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あのミュージシャンも絶賛! 日食なつこのおすすめ曲 意外なコラボも
さて、日食なつこの来歴について見てきたところで、続いて実際におすすめの楽曲をご紹介していきます。
様々なミュージシャンからも注目・絶賛されている日食なつこ独自の楽曲世界をぜひ体感してください。
水流のロック
日食なつこがその名前を広く知られるようになったきっかけの一つとして、この「水流のロック」をテレビ「関ジャム 完全燃SHOW」で蔦谷好位置が絶賛したというエピソードがあります。
「水流のロック」は、2015年にリリースされたフルアルバム『逆光で見えない』に収録されている楽曲。
ピアノとドラム、ベース、そして歌というシンプルな構成でありながら物足りなさを感じさせない、それどころか水の流れ、うねり、飛沫や煌めきを思わせるような豊かで鋭い表現力が印象的です。
スタッカートの効いたピアノの音色には、ちょっと聴いただけでも心を掴まれるような力強さがあります。
単なる弾き語り、単なる伴奏ではなく、歌やドラムと絶妙に絡み合い、自在に踊るピアノは日食なつこの最大の武器と言っても良いでしょう。
メロディには王道的なJ-ROCKらしさも感じられる一方で、ピアノのフレーズが良い意味での違和感をもたらします。
思わず足を止めて聴き入ってしまう魅力が感じられるのではないでしょうか。
ちなみに「水流のロック」に参加しているドラマーのkomakiは、その後も日食なつこの楽曲やライブに参加しています。
ピアノとドラムというミニマルな構成から繰り出される、緻密で壮大な楽曲の数々にも要注目です。
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廊下を走るな
「廊下を走るな」は2017年のミニアルバム『鸚鵡』に収録。
MVはバンタンデザイン研究所とのコラボにより制作され、日食なつこが学校の中を巡ったり、ピアノや鍵盤ハーモニカを演奏したりする様が郷愁を誘います。
アレンジにはブラスバンドが加わり、壮大な編成になっていますが、それでいて哀愁漂う歌詞と曲想に胸を打たれる1曲。
MVの中の風景や、歌詞の「落書きだらけの机の上」「目次すら見当たらない教科書」というフレーズからは子どもの頃のことが連想されますが、「大人の僕らが欲しい答えは」「あの頃誰もが教えられているはずなのに」というフレーズからわかるように、歌詞の視点はあくまで大人。
そんな苦味や切なさも日食なつこの楽曲の持ち味なのです。
ところで、他のミュージシャンからも絶賛されている日食なつこの楽曲ですが、この「廊下を走るな」は、二宮和也がソロアルバム『○○と二宮と』でカバーしています。
二宮和也はカバー以前から日食なつこのファンであることをラジオなどで公言し、歌詞を絶賛していました。
「廊下を走るな」も、自身がその歌詞に心を動かされたことから、カバーに至っています。
日食なつこの歌詞がどれだけ様々な人の心を掴んでいるかがわかるエピソードですね。
致死量の自由
日食なつこの楽曲の魅力として、歌詞の鋭さ、文学性や、それが演奏と組み合わさることで感じられるストーリー性というのも挙げられます。
それを感じられる曲の一つが、2018年5月に会場限定シングルとしてリリースされた「致死量の自由」です。
歌詞も曲自体もあまり長くはなく、さらりと聴けてしまうボリューム感ですが、そこに詰められた物語は、聴く人の想像を掻き立てます。
「果てなき自由は致死量の猛毒だった」という1行の持つインパクトは強烈であり鮮烈です。
「致死量の自由」が収められたアルバム『永久凍土』も見逃せません。
アルバムのテーマは「真冬」。
雪国で生まれ育った日食なつこの描く真冬は、ただ「寒い」「冷たい」というだけではない、耐え忍ぶような重みや人の性質も織り込まれたもの。
「white frost」を聴くと、そういう物語性のある一面が感じられるのではないでしょうか。
一篇の小説にも似た日食なつこの楽曲を味わってみてください。
音楽のすゝめ
続いて2021年3月にリリースされたシングル曲「音楽のすゝめ」。
2019年のROCK IN JAPAN FESTIVALでトリのステージを観た日食なつこが、そのライブの素晴らしさに打たれてその夜のうちに書いたフレーズが元になっています。
コロナ禍を経て音楽業界や音楽そのものを巡る環境が大きく変わった中で、それでもなお音楽を愛する人たちに向けて、それを絶やさないようにと作り上げられ、リリースされました。
力強く熱いメッセージの込められたこの曲に、多くの音楽ファンは共感するところがあるのではないでしょうか。
「短い夢を 朝が来れば幻と化す夢を」というフレーズに儚さを滲ませながらも、それを「後先もなくかき集めてしまう 馬鹿な僕らでいようぜ」という潔さと芯の強さ。
ミュージシャン・日食なつこの真髄が表れています。