「おそ松さん」- 赤塚不二夫「おそ松くん」原作のテレビアニメ|オープニング全6曲を徹底解説!

「おそ松さん」- 赤塚不二夫「おそ松くん」原作のテレビアニメ|オープニング全6曲を徹底解説!

赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」を原作としたテレビアニメ「おそ松さん」。

二十歳を過ぎても定職に就かず、ダラダラとニート生活を送る松野家の6つ子の日常が描かれたアニメです。

2015年10月からアニメ1期、2017年10月からアニメ2期、2020年10月からアニメ3期が放送されました。

アニメ制作発表当初から話題になったのは、主人公となる松野家の6つ子の声優が超豪華であるということ。

アニメファンや声優ファンの声に後押しされ、書籍化・ゲーム化だけにとどまらず、関連イベントやコラボ商品も数多く展開されています。

また、2022年3月25日にはジャニーズグループ・Snow Manによる実写映画も公開予定と、その勢いは増すばかりです。

そんなテレビアニメ「おそ松さん」のオープニング曲の歌唱を務めているのは、アイドルグループ・A応P。

今回は、A応Pが歌唱するアニメ「おそ松さん」のオープニング全6曲を解説します。

アニメの魅力を色濃く映し出した楽曲の魅力に触れてみてくださいね。

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A応Pとは

A応Pは、日経エンタテインメント!とアニメ専門チャンネル「アニメシアターX」が共同で立ち上げた「アニメ“勝手に”応援プロジェクト」で2012年に結成されたアイドルユニットです。

アニメを愛する女の子たちで結成され、数多くのアニメソングを担当しました。

アニメの素晴らしさを伝えることを目的に活動を行ってきた彼女たちですが、「目的が達成できたから」という理由で、2021年3月31日に解散。多くのファンに惜しまれつつ、アイドル活動にピリオドを打ちました。

アニメ「おそ松さん」オープニング曲

はなまるぴっぴはよいこだけ

アニメ「おそ松さん」第1期第1クールオープニングである「はなまるぴっぴはよいこだけ」。エレキギターの耳に残るメロディーから始まり、刻まれるリズムがとても心地よい楽曲です。

作詞のあさきによると、本楽曲の歌詞は全てに意味があるそう。一見不思議な言葉の並びで意味がピンとこない箇所もありますが、そこを掘り下げてみると楽曲の新たなおもしろみが見えてきます。

タイトルにも入っている「ぴっぴ」という言葉。「彼ぴっぴ」のように、「人」を指す意味で使われる言葉です。

「花丸をもらえる人は良い子だけ」という意味になりますが、アニメ「おそ松さん」の主人公である松野家の6つ子はいい年をして働かず、毎日をダラダラと過ごしている人物。花丸をもらえる大人たちを横目に「別にいいし」と唇をとがらせている6つ子の姿が目に浮かびます。

「花丸をもらえる人」のことを歌った楽曲だと捉えると、「虫の息」「たいへんなの」「雨にも風にも負けた」と、疲労困憊な大人の姿が見えてきます。

サビで歌われている「ぽぽんちゅうちゅう」という言葉は、塩野義製薬から発売されている「ポポンS」というビタミン剤を指した言葉。現在は錠剤で売られていますが、昔は液状のものもありました。倒れる寸前まで働きづめの大人がポポンSをチューチュー飲みながらなんとか頑張っている様を表しています。

作詞を担当したあさきはTwitterで本楽曲について「よっこらよっこらなっても、おまえ、まあ、ぴぴっとガリっと生きていけやーって感じの内容になっております。」と発言。


ニートの6つ子が働く大人に対して持っているイメージを歌った楽曲と捉えることもできますし、世知辛い世の中でヘロヘロになりながらも生きている大人たちへの応援歌ともとれる楽曲です。

全力バタンキュー

アニメ「おそ松さん」第1期第2クールオープニングである「全力バタンキュー」。

「バタンキュー」というタイトルや、並べられた言葉の中からどことなく昭和っぽさを感じます。A応Pの公式MVでも城をバックに歌唱したり、忍者が登場したりと、和の雰囲気を感じる楽曲です。

楽曲のところどころで琴や鐘、ヴィブラスラップなど様々な音が鳴り、まるでワクワクが詰め込まれたおもちゃ箱のよう。散りばめられた遊び心で、何度聴いても飽きない一曲です。


あんな夢やそんな願いは
まあいつかの未来で叶うでしょ

ニートの6つ子が家でゴロゴロしながら無気力に呟きそうな言葉が歌われています。

「働きたくない」という気持ちはありつつも、「彼女が欲しい」「頼りにされたい」などの人並みの欲望を持つ彼ら。叶えたい夢や願いはあるけれど、それを叶える努力をする気力はない、と諦めている彼らの姿が浮かびます。

しかしその直後に続く歌詞は


とりあえず寝て待つのがよろし?
ほれ行くぞ、ままよ、とびだせ!!!

「果報は寝て待て」と、「あんな夢やそんな願い」が叶うのを寝て待とうとした彼ら。しかし、「それではやっぱりだめだ!」と思い直して、外の世界へ駆け出す彼らの姿が想像できます。

作詞・作曲・編曲を担当した池波晏寿にとって、本楽曲は作家デビューとなる一曲。彼の先輩にあたる作曲家・渡部チェルがTwitterで発言し、世に知られることとなりました。

君氏危うくも近うよれ

アニメ「おそ松さん」第2期第1クールオープニングである「君氏危うくも近うよれ」。ことわざの「君子危うきに近寄らず」をもじったタイトルです。

「君子危うきに近寄らず」は、賢い人はリスクを冒さない、という意味。そこから考えると、本タイトルは「危ないけど近寄ってみよう」と、怖いもの知らずで生きていく主人公像が見えてきます。

本楽曲の作曲を担当したのは、歌い手・まふまふ。2021年のNHK紅白歌合戦で歌唱したことでも話題となった人物です。メロディーの旋律が細かく上下し、歌っても聴いても楽しいメロディーとなっています。

作詞を担当したのは、第1期第1クールオープニング「はなまるぴっぴはよいこだけ」の作詞を担当したあさき。

彼曰く、本楽曲は「はなまるぴっぴはよいこだけ」のアンサーソングで、「大人になった6つ子が、子どもの頃の自分たちに『危ない世界だけど、早くこっちにおいで』と語りかけてるイメージで作詞をしたと発言しています。

歌詞に注目すると、ところどころで見えるのがダブルミーニングの言葉。


ふらふらしてる君でよい

定職に就かず、毎日ふらふらとしている君も好き、という意味。そして、「よい」を「酔い」に変換すると、ふらふらしている君に心酔している人の姿が見えてきます。

いい年をして働きもせず、毎日をダラダラ生きている彼らですが、そんな彼らは多くのファンに愛されています。心酔しているファンの姿を描いた一文だと捉えることもできるでしょう。


いつだってサイチョーセン

「再挑戦」と「最長戦」の二つの意味が見えます。耳だけで聴いているとなかなかわかりませんが、文字で見てみると、不自然にひらがなやカタカナで表された箇所も多い本楽曲。歌詞を見てじっくりと掘り下げてみると、新たな視点で楽しめる遊び心満載の一曲です。

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まぼろしウインク

アニメ「おそ松さん」第2期第2クールオープニングである「まぼろしウインク」。放送作家や脚本家として活躍する鈴木おさむが作詞を務めています。

エレキギターの印象的なスラップから始まる本楽曲。駆け上がるようなメロディーのあと、すぐに歌が始まります。合いの手も多く、歌詞に沿ってウインクしたくなるような楽しい楽曲です。


釣り堀行ったら人魚が釣れた(マーメイド)
空に石投げて隕石落ちてきた(メテオ)

卵を割ったら小判が出てきた(トレジャー)
終電乗ったらエジプト着いちゃった(ミステリアース)

と、非日常的な出来事が描かれた歌詞が印象的。「釣り堀に行ったら人魚のように美しい魚が釣れた」「卵を割ったら出てきた黄身がまるで小判のように輝いていた」という比喩的な表現だと考えられます。

アニメ「おそ松さん」の主人公の6つ子は、誰かからウインクされるような人物ではありません。歌詞で紡がれているように「僕にウインク(WIN)」「プリンス(WIN)」と、誰かにウインクをされたり、誰かのプリンスとなれれば、6つ子の中の勝ち組なのです。

ただ、本楽曲のタイトルは「まぼろしウインク」。誰かにウインクをされた気がしても、誰かのプリンスになれた気がしても、それは幻なのです。いつかは愛する誰かのプリンスになってみたいと夢を描くダメダメ6つ子の愛おしさが感じられる楽曲です。

nice to NEET you!

アニメ「おそ松さん」第3期第1クールオープニングである「nice to NEET you!」。会えて嬉しいです、という意味を持つ「nice to meet you」「ニート(NEET)」がかかったタイトルです。


頑張りたくない (働きたくない)
ダラダラしてたい (フワフワしてたい)

曲の始まりからニート感全開の言葉。

続く歌詞でも「労働ハ我々ノ敵デアル」「楽シテ生キルノダ!」と、6つ子の心持ちを表したような言葉が散りばめられています。アニメ3期を迎えてもニート生活から脱却しない彼らと、アニメ3期でまた会えた嬉しさをファンに感じさせる楽曲です。

この曲の特徴は、2番の歌詞に今までのオープニング曲の曲名が登場しているということ。


はなまるぴっぴお疲れさん
バタン(Oh!) キュー(No!) でケセラセラ
夜食にゲーム 近うよれ
まぼろしに キスして

「はなまるぴっぴはよいこだけ」「全力バタンキュー」「君氏危うくも近うよれ」「まぼろしウインク」の一部が隠れています。アニメのオープニングでは1番しか流れませんので、楽曲に興味を持って調べ、2番まで聴いた人しか気付けない小さなサプライズです。

作詞作曲を担当した村井大「休みたいのに休めない、休めと言われても休み方がわからない!そんな人たちに贈るNEETの参考書としてこの歌を作りました。頑張らない方が良い時もきっと、あるはず。」とメッセージを寄せています。

ニート生活を謳歌し、人生を楽しんでいる6つ子から「休むことも大切なことだよ」と教えられる一曲です。

6つ子の魂ナユタまで

アニメ「おそ松さん」第3期第2クールオープニングである「6つ子の魂ナユタまで」。「ナユタ(那由他)」は、数の単位のひとつで、那由他の上には「不可思議」と「無量大数」しかない程の大きな単位です。

アニメ1期から一貫して楽曲を担当していたA応Pの最後のシングル曲でもある本楽曲。6つ子への愛の大きさが歌われており、ずっと「おそ松さん」とともに歩んできたA応Pからの最後のメッセージともとれる一曲になっています。

「やばめ」「神なの」「尊い」と、曲の始まりから語彙力の限界を迎えたオタクたちの気持ちを代弁。

2番では、アニメタイトルとかけて「ドラ松ック」という言葉も出てきます。合いの手も多く、曲に合わせてファンも自分たちの愛を伝えることができるような楽曲です。

本楽曲で注目してほしいのは、2番Bメロのこの言葉。


ダメよこれからはちゃんとしなさい

アニメ「おそ松さん」の始まりからずっとそばで6つ子を見守ってきたA応P。視聴者とともに、ニート6つ子のダメダメぶりを見てきました。そんな彼女たちから最後のメッセージとして送られているこの言葉。

「私たちはここでお別れだけど、そのままじゃダメよ。これからはちゃんとしなさいね」と、大きな愛が込められた叱咤激励と捉えることができます。

YoutubeのA応P公式チャンネルでは、彼女たちがファイナルライブで本楽曲を歌唱する映像が公開。ラストの大サビの振り付けでは、今までの全てのオープニング曲のダンスが取り入れられた特別構成となっています。

ニコニコと笑顔で見守っていたファンたちを涙で溺れさせたこの場面。アニメ1期からずっとオープニング曲を担当していたA応Pにしかできない粋な演出です。

まとめ

アイドルグループA応Pが歌唱を担当したアニメ「おそ松さん」のオープニング全6曲を解説しました。

アニメ内で流れているのは1番のみですが、2番に隠されたメッセージがあったり、制作者の遊び心が見え隠れしていたりと、とても興味深いものばかりです。

気になった楽曲があれば、ぜひ曲やアニメにも触れてみてくださいね。

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