YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のメンバーでも知られる高橋幸宏さんを筆頭に、日本が誇るミュージシャン6人で結成されたテクノポップバンド・METAFIVE。
全てのメンバーが高い演奏技術と作曲センスを持ち合わせており、彼らの発表した音楽は現在も多くのファンを魅了し続けています。
また、2021年には人気のロックフェスに特別編成で参加するなど、ライブ活動も精力的に継続。
今回は、そんなMETAFIVEの経歴やメンバー、代表曲について解説しながら彼らの魅力に迫ります。
目次
METAFIVEはどんなバンドなのか?
現在のメンバーが初めて揃ったのは、2014年1月。東京のEX THEATER ROPPONGIで開催された「テクノ・リサイタル」に高橋幸宏&METAFIVEとして出演したのが結成のきっかけです。
「YMOの楽曲を再現する」という目的で集まった6人は、当初の予定であれば一夜限りで解散するはずでした。
しかし、その後も「WORLD HAPINESS 2014」への出演や、同年9月に公開されたアニメ映画「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」のEDテーマを担当するなど、音楽活動を継続。確かな実力をもつメンバーが集結したバンドということもあり、彼らは着実に評判を集めていきます。
そして、2015年8月に開催された「WORLD HAPINESS 2015」へ出演したのを境に、グループ名をMETAFIVEと正式変更。翌年には、各メンバーが2曲ずつ原案を持ちよったという1stアルバム「META」をリリースするなど、本格的なグループ活動が始まりました。
ちなみにバンド名に含まれている「META」は、変身を意味する英語のMetamorphose(メタモルフォーゼ)と、YMOのメンバーとしても有名な細野晴臣さんが「テクノはメタポップだ」と表現したことが由来なのだとか。
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高橋幸宏
気分変えて、割と最近の,,,
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高橋幸宏さんは、日本を代表するドラマー・シンガーソングライターです。
ソロ・グループ問わず幅広い音楽活動を行っており、1978年以降はYMOのメンバーとしてドラムとボーカルを担当。
ミュージシャンとしてはもちろん、ファッションデザイナーや文筆家としても偉大な功績を残しています。
METAFIVE結成のきっかけを作った人物でもあり、バンドにおける担当は主にリードボーカル・ドラム・シンセサイザー・リズムシーケンスです。
小山田圭吾
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— Cornelius (@corneliusjapan) April 11, 2018
小山田圭吾さんは、ギターを筆頭にさまざまな楽器を操るミュージシャン・音楽プロデューサーです。
1989年、小沢健二さんを含む5人でフリッパーズ・ギターを結成しメジャーデビュー。1991年に解散を発表して以降、現在に至るまでCorneliusの名義でも活動を行っています。
YMOのサポートメンバーを務めたことがあるほど実力の高いミュージシャンであり、METAFIVEでは主にギター・コーラスを担当しています。
砂原良徳
2017/01/21 22:00- LOST at DJ BAR HIVE DJ 砂原良徳,Yuuki Hori,Nobuaki Ueda LIVE KEIMABASS pic.twitter.com/acOMvjQdDQ”
— 砂原良徳 (@_sunahara_) January 5, 2017
砂原良徳さんは、テクノ界隈を中心に活躍しているサウンドクリエイター・マスタリングエンジニアです。
1991年から1999年まで電気グルーヴのメンバーとして活動し、解散後は「LOVEBEAT」など多くのソロアルバムを発売。プライベートスタジオである「Y.Sunahara’s STUDIO」を音楽活動の拠点としています。
アーティストとしてもエンジニアとしても高い評価を得ており、同業者やファンからはまりんの愛称で親しまれています。METAFIVEでは主にシンセサイザー・プログラミングを担当。
TOWA TEI
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— TOWA TEI (@towatei) November 17, 2021
TOWA TEIさんは、DJや音楽プロデューサーなどマルチに活躍しているミュージシャンです。
東京の短期大学で美術を学びましたが、YMOへの強い憧れから音楽の道を志しました。
演奏技術はもちろん、細野晴臣さんのドキュメンタリー映画が公開された時にキービジュアルを担当するなど、アート分野における活躍も評価を集めています。
1990年にDeee‐Liteのメンバーとして全米デビューを果たしましたが、2ndアルバム発売後に脱退。METAFIVEでは主にシンセサイザー・プログラミング・ノイズ(騒音を音楽の素材として使用する技法)を担当しています。
ゴンドウトモヒコ
ゴンドウトモヒコさんは、YMOのサポートメンバーを務めた経験もある作曲家・音楽プロデューサーです。
ユーフォニウムやフリューゲルホルンなどあらゆる金管楽器を操ることができ、その実力はMETAFIVEでも活かされています。金管楽器以外では、コーラス・シンセサイザー・プログラミングなどを担当。
LOVE PSYCHEDELICOやDef Techなど多くのバンドにサポート出演しており、METAFIVE結成以前から高橋幸宏さんとも幾度にわたり共演しています。
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LEO今井
練習中。ライブ来週!#LEOIMAI @UNIT_daikanyama 2/26(水) 19:30開演 キテ!
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LEO今井さんは、日本人の父親とスウェーデン人の母親をもつミュージシャンです。
オックスフォード大学大学院卒業という学歴をもち、日本語・英語・スウェーデン語・フランス語を話すことのできるマルチリンガル。彼の語学力はMETAFIVEのメンバーも一目置いています。
2007年11月、シングル「Blue Technique」でメジャーデビュー。METAFIVEでは主にボーカル・ギター・シンセサイザー・プログラミングを担当しています。
FUJI ROCK FESTIVAL’21に特別編成で出演
【FRF’21 フジテレビTWO】
METAFIVE(砂原良徳×LEO今井)で出演した「FUJI ROCK FESTIVAL‘21」の模様がフジテレビTWOにて9月30日(木)20時よりOA
(Ⓒ Masanori Naruse)https://t.co/ulzAI4QpLr#METAFIVE #フジロック #FUJIROCK pic.twitter.com/hU8MyVZk6U— METAFIVE_OFFICIAL (@metafive_news) September 27, 2021
2021年8月20日から22日までの3日間開催された「FUJI ROCK FESTIVAL’21」。
ファンが待ちわびるなか初日のステージに現れたのは、メンバーの砂原良徳さんとLEO今井さんに、ギターの永井聖一さん(相対性理論)、ドラムの白根賢一(GREAT3)さんを迎えた特別編成のMETAFIVEでした。
当日のセットリストは、数あるMETAFIVEの楽曲でも特に人気がある「Luv U Tokio」や「Don’t Move」、さらに「フジロック」開催日時点では販売が中止されていた2ndアルバム「METAATEM」の収録曲である「環境と心理」を含む11曲。
本来のメンバーが3分の1しか出演できない大変な状況下にも関わらず、彼らは圧倒的なサウンドを披露し会場に集まった聴衆を熱狂させました。
また、当日サポートとして出演した永井聖一さんの使用ギターについて、ステージを観たファンの一部からは「小山田さんの使っているギター(1964 Fender Mustang)では・・・?」との声があがっています。さまざまな事情で当日ステージに立てなかったメンバーに対しても、ファンは変わらず応援の気持ちを持ち続けていることが分かるエピソードです。
発売中止を経てファンの元へ届いた2ndアルバム「METAATEM」
【METALIVE 2021】
配信チケット《アルバム『METAATEM』(CD/LP)付属》販売中!https://t.co/N3kh0sDFFMアーカイブ配信: 11/23(火祝)23:59まで
※付属のCD/LPそれぞれ上限数に達し次第販売終了となります。
#METAFIVE #METALIVE pic.twitter.com/7oQZLRMmZX— METAFIVE_OFFICIAL (@metafive_news) November 20, 2021
6年ぶりのアルバムとして、2021年8月11日に発売予定だった「METAATEM」
。直前になり突然販売中止が宣言され、ファンは公式から新たなアナウンスが出る日を待ち続けました。
時は流れ、同年11月20日。療養中だった高橋幸宏さんに代わり、白根賢一さんがドラムでサポート出演した「METALIVE2021」が有料配信され、チケットの特典としてアルバム「METAATEM」が付属しました。
アルバムはCDとLPの2種類。「環境と心理」をはじめ、彼らの音楽が新たな境地へ辿り着いたことを感じさせる珠玉の12曲は必聴です。
METAFIVEのおすすめ曲3選
環境と心理
2020年7月24日にリリースされ、2ndアルバム「METAATEM」にも収録されている「環境と心理」。
小山田圭吾さんが初めてリードボーカルを務めたこの楽曲は、高橋幸宏さんとLEO今井さんを加えた3人の優しく穏やかな歌声が聴きどころです。
曲中では「通り雨」や「夕暮れ」といった環境の変化が気持ちにほんの少し影響を与える、ということが淡々と歌われています。電子的なサウンドや金管楽器の温かい音色が、言葉のひとつひとつにそっと寄り添っているようなナンバーです。
Don’t Move
1stアルバム「META」のリードナンバー。エレクトロファンクを意識した、クールで疾走感溢れる楽曲です。
この楽曲のタイトルである「Don’t Move」は、縦横無尽に動き回るトラックを聴いたLEO今井さんが、逆説な意味合いを込めて名付けたのだとか。
「トレンドに流されず、自分というものを持ってどっしり構えろ」といったメッセージが、スタイリッシュなカッティングギターや踊り出したくなるリズムに乗せて歌われています。
Luv U Tokio
1stアルバム「META」の収録曲です。砂原良徳さんが手がけるインスト楽曲の特徴が色濃く出ており、懐かしさと最先端の共存を感じさせます。
思わず身体を揺らしてしまうようなビートが曲全体を貫いており、METAFIVEらしさが詰まった楽曲としてファンからも非常に人気です。TOWA TEIさんは、この楽曲の印象について「スナックとかでかかってほしい」とインタビューで語っています。
最後に
各メンバーがユニットやバンドといった形で共演を重ねているMETAFIVEですが、現在は6人で同じステージに立つことがなかなか叶わずにいる状況です。
圧倒的な実力とセンスを持ち合わせた彼らが再集結し、新たな音楽を生み出してくれることを願うばかりです。