ビートルズ|音楽史上最も偉大なバンドの経歴、メンバー、おすすめ楽曲とは!?

ビートルズ|音楽史上最も偉大なバンドの経歴、メンバー、おすすめ楽曲とは!?

ザ・ビートルズ。誰もが一度はその名を目にしたことがあるでしょう。

ポピュラー音楽における最大の功労者であり、彼らの音楽は解散後50年以上がたった今でも至るところで耳にします。

しかし、実はザ・ビートルズについて「よく分からない」、「昔のバンド」くらいの認識で止まっている人も少なくないのではないでしょうか。

何せ彼らの活動時期は1960年代。「今更聴くのも……」と及び腰になるのも無理からぬことです。

この記事ではそんなザ・ビートルズの偉大さ、そして彼らの色褪せない音楽の数々を改めて解説していきます。

ザ・ビートルズのメンバー 〜4人の天才アーティストが集結した奇跡〜

ジョン・レノン(ギター/ヴォーカル)

まずはジョン・レノンザ・ビートルズのリーダーであり、作曲においても中心的な人物の1人です。

『ヘルプ!』『ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー』『愛こそすべて』といった名曲はジョンの作曲です。

彼のキャラクターを一言で表すならば、「最高のロック・カリスマ」

1963年に開催されたイギリス王族の列席するコンサートで、ジョンは

For our last number, I’d like to ask your help.

Will the people in the cheaper seats clap your hands ?

And for rest of you, if you’ll just rattle your jewelry.

 

最後の曲は、皆さんの力をお借りしたいと思います。

安い席にお座りの方は手拍子をお願いできますか?

そうでない方々は、お持ちの宝石をジャラジャラ鳴らしてくださると。

とユーモアたっぷりの皮肉を飛ばします。

こうした反骨精神やウィットに富んだセンス、そして何より素晴らしい作曲の才能と唯一無二の歌声、これらがジョン・レノンをロック史上最高のカリスマたらしめています。

ザ・ビートルズ解散後はソロ・アーティストとして活躍しましたが、1980年12月8日に自宅前でファンを自称するマーク・チャップマンという男に射殺されてしまいます。

40歳という若さで亡くなってしまったジョンですが、その素晴らしい音楽と共に文化史上のアイコンとして歴史に名を残す存在となりました。

ポール・マッカートニー(ベース/ヴォーカル)

続いてはポール・マッカートニー。ジョン・レノンと共に作曲タッグ「レノン=マッカートニー」の一翼を担った人物です。

また、彼は多くの楽器が演奏できるマルチ・プレイヤーでもあり、ベースの他にも楽曲によってはギターやピアノ、ドラムでも彼の名前がクレジットされています。

パートナーであるジョンがロック・ヒーローならば、ポールは天才音楽家と表現するのが適切な個性の持ち主です。

『イエスタデイ』『ヘイ・ジュード』『レット・イット・ビー』といった名バラードの多くは彼の作曲で、キャッチーなメロディを書かせれば彼の右に出る者はいないでしょう。

ザ・ビートルズ解散後もウィングスという新バンドでの活動やソロ名義での作品を数多く発表し、これまでにリリースした楽曲数は500曲以上

「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」のギネス記録も持ち、現在も精力的に音楽活動を行い続けているロックの現人神、生ける伝説の1人です。

ジョージ・ハリスン(ギター/ヴォーカル)

4人のうち最年少のメンバーが、このジョージ・ハリスン

寡黙で思索的な性格で、そのことから「静かなるビートル」とも呼ばれました。

活動初期はジョンとポールという2人の天才の影に隠れがちでしたが、バンド活動の中でその遅咲きの才能を開花させていきます。

事実、『サムシング』『ヒア・カムズ・ザ・サン』『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』といったバンド後期の傑作は彼の作曲です。

それ以前にも12弦ギターの導入やインド音楽からの影響といった、ザ・ビートルズのサウンド面に多大な貢献を残した人物であり、彼もまた音楽史上に残る天才の1人。

解散後はソロ・アーティストとしてザ・ビートルズの中で抑圧されてきた才能を発揮します。

ロック史上初のチャリティ・コンサートである「バングラディシュ難民救済コンサート」の開催や、表舞台から一時去っていた親友、エリック・クラプトンのカム・バックの手助けをしたことも彼の重要な功績。

2001年にガンでこの世を去ってしまいましたが、ギタリストとして、アーティストとして、音楽史に絶大な影響を残した偉人として没後も高く評価されています。

リンゴ・スター(ドラム/ヴォーカル)

リンゴ・スターはザ・ビートルズのデビュー直前にバンドに加入した人物です。「リンゴ・スター」というのは芸名で、本名はリチャード・スターキー

バンド後期に数曲を書いた程度で作曲にはほとんど関与しなかったことから彼を他の3人と比べて腐す方もいますが、彼もまたザ・ビートルズの音楽には必要不可欠な人物です。

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンといった稀代の天才が生み出す全く新しい音楽に対し、彼はドラマーとして素晴らしいプレイによって応えているのです。

また彼は温和な性格やメンバーの中で最年長ということも手伝って、時に緊迫するバンドの関係を支えてきた存在でもあります。

その性格ゆえか、バンド解散後も他のメンバー全員といち早く共演し、ソロ活動でも多くの有名ミュージシャンと共演しています。

御歳81歳、今なおアーティストとして活躍し、多くのミュージシャンから尊敬を集めるロック界屈指の人格者です。

ザ・ビートルズ入門のためのベスト盤+名盤

さて、ここからはいよいよ彼らの音楽についてです。

ザ・ビートルズの活動期間はたった8年と意外なほどに短い一方で、活動中に発表したアルバムは全13枚

また、アルバム未収録のシングル楽曲も多く、正式リリースされた楽曲数は実に213曲に及びます。

そのすべてを一気に聴くというのはかなりハードルが高いでしょう。

なのでここでは、ビートルズの音楽を聴いてみたいという方が最初に手に取るべきアルバムを厳選して5枚紹介していきます。

①『ザ・ビートルズ1』

最初に紹介するのは、ベスト盤『ザ・ビートルズ1』

バンド解散30年を記念してリリースされたベスト盤ですが、本国イギリスやアメリカ、そして日本でもチャート1位を獲得しその人気は全く衰えていないことを証明しました。

肝心の内容ですが、タイトルに「1」とある通り、ザ・ビートルズのシングル楽曲のうちチャート1位を獲得したものだけを収録するという制約のもと選曲されています。

チャート首位の楽曲のみでベスト盤が制作できるアーティストは彼らの他にエルヴィス・プレスリーやマイケル・ジャクソンくらいで、如何にザ・ビートルズが圧倒的な存在かがよくわかります。

デビュー・シングル『ラヴ・ミー・ドゥ』からラスト・シングル『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』までの代表曲が発表順に収録されているので、彼らの音楽をタイムラインで追いかけることができるのもこのアルバムの魅力。

一度は聴いたことがあるであろう楽曲も多く、ザ・ビートルズ入門にはこれ以上なく相応しい1枚ではないでしょうか。

②『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』/『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』(『赤盤』/『青盤』)

こちらもベスト盤で、ジャケットのデザインから『赤盤』『青盤』という通称で知られるアルバム。

正式タイトルからわかる通り、ザ・ビートルズの楽曲をシングル/アルバム曲の隔てなく、時系列順に厳選して収録しています。

『1』はシングル楽曲しか収録していませんが、ザ・ビートルズはシングルになっていないアルバム収録の楽曲にも代表曲や名曲が数多くあります。

それらも網羅できるベスト盤が、この『赤盤』『青盤』。

CD全4枚というかなりのボリュームですが、ひとまずザ・ビートルズの概要を押さえておきたいという方はこちらから聴いてみるのもオススメです。

ベスト盤で入門するのであれば、『1』か『赤盤』『青盤』のどちらかをチョイスするのが最もベターでしょう。

③『ラバー・ソウル』(1965)

ここからはオリジナル・アルバムに関して。

ベスト盤で聴くのも決して悪いことではありませんが、本格的に彼らの音楽を聴くのであればやはりオリジナル・アルバムに挑戦していただきたいところ。

13枚のアルバムのどれから聴くべきかは非常に悩ましい問題ですが、ビートルズ・ビギナーの方にオススメしておきたい作品を3つセレクトしていきます。

1枚目は1965年発表の『ラバー・ソウル』。6枚目のオリジナル・アルバムです。

それ以前の作品ももちろん素晴らしい完成度ですが、何しろ60年も前の作品ですから、現代の感性では古臭く感じてしまう方も少なくないでしょう。

しかしこの『ラバー・ソウル』はザ・ビートルズの音楽性が深化し、よりアーティスティックな方向性を獲得した最初の作品です。

アコースティックなサウンドが目立ち、メロディの引き立った穏やかで聴きやすい楽曲が多いのが本作の特徴。

村上春樹の小説のモチーフにもなった『ノルウェーの森』にグラミー賞も獲得した『ミッシェル』、ザ・ビートルズ屈指の名曲と名高い『イン・マイ・ライフ』を収録しています。

ポップス・ミュージシャンとしてのザ・ビートルズ、そしてロック・アーティストとしてのザ・ビートルズ。その両方を一度に体感することのできる名盤です。

④『リボルバー』(1966)

お次は『ラバー・ソウル』に続いて発表された『リボルバー』です。

先に断っておきますが、この『リボルバー』はキャッチーなメロディや軽快なロックンロールといったザ・ビートルズのイメージからは大きく乖離した作品です。

よりロックの芸術性を突き詰め、最新の音楽トレンドやワールド・ミュージックを取り入れた先鋭性を主体とした1枚。

かなりエッジィで芸術的な作品なので、本作中ほぼ唯一と言ってもいい有名曲『イエロー・サブマリン』の楽観的なムードはむしろ異色と言えます。

ジョージ・ハリスンのセンスが光る攻撃的なギター・ロック『タックスマン』やレノン=マッカートニーの2人が揃って激賞した傑作バラード『ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア』、ジョン・レノンの破天荒な才能が爆発した『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』、いずれもベスト盤には未収録で知名度は高くありませんが、バンドを代表する名曲揃いです。

一部ではザ・ビートルズの最高傑作の呼び声も高く、彼らの多彩で独創的な音楽にチャレンジするにはうってつけの名作です。

⑤『マジカル・ミステリー・ツアー』(1967)

最後に紹介するのは『マジカル・ミステリー・ツアー』

実はこの作品、リリース当初はアメリカ独自の編集盤だったのですが、その内容が秀逸なばかりにCD化に際してオリジナル・アルバムの1つに加えられたという変わった経歴があります。

収録内容ですが、1960年代中期にロック・シーンで一大ムーヴメントとなった「サイケデリック・ロック」を全面的に導入した試みの集大成と評価できます。

『ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー』『アイ・アム・ザ・ウォーラス』といった楽曲がまさしくサイケ・ロックの名曲という趣な一方で、『ハロー・グッドバイ』『愛こそすべて』といった華やかでキャッチーな楽曲も収録され、その充実度はキャリア屈指。

サイケ・ロックの時期のザ・ビートルズはフリーキーで聴きにくいという印象を覚えるかもしれませんが、この濃密な作品を通じてザ・ビートルズのコアな音楽性に慣れ親しんでいただければと思います。

補足「なんであのアルバムがないの?」

ここまでに紹介した5枚が、ひとまずザ・ビートルズ入門に際して聴いていただきたいアルバムです。

しかし、これは一般的な「ザ・ビートルズの傑作」とは少し違ったセレクトなのは事実。

「ポピュラー音楽史上の最高傑作」とも目される『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に、バンド名を冠した二枚組の大作『ザ・ビートルズ』(通称『ホワイト・アルバム』)、そしてメンバーが横断歩道を渡るジャケットがあまりに有名な事実上の最終作『アビー・ロード』……この3作を今回は選外としています。

『サージェント・ペパーズ〜』や『ホワイト・アルバム』は、実はビートルズ初心者が最初に聴いてすぐに魅力を理解するにはいささか難解な作品という性格があります。

有名曲も少なく、アルバム全体の展開や空気感が重要な作品なので、「ザ・ビートルズをアルバム作品で鑑賞する」ことに慣れ親しむまでは触れるのはある意味では危険な代物なのです。

また、『アビー・ロード』は「ザ・ビートルズのラスト・アルバム」であることに大きなドラマや意味があります。

この作品を最初に聴いてしまうと、そのドラマを感じ取ることが難しいかもしれません。

この3作はザ・ビートルズ屈指の傑作ですが、是非とも紹介した作品を聴き、ザ・ビートルズをより深く知った上で聴いていただければと思います。

おわりに

今回はザ・ビートルズについて、改めて解説していきました。

音楽や歴史の教科書にも掲載され、もはや音楽の枠を超えて一般教養の感もあるザ・ビートルズ。

その影響力は今なお絶大ですし、ロックをはじめとしたポピュラー音楽を深く知ろうとしたときに彼らの音楽を避けて通ることはできません。

この記事で是非ともザ・ビートルズに興味を持っていただき、彼らの偉大な音楽に触れていただければとても嬉しいです。

 

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