2019年、韓国で反響を呼んだサバイバル番組「Queendom(クィーンダム)」が放送されました。現役の女性アイドルグループが出演し、様々なミッションに挑戦して順位を競い合うという番組です。
2021年には「Queendom」の男性版である「Kingdom(キングダム)」の制作が決定し、この番組に出演するグループを決める予選番組「Road to Kingdom(ロードトゥキングダム)」が2020年に放送されました。この番組で優勝を掴み取ったのが今回紹介する「THE BOYZ(ザ・ボーイズ)」です。
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目次
THE BOYZって、どんなグループ?
THE BOYZは、2017年にCre.kerエンターテイメントからデビューしたボーイズグループです。結成初期は仮の名前として「Cre.kerz(クラッカーズ)」と名乗っていました。12人編成のグループでしたが、途中でメンバーの脱退があり現在は11人で活動しています。
THE BOYZは、大手事務所SMエンターテインメントの元社員で様々な人気アイドルを抜擢してきた人物が手がけたグループとしても話題になりました。
THE BOYZというグループ名には「大衆の心を捉えるたった1人の少年になる」という意味が込められています。韓国語では「더보이즈(ドボイズ)」と発音されるので「ドボ」という略称で呼ばれています。
ファンクラブ名は「THE B(ドビ)」で「ファンはTHE BOYZのビタミンのような存在である」という意味や「THE BEST」という意味があるそうです。
THE BOYZは11人で構成されているグループですが、ダンススキルが高い「パフォーマンスチーム」と、歌唱力が高い「アンサンブルチーム」に分かれています。
- ヨンフン
- ジュヨン
- キュー
- チュハンニョン
- ソヌ
- エリック
- サンヨン
- ジェイコブ
- ヒョンジェ
- ケビン
- ニュー
THE BOYZが他のK-POPアイドルグループと違ったのは、メンバーの中に人気番組「PRODUCE 101」や「高等ラッパー」などに出演した練習生がいたことと、外見が「全員センター級」と表現されるくらいの良さを持っていたことから、デビュー前から大きな人気とファンを獲得していたことでした。
グループとしてはまだ特に大きな実績はありませんでしたが、何社もの広告会社や出版社などからラブコールを受けており、デビュー前から制服の専属モデルに抜擢されるなど業界関係者からも注目を浴びていました。
さらに、正式デビュー前に日本のソニーミュージックとマネジメント契約を行ったことにも注目されました。通常はデビューして韓国国内で活動を行い、ある程度のファンと実績を持った後に日本デビューという流れがあるのですが、THE BOYZは、その一連の流れを飛び越えてしまったのです。
2017年12月6日、THE BOYZは1stミニアルバム「THE FIRST」を発売し、待望のデビューを果たしました。デビュー日にはショーケースを開催しましたが、なんと4,000席規模の会場が準備され、韓国以外の国からもファンが応援に来るほどの人気でした。これほどまでに大きな会場でデビューショーケースが開催されたグループはなかなかいないと思います。
華々しいデビューを飾ったTHE BOYZは、デビューから約5ヶ月後の2018年4月に早くも2ndミニアルバム「THE START」を発売し、高速カムバックします。発売直後から韓国の音楽リアルタイムランキングで1位を記録し、以前より強い勢いを見せました。
このアルバムは「Ready」「Set」「Go」という3つの形態で発売されたのですが、特に「Ready」は、メンバー全員がジャケットの写真撮影や構成などを手がけた限定版アルバムとして発売されたため、即完売という状態になりました。デビューから数ヶ月で作品の構成に関われる機会があることは珍しいと感じます。
2017年12月にデビューしたTHE BOYZは、2018年が新人賞をもらえる年となっていました。メンバーはデビュー前から「デビューの年にしか受賞できない新人賞がほしい」と語っていました。そして現実にTHE BOYZは2018年の新人賞を総なめにしたのです。
「Asia Artist Awards」や「Melon Music Awards」などの音楽関係から「2018年ブランド大賞」という韓国国民の投票で決まる1年で最も輝いたブランドを選ぶ賞まで受賞しました。しかもブランド大賞に関してはデビュー後8ヶ月で受賞しており、いかにTHE BOYZが世間から注目を浴びているのかが確認できた瞬間でした。
2018年にはアメリカビルボード誌が選んだ「10 Best New K-POP Acts of 2018」にもTHE BOYZがリスト入りするなど、世界での人気も証明されています。
2019年には、初の単独アジアツアーが開催されました。このツアーはファンコンサートと題され、メンバー全員がソロステージやユニットステージを披露したり、トークコーナーやダンス対決など歌以外の魅力を見ることができました。
このファンコンサートでは、ソウルを皮切りに日本や香港、タイ、インドネシアなど8カ国を周っています。さらに、ツアー中に2ndシングル「Bloom Bloom」を発売するなど、音楽活動も積極的に行いました。
THE BOYZは、デビュー前からファンや関係者の関心を集め、ファッション雑誌やバラエティ番組への出演を通してグループの認知度が高かったグループですが、まだ音楽番組で1位を獲得した経験はありませんでした。音楽番組で1位を獲るためには、CDの売上や音源の再生回数、視聴者の投票が関係してくるので容易ではありません。
デビューから1ヶ月かからずに音楽番組1位を獲得するグループがある中で、1位を獲得することなく解散していくグループがある厳しい音楽業界…。THE BOYZが念願の1位を手にしたのはデビューから約1年半後、2019年5月のことでした。
2ndシングル「Bloom Bloom」で初の音楽番組1位を獲得したとき、THE BOYZは日本公演のために音楽番組への出演はできませんでした。そのため、スタッフがお祝いのケーキを持ってメンバーたちに伝えに行くという形がとられました。
嬉しい報告は、動画配信でファンと共に共有されました。1位になったことを知らされていなかったメンバーは「ケーキ?誰かの誕生日?」と戸惑っていましたが、1位獲得の報告を聞くと言葉が出ないほどの驚きを見せていました。だんだんと実感して1人また1人と涙を流すメンバーが増えていったのがとても印象的でした。
この1位獲得がきっかけとなったのか、3ヶ月後の2019年8月に発売された4枚目のミニアルバム「DREAMLIKE」では、アルバムが発売されるや否やアメリカをはじめ、フランスやロシアなど7カ国のiTunes K-POPアルバムチャートで1位にランクインし、目に見えた人気が至る所で確認され始めました。
アメリカでは「Bloom Bloom」がアメリカビルボードの「ソーシャル50」チャートにランクインされ、アメリカの人気番組「Good Day New York」にも出演が決定しました。
しかし2019年10月、以前から体調不良を理由に何度かグループ活動から離脱し、休養していたメンバーのファルが脱退を発表しました。ファルは、公式サイトに直筆のメッセージを掲載し「完璧ではない姿で舞台に立たざるを得ないことが、自分自身に多くのプレッシャーを与えていた」と自分の言葉でファンへ対して気持ちを伝えています。
ファンとしては、ゆっくり休んでまた新しい姿を見せてくれればという気持ちがあったのかもしれませんが、ファル本人にとってはそれが新たなプレッシャーとなっていたようです。
11人体制での活動がスタートしたTHE BOYZは、2019年12月に初のヨーロッパツアーに乗り出します。夏に発売したミニアルバム「DREAMLIKE」がドイツやフランスでも1位を獲得していたこともあり、アジア以外での人気も上昇していました。
また、2019年11月には日本デビューも果たしました。この時期は、韓国国内でも活動を行っていたので、まさに世界中を駆け巡ったアイドルグループだったのではないでしょうか。
2020年は1stフルアルバム「REVEAL」の発売からスタートしました。このアルバムは今までの爽やかなイメージから脱却し、THE BOYZの成長とセクシーさやカリスマ性が溢れたアルバムとなっていました。また、トラックリストの最後には「Spring Snow」というファンソングを収録するなど、ファンへの感謝の気持ちも込められたアルバムとなりました。
アルバム発売後には、イギリスやデンマークなど海外5カ国のiTunes K-POPアルバムソングチャート1位を獲得しており、韓国国内でも週間アルバムチャート1位を記録しています。