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2000年代後半の名曲
Save As…
『Save As…』は、2005年12月7日にリリースされた32ndシングル『明日を目指して!』に収録されたカップリング曲。
作詞・作曲・編曲を手掛けたのは、久保田光太郎さん。
エレファントカシマシの『風』をプロデュースしたほか、柴咲コウ、misonoなど多くのアーティストに楽曲提供してきました。
TOKIOには『メッセージ』や『DR』といった個性的な楽曲を書き下ろしています。
「Save As」とは、日本語で「名前を付けて保存」という意味です。
本作は、過去を振り返りすぎて不安になってしまう”人間の性”にフォーカスを当てた楽曲。
歌詞の中には「過去の悲しみにとらわれずに生きていこう」というポジティブなメッセージが込められています。
1日1日を”名前を付けて保存”していくように、自分らしく毎日を更新していくことがテーマに掲げられています。
歌詞に同調するような爽やかなサウンドもこの楽曲の大きな魅力。『Save As…』は、言わば今を生きるための応援歌なのかもしれません。
Mr.Traveling Man
『Mr.Traveling Man』は、2006年2月8日にリリースされた33rdシングル。
メンバーの松岡昌宏さんが主演を務めたTBS系ドラマ「夜王〜YAOH〜」の主題歌に起用されました。
作詞・作曲を務めたのは、『Yesterday’s』でもご紹介した清水昭男さんです。
本作は野性的なカッコよさを内包しており、まさに”TOKIOならではの魅力”が凝縮されています。
『Mr.Traveling Man』というタイトルからファンタジックな世界観かと思いきや、実は現代社会に深く切り込んだ作品となっています。
殻に閉じ込めていた自分を、自身の力で解放していこうとする様が力強く描かれています。
間奏に登場する城島さんのギターフレーズも聴きどころの1つ。
ギラついたTOKIOを楽しみたい方におすすめの楽曲です。
スベキコト
『スベキコト』は、2009年8月19日にリリースされた40thシングル。『太陽と砂漠のバラ』と両A面で発売されました。
フジテレビ系で放送されていたTOKIOのトークバラエティ番組『5LDK』のエンディングテーマにも起用されています。
本作では作詞をリーダーの城島茂さん、そして作曲をキーボードの国分太一さんが担当しました。
歌詞に注目すると、英語詞と日本語詞の韻が揃えられていたり、随所にユニークな仕掛けが隠されています。
さらに興味深いのは、楽曲全体を通して音楽用語が登場する点です。
「7th」や「9th」といったコード名の他、「レットオフ」「88の響き」「ペダル踏み忘れないように」等、ピアノを思わせるフレーズが登場します。
「レットオフ」とは、ピアノの鍵盤のハンマーが素早く弦から離れるように調整できる仕組みのこと。
演奏者のパフォーマンスをより忠実に反映するためにとても大切な要素です。
これらのことから『スベキコト』は、城島さんが国分さんに敬意を表して制作した楽曲と言われています。
また、何度も登場する「Are you satisfied?」というフレーズは、酔った国分さんの口癖「お前ら、それでいいと思ってんのか?」に由来しているそう。
アウフタクトが効果的に用いられていたり、裏拍子が最後には表拍子に変化していたりと、音楽的にも遊び心たっぷりな作品に仕上がりました。
Cross Fade
同じく『太陽と砂漠のバラ / スベキコト』の通常盤から、『Cross Fade』をご紹介します。
作詞・作曲・編曲を担当したのは、『GREEN』の制作も担当したHIKARIさんです。
「クロスフェード」とは、前の音声をフェードアウトさせながら次の音声をフェードインさせる音声変換の技法を指します。
こうすることで曲の切れ目を無くし、滑らかに次の楽曲へ移行することが可能になります。
本作では人生を通して変化していく風景や、人と人との交わりを「クロスフェード」に重ねて歌っています。
様々な捉え方ができる歌詞には、哲学的な要素が隠されています。
大人になるにつれて理解できることが増えるほど物事の見え方も変化していきます。
自分と社会が融合していくという意味では、これも一種の「クロスフェード」と言えるのかもしれません。
そんな日常の中で、形を変えながらも唯一変わらず輝き続けたのが「夢」でした。
『Cross Fade』は、同じ夢を共有するTOKIOを反映した楽曲なのかもしれません。。