1997年に『硝子の少年』で鮮烈なCDデビューを果たしてから、今年で25周年を迎えるKinKi Kids。
これまでキンキは様々な音楽ジャンルの楽曲を世に送り出し、アイドルの域をはるかに超越した音楽活動を続けてきました。
本記事では、そんな彼らの楽曲作品の中から、隠れた名曲を前編・後編に分けてご紹介。
前編となる今回は、デビューから15周年まで(1997~2012年)にリリースされた楽曲から11曲ピックアップしていきます。
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目次
KinKi Kidsとは
KinKi Kidsは、1997年7月21日に1stシングル『硝子の少年』と1stアルバム『A album』の同時発売でCDデビューしたジャニーズのアイドルデュオです。
メンバーは奈良県出身の堂本剛さんと、兵庫県出身の堂本光一さんという関西コンビ。
共に1979年生まれの同級生ということもあり、本物の兄弟のように仲の良い2人は、系統の異なる美しいビジュアルも相まって、デビュー前から絶大な人気を誇っていました。
当時のジャニーズ事務所にとって、関西出身のメンバーのみで構成されたグループを結成するのも、デュオをデビューさせるのも初めての試みでした。
音楽面においても現在に至るまで高い支持を保ち続けています。
2022年7月27日には、最新シングル『Amazing Love』をリリース。
本作は、キンキのデビュー曲『硝子の少年』や『ジェットコースター・ロマンス』を手掛けた山下達郎さんが作曲を担当したことでも話題となりました。
山下さんが「今、この時代にKinKi Kidsに歌って欲しい楽曲」ということで書き下ろした鮮やかでハートフルな楽曲。キンキの2人が作詞を務め、25周年に相応しい作品に仕上がりました。
2022年8月5日に発表された「オリコン週間合算シングルランキング」では『Amazing Love』が首位を獲得。デビューシングルから45作連続で初登場1位という記録を自己更新しました。
90年代の隠れた名曲
FRIENDS
作詞:森浩美 作曲:羽場仁志 編曲:船山基紀
最初にご紹介する『FRIENDS』は、キンキの2人が主演を務めたTBS系ドラマ『若葉のころ』(1996年4月〜6月放送)の主題歌です。
このドラマは、家庭環境の異なる2人の青年が過酷な現実や思春期の複雑な感情に揺れ動かされながら、少しずつ心を通わせていくという物語。
作詞を担当した森浩美さんは、本作同様『Aアルバム』に収録された『ひとりじゃない』や、後にミリオンセラーとなった2ndシングル『愛されるより 愛したい』等を手掛けたヒットメイカー。
『FRIENDS』では、懐かしさを感じさせる言葉選びで目に見えない友情という概念をあたたかくも繊細に描き出しました。
『FRIENDS』は1997年7月21日に発売された『A album』に収録。ベスト・アルバム『39』では、ファン投票で第18位にランクインしています。
青の時代
作詞・作曲:canna 編曲:新川博
『青の時代』は、堂本剛さん主演のTBS系ドラマ「青の時代」(1998年7月〜9月放送)の主題歌です。
剛さん演じる安積リュウは幼い頃に父親を亡くした上、母親にも捨てられるという壮絶な過去を持った不良青年。
そんなリュウの葛藤や成長に同調するように、『青の時代』では青春時代の尊さや儚さが切なくも美しく描かれています。
歌詞は今にも壊れてしまいそうな”青さ”を鮮やかに切り取り、メロディーは胸に迫りくる思春期のリアルな感情を彷彿とさせます。
全体を通してソロがなく、終始2人のユニゾンで歌われたキンキ史上初の楽曲。作詞・作曲したcannaもまた、自身の1stアルバム『無人島』にてセルフカバーしています。
近年なかなかとりあげられる機会がないのですが、ぜひたくさんの人に知っていただきたい名曲です。
『全部抱きしめて / 青の時代』は、1998年7月29日に両A面でリリースされたKinKi Kidsの4thシングル。ベスト・アルバム『39』ではファン投票で第30位にランクインしています。
to Heart
作詞:久保田洋司・E.komatsu 作曲:宮崎歩 編曲:CHOKKAKU
『to Heart』は、堂本剛さん主演のTBS系ドラマ「to Heart 〜恋して死にたい〜」(1999年7月〜9月放送)の主題歌です。
堂本剛さんと深田恭子さんの共演で話題となった本作は、一途な片思いをテーマに描かれた純愛物語。
劇中で生まれた「愛はパワーだよ!!」という名台詞は大きな反響を呼び、社会現象となるほど人気を博しました。
『to Heart』はまっすぐな想いをエモーショナルに歌い上げたラブソング。特にサビのユニゾンではキンキの声の相性の良さが際立ち、何度も繰り返し聞きたくなる魅力があります。
作詞した久保田洋司さんと編曲のCHOKKAKUさんは同じ楽曲に携わることが多い組み合わせです。
これまでに堂本剛さんと国分太一さん(TOKIO)から成るユニットトラジ・ハイジの『ファンタスティポ』や、嵐の『WISH』等を後に手掛けています。
作曲の宮崎歩さんは、V6の『Feel your breeze』や嵐の『ハダシの未来』等を手掛けており、キャッチーなサビが特徴的です。
また、久保田さんと歌詞を共作したE.komatsuこと小松江里子さんは、なんと「to Heart 〜恋して死にたい〜」の脚本家。彼女は、これまでにご紹介した剛さんの出演ドラマ「若葉のころ」や「青の時代」の脚本も手掛けてきました。
このことから『to Heart』は、ドラマの作り手の意志が主題歌に込められた珍しい楽曲であることが分かります。
『雨のMelody / to Heart』は、1999年10月6日にリリースされた8thシングル。ベスト・アルバム『39』ではファン投票で14位にランクインしています。