目次
グッバイ
Vo.石原の力強いボーカルで始まる『グッバイ』(1st mini album 「カントリーロード」収録)は彼らの大切な1stアルバムを締めくくる曲です。
ライブでは石原がイントロを歌い始めた瞬間に観客の手が挙がり、イントロ終わりの「グッバイバイ」という歌詞と共に手を振る光景が印象的な定番曲で、間奏で石原が叫ぶ姿もよく見られ非常に盛り上がります。
昨日までのうだつの上がらない自分に別れを告げ未来に希望を見出すという歌詞は、切なく物悲しい失恋ソングがほとんどであった当時の彼らにとっては新たな挑戦でした。
メンバー全員の総意でアルバムの最後に置く曲になったそうです。
デビュー前の苦悩が当時の石原にしか書けない鮮烈な言葉で綴られているこの曲。
《きっかけばあればなんて いつも誰かに言い訳した》という歌詞は、前述した『ゴーストバスター』の「誰かのきっかけになれば」という作詞にかける石原の思いに繋がっているのかもしれませんね。
MVなどは作られていませんが、Saucy Dogのライブに参戦する前には必ず聞いておきたい1曲です。
シーグラス
彼らの夏ソングと呼べる楽曲、『シーグラス』(4th mini album「テイクミー」収録)。
Hondaとのコラボ企画「Honda×Music バイクに乗っちゃう? MUSIC FES.」のタイアップ楽曲として作られたこの曲は、自動車メーカーとのコラボということもあり、海辺のドライブで聞きたくなる爽やかな失恋ソングです。
コラボが決まる前は部屋の中で完結する失恋ソングのつもりで、“みんなが思うSaucy Dog”を引き継いでいきたいという想いがあったそう。
そのため、ゆったりしたテンポのメロディーに部屋の情景を歌った” the Saucy Dog”という楽曲にする予定だったそうです。
そこに自動車メーカーとのコラボの話があがり、今までの“みんなが思うSaucy Dog”感を引き継ぎつつ、今までにない疾走感のあるメロディーに爽やかさを含んだ歌詞がマッチした新たな名曲が誕生したのです。
《あのね》という語り掛けから始まる特徴的な歌詞は、まるでかつて恋人同士であった2人の情景を映した映画を見ながら語りを聞いているかのような気持ちにさせられる独特のエモーショナルさがあります。
「恋人との思い出を大切に胸の奥にしまっておこう」という曲の終わりと共に、リスナーの心にもじんわりと余韻を残すような1曲です。
真昼の月
離れた場所で見守ってくれている母への想いを歌った楽曲『真昼の月』(2nd mini album「サラダデイズ」収録)。
Vo.石原が「少しこの歌詞を書くのはちょっと恥ずかしいなと思った」と語るくらい素直な母への想いが綴られており、家族と離れて暮らす人にぜひ聞いて欲しい1曲です。
夢を追って両親の元を離れたものの全くうまくいかず腐っている自分、そんな時に思い出すのは母の顔ともらった言葉の数々、うまくいかない現状を歌いながらも明るいメロディーと共に最後には母の愛を原動力に希望に昇華されるような楽曲になっています。
「近くにいるうちは大切さに気付かないし、特に若い人は素直な気持ちを伝えるのはとても難しい、だからこの曲を聞いて大切な人に会いに行ったり電話をしたりしてほしいし、大切な人を近くに感じてほしい」と石原が語っている通り、家族の大切さや両親への感謝の気持ちを改めて感じさせられます。
収録されているアルバム「サラダデイズ」は彼らが上京して活躍の幅を広げた時期に作成されたこともあり、ラブソング中心であった初期から幅広いジャンルの曲を作りはじめるきっかけになったような楽曲でもあるんです。
世の中に両親への感謝を歌う曲はたくさんありますが、この曲は令和世代に響く新たなファミリーソングとしてこれからも愛されていくことでしょう。
コンタクトケース
Saucy Dogの代名詞とも言える失恋ソングの中でもリアルな日常の情景が浮かぶ歌詞により、ひと際ストレートに曲の喪失感や切なさが伝わってくる『コンタクトケース』(2nd mini album「サラダデイズ」収録)はファンの中でも人気が高い曲です。
捨てられない空のコンタクトケース、写真を貼っていたコルクボードに無数に空いた穴、歌詞に鮮明に紡がれた家の中の情景に別れた彼女と過ごした時間を想起させられ、苦しくなる心情や喪失感が歌詞からリスナーにも痛いほどに伝わってきます。
《月》《うさぎのテール》《昔話》といった日本の昔話を思わせる言葉のチョイスもVo.石原らしく、この曲の儚さに拍車をかけており、まるで満月の夜に彼女が月に帰ってしまったかのような物語性を感じさせます。
『コンタクトケース』は『いつか』を超えるバラードが書けないと悩んでいた時に生まれた楽曲だそう。
『いつか』は「またいつか会えたら」と遠い昔を回顧しているのに対し、今でも大切な人を失った悲しみが近くにありそこから抜け出せない心情を歌う『コンタクトケース』は失恋の悲しみの真っ只中に居る人に寄り添う曲になっているのではないでしょうか。
シンデレラボーイ
最後にご紹介するのは最新アルバムに収録されている新曲『シンデレラボーイ』(5th mini album「レイジーサンデー」収録)。
YouTubeのコメントでも“Saucy Dogの新たな名曲”と言われている程、新曲にも関わらずファン人気の高い1曲です。
Saucy Dogは大半の楽曲の歌詞をVo.石原が書いており、男性目線の曲が多いですが、『シンデレラボーイ』は「一緒にいるのにもう彼は自分のことを見ていない」という切なく苦しい女性の心情を歌っています。
《好きっていわんでよ愛しても無いのに》《気づかないふりをしてそのまま騙されてあげていたの》など切ない恋愛をしたことのある女性ならば共感してしまう言葉が並び、歌詞を書いているのは男性なのになんでこんなに女性の苦しい気持ちがわかるのだろう…と不思議になるほど。
また、穏やかな歌詞が多い彼らには珍しく「死んで」などハードな言葉で女性のダークな心情が綴られていて、人間らしい歌詞がより共感を呼んでいます。
曲の構成も王道のJ-POPとは違う新鮮な盛り上がりがあるので彼らの新たな一面が垣間見える楽曲に仕上がっていますよ。
強く人を想った辛い経験がある人ならきっと胸に刺さる楽曲です。
MVは漫画家のますだみくが描いたオリジナルストーリーになっており曲の世界観により入り込めるのでぜひチェックしてみてください。
まとめ
Saucy Dogの名曲10選いかがでしたでしょうか。
彼らの楽曲全てを通して言えるのは、Vo.石原が弱さも情けなさも全てさらけ出して書く物語性の高い歌詞が彼らの人気の大きな要因であるということです。
「自らの経験からしか歌詞は書けない」と語る石原の言葉からも歌詞にかける想いが伝わってきます。
メンバー3人の音だけで構成された引き込まれるメロディーに「なぜこんなに共感できる言葉が書けるのだろう」と聞く度感嘆させられるリリック、そして力強くもきれいな歌声、3拍子揃った彼らの魅力は間違いなくこれからさらに多くの人を魅了していくでしょう。
新曲の『あぁ、もう。』は森永製菓”DARS(ダース)”とのコラボ楽曲になっており、思わせぶりな態度を取る男子に片思いする女の子の心境を描いた彼らの新境地を感じさせる楽曲です。
今後の活躍がさらに期待されている彼ら、ぜひ他の曲もチェックしてみてくださいね!
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