DAVII(ダビ) 都会をポップ&アンニュイに奏でる気鋭のシンガーソングライターを徹底解説

DAVII(ダビ) 都会をポップ&アンニュイに奏でる気鋭のシンガーソングライターを徹底解説

DAVIIのオススメ曲5選 Part.1

「Flying(Feat. BIG Naughty)」『?=3 GENEZIS3』(2022年)収録

2022年8月にリリースされた4thミニアルバム『?=3 GENEZIS3』ダブルタイトル曲「Flying(Feat. BIG Naughty)」は、DAVIIの真骨頂と言える都会的なボーカルスタイルや作風が存分に現れています。

歌い出しから「I feel like I’m flying 自由にこのbeatの上を飛んで」と弾むファルセットと鍵盤の音色が楽しいこの曲は、かつて自己陶酔に陥っていたというDAVIIの心境が率直に表現されています。

『?=3 GENEZIS3』には「死にたいと思ったこともあった」という闇深い頃の気持ちが込められているそうですが、だからこそその直前の全能感に満ちた「Flying(Feat. BIG Naughty)」は、文字通り上昇して飛んでいくようなすがすがしさがあります。

小気味よいラップがこれまでのDAVIIにはないエッジィな響きをプラスしていますが、タッグを組んだのは期待のヒップホップアーティスト、BIG Naughty。日韓で大人気のシンガーソングライターimaseともコラボした経験を持ち、現在話題沸騰中です。

そんなBIG Naughtyが刻むヒップホップに、DAVIIの声とピアノの旋律が持つ艶やかさが融合したことで、ポップでありながら洗練されている中毒性の高い曲となっています。

「Flying(Feat. BIG Naughty)」は、2種類用意されたMVも見逃せません。

一つは高層ビルの屋上にあるヘリポートが舞台で、キーボードに一人向き合い鍵盤を弾き鳴らす解放的なDAVIIを捉えています。

もう一つは、打って変わって閉塞感のあるエレベーターの中。人工的な照明の下、少しアウトローのような衣装に身を包みジェスチャーを交えながら歌うDAVIIの姿が収められています。

どちらもアダルトなムードとDAVIIの自由な表情が忘れられない映像作品です。

「Flying(Feat. BIG Naughty)」を見ると、DAVIIは音楽活動はもちろんトータルプロデュースに長けていることが理解できます。彼の人気を証明するような、アイコニックなポップチューンです。

 「You, Clouds, Rain(Feat.Shin Yong Jae)」『You, Dark Cloud And Rain』収録(2017年)

梅雨の時期に聴きたいのが、Heizeと共同で作曲した「You, Clouds, Rain」

リリース後34日間チャート1位を独占するなど、DAVIIHeizeのコラボレーションの中でも特に愛されている楽曲のひとつです。

去ってしまった愛する誰かについて「雨が降ったからあなたを思い出した。ただそれだけで意味はない」と忘れたふりをしながらも、決してかき消せない鬱屈が抒情的に歌い上げられています。

歌詞はHeize、作曲・編曲・ピアノをDAVIIが担当。いつまでも降りやまない雨のような思いが心に積もっていくさまを、清廉なピアノの音色で表現した切なく美しい一曲です。

目の前の風景に自分自身の気持ちを仮託するリリックは日本の歌謡曲でもよく耳にするので、私たち日本人も共感できるのではないでしょうか。

「Now」『?=1 RE:new』(2021年)収録

『?=1 RE:new』と題された2021年のアルバムの心髄を感じさせるナンバーが「Now」です。

クセがなく澄み切ったハイトーンボイスで進むボーカル余計なものをそぎ落としピアノの旋律のみで構成されたこの曲は、「今、私は新しくなった 古いものは消え去った」という強いフレーズも相まって、まるでDAVIIの音楽に対する純粋な決意表明に思えてなりません。

DAVIIの音楽活動の原点は聖歌隊であり、「私が音楽をやりたいと思った理由は、伝道のため」とも明言しているように、一貫して神や信仰というキーワードで結ばれています。「Now」のMVのオープニングで白い背景の中でピアノに対峙する彼の姿は、神にひざまずいているようです。彼にとってピアノもまた、信仰の対象なのではないでしょうか。

この記事をシェアをしよう!

この記事を書いた人

この記事に関連するタグ

関連記事

新着記事