものを表現しているようにも思えます。幻想的で酔いしれたくなるような心地良さは、時には毒になる。前衛的な表現によって生み出されたこの曲は、長谷川白紙が唯一無二であることを決定づけているものであるかのようです。
「草木」
「草木」は、2018年12月19日にリリースされた1stミニアルバム「草木萌動」に収録されている楽曲。
森の木々が風に揺れるような荒々しさから、突如訪れる静寂。その静寂の中で長谷川白紙の中性的な歌声が響き渡り、心地良さを感じさせます。数々のジャンルを取り入れたことによって生まれた音楽性がこの曲に秘められているかもしれません。
「あなただけ」
「あなただけ」は、2019年11月13日にリリースされた1stフルアルバム「エアにに」に収録されている楽曲。
アルバムの1曲目に収録されており、長谷川白紙を語る上で外せない曲となっています。ポップな印象にオリジナリティを加えた同楽曲は、長谷川白紙のこれまでの音楽性を主張しているようにも思えます。演劇を思わせるようなリズムに加え、盛り上がりを迎える中で突如の暗転。驚きや静寂を巧みに操り、その先の展開を予想させない曲調には驚きを隠せないでしょう。
「シー・チェンジ」
「シー・チェンジ」は、2020年7月8日にリリースされたカバーアルバム「夢の骨が襲いかかる!」に収録されている楽曲。
カバー曲が収録されている同アルバム内で、唯一のオリジナル楽曲となっています。今回収録されている楽曲は、全てがピアノだけで演奏されたものとなっており、オリジナル曲である「シー・チェンジ」も、ピアノの弾き語りだけで表現されています。この楽曲を聞いていると、改めて長谷川白紙の音楽性の幅に驚かされます。最低限の楽器だけで演奏することによってヴォーカルが際立っており、子守唄のように音楽に浸ることができると思います。
「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」
「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」は、2021年3月3日にリリースされた東京スカパラダイスオーケストラの23rdオリジナルアルバムに収録されている楽曲。
この楽曲は長谷川白紙の単独の楽曲ではありませんが、スカパラとのコラボによって、長谷川白紙の魅力がより広まった曲でもあります。2019年頃にスカパラが長谷川白紙の歌をラジオで聞いたことが始まりでした。異質とも呼ばれるコラボですが、両アーティストの良さを極限にまで引き出したこの楽曲。リズムの早さからなる爽快感も素晴らしいですが、この楽曲はぜひミュージックビデオでの視聴もおすすめします。現代のリモートワークを思わせるデスクトップの背景やファイルを上手く取り入れた演出が虜になるでしょう。作詞・作曲・編曲には長谷川白紙自身も参加しており、新たな可能性を見せつけられたような1曲とも言えるでしょう。
最後に
多方面のジャンルを取り入れたことによって生まれた長谷川白紙の音楽。
その音楽性は聞く人に様々な感情を芽生えさえ、あらゆる方面から驚かせてくれます。デビューからまだ間もなく、今後の活躍が非常に楽しみなアーティストの1人です。
今回の記事をきっかけに長谷川白紙に興味を抱いた方は、ぜひ長谷川白紙の独特な音楽性に浸ってみてください。気付いた時には、その音楽の虜になっているかもしれません。
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