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楽曲『Habit』の魅力
ここからは『Habit』の楽曲としての魅力を2つ紹介します。
とげとげしくも若者の背中を押す歌詞
目が覚めるような言葉の数々で聴き手を揺さぶりつつ、ガツンと背中を押すFukaseの歌詞。彼が放つ言葉の数々は聴き手の心に鋭く突き刺さり、自分で自分を縛る固定観念を壊してくれます。
楽曲タイトルが意味するのは「習性」で、歌詞の中で人間には分類したがる習性があるとする本楽曲。
たしかに何らかの形で分類してしまうことは分かりやすく、社会生活を営む上で必要な場面があるのも事実です。
しかし人間は誰しも色々な側面があり、1つの視点から単純に分類できるものではありません。
Fukaseは誰にでもその人独自の個性があると訴え、自分で自分の可能性を決めつけるなと歌います。とげとげしく挑発的な言葉が並ぶ歌詞ですが、そこにあるのは若者に向けた優しく温かな眼差しです。
Fukase自身、映画『キャラクター』での俳優への挑戦など、自分の限界を決めつけず、その可能性を広げてきました。
そんな彼の発する言葉だからこそ、『Habit』が持つメッセージは説得力をもって胸に響きます。
耳に残るサウンドとメロディ
攻撃的な歌詞が放つメッセージを届けるのが、耳に残るサウンドとメロディです。
全体のコード進行とリズムはシンプルで、洗練されたバンドサウンドが楽曲を盛り上げます。
イントロの軽やかでリズミカルなギターリフがカッコよく、ここからグッと楽曲の世界に引き込まれること請け合い。
そしてつい口ずさみたくなるのがダークで疾走感のあるメロディです。
Fukaseの表情豊かで巧みな歌唱が印象的で、中でもラップのように小気味よく韻を踏む部分には、癖になるような心地よさがあります。
サビ部分はFukaseでも噛んでしまうほど難しく、早口で畳みかけるように歌う様は爽快感抜群です。