【沢田研二】圧倒的カリスマ|経歴と代表曲〜最初に聴くならこの5曲〜

【沢田研二】圧倒的カリスマ|経歴と代表曲〜最初に聴くならこの5曲〜

2021年にソロデビュー50周年を迎えたジュリーこと、沢田研二73歳。

なんと、この50年間毎年欠かさずライブを行い、新曲を発表し続けている驚異の現在進行形ミュージシャンなのです。

昨今の昭和歌謡ブームで、20代〜30代の若い世代にもその名を知られるようになった沢田研二ですが、

「名前は知っているけど、ヒット曲がたくさんあって何から聴けば良いか分からない」

という方も多いと思います。

そんな方のために、まずは彼の経歴と、最初におさえておきたい5曲を厳選してご紹介します!

記事を読むと、なぜ彼がカリスマと呼ばれ、吉井和哉や斉藤和義、桑田佳祐など多くのミュージシャンからリスペクトされているのかが分かりますよ。

沢田研二・経歴

プロフィール


本名:澤田研二
愛称:ジュリー(映画「サウンド・オブ・ミュージック」の主演女優、ジュリー・アンドリュースのファンだった沢田が、自ら名乗った)
生年月日:1948年6月25日
出身地:鳥取県生まれ、京都育ち
血液型:A型
デビュー当時の身長:171cm 体重:48kg
配偶者:田中裕子(女優)

GS(グループサウンズ)タイガース時代

GSすなわちグループサウンズとは、1960年代後半〜1970年代前半に日本で大ブームを起こした音楽ジャンルです。

主にビートルズやローリング・ストーンズなどの洋楽ビート・バンドに憧れ、ザ・スパイダースやザ・タイガース、ザ・テンプターズなど、たくさんの若いGSバンドが結成されました。

沢田研二は岸辺一徳らとともに、大阪でファニーズとしてバンド活動をしていたところを、故・内田裕也に見いだされ上京します。

そして1967年19歳の時にザ・タイガースのボーカリストとしてデビュー。

その端正なルックスと細身で中性的なスタイルで、女性からの圧倒的な支持を得て、ザ・タイガースは一躍人気GSバンドになったのです。

GSブームの終焉、PYG時代

GSバンドは商業的な理由から、バンド少年たちが本来やりたかったロックとは違う、歌謡曲を中心に売り出す事を余儀なくされていました。

特に沢田研二には女性のファンが多くついたためアイドル的な扱いをされていましたが、本人はその事に対して反発があったといいます。

そしてザ・タイガース解散後の1970年からは、脱GSアイドルを目指し本格的なロックを演奏するバンドPYGに参加。

PYGには他にも、元ザ・スパイダースの大野克夫、井上堯之やザ・テンプターズの萩原健一などGS界のスターが集結したため、コアなロックファンからの風当たりが強いバンドでした。

またメンバーのソロ活動などが重なり、わずか2年で自然消滅してしまいます。

1971年ソロとしてデビュー

ソロシンガーとしてデビュー後は、天性の艶っぽいボーカルにさらに磨きをかけていきます。
そして1973年の「危険なふたり」がオリコン1位となったのを皮切りに、スターとしての階段をかけ上がることに。

以降は鬼才のスタイリスト早川タケジとの出会いにより、奇抜なメイクと衣装、沢田研二の中性的な魅力を最大限に引きだすセクシーなパフォーマンスが加わり、唯一無二のオーラを放つアーティストへと進化していきました。

また、もともとミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)やジョージ・ハリスン(ビートルズ)が好きなロック少年だった沢田研二。
あくまでもバンドのボーカリストであることにこだわり、当時のシンガーとしては珍しく、テレビ局が用意したビッグバンドではなく自前のバンドで歌うスタイルを現在に至るまで貫いています。

最初に聴くならこの5曲、沢田研二の代表曲

沢田研二の数あるヒット曲の中から5曲に絞るのは難しいですが、レコード売上枚数からも黄金期と言われた1975年〜1980年を中心に、特に人気のあった曲を発売順にご紹介します。

時の過ぎゆくままに



発売年:1975年
売上枚数:91万6,000枚
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫

「時の過ぎゆくままに」という曲は、沢田研二が役者として主演したドラマ「悪魔のようなあいつ」の主題歌として制作されました。

ドラマで沢田研二が演じるのは、孤児院育ちのクラブシンガーで、男娼の顔も併せ持つ少年。
実は3億円強奪事件の真犯人で、末期の脳腫瘍を抱えながら事件の時効を待っているという役どころでした。

ドラマの世界観と曲の退廃的な歌詞がマッチし、ソロシンガー沢田研二としてのレコード売上で最高枚数を記録したヒット曲です。

サウンド面では、まるでイーグルスのホテル・カリフォルニアを彷彿とさせる、むせび泣くようなエレキギターが印象的。
バンドサウンドを歌謡曲に昇華させた、ロックと歌謡曲の融合ともいえる作品です。

作曲を担当した大野克夫は、幼少の頃から楽器に囲まれて過ごしたマルチプレーヤーで、ザ・スパイダースや、沢田研二とともにPYGにも参加していました。

また、作曲家として「太陽にほえろ」「名探偵コナン」のテーマ曲を手掛けたことでも有名です。

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この曲から大野克夫とタッグを組み、沢田研二の黄金期を築くことになる作詞家の阿久悠は、ピンクレディーや西城秀樹、尾崎紀世彦など他にも多くのアーティストを担当し、出せば売れるヒットメーカーでした。

二人の天才が組んだ最強のソングライターチームに、沢田研二の艶のある声とカリスマ性、全ての要素が見事に合致。
このチームで約4年間にわたりヒット曲を連発していきます。

勝手にしやがれ


発売年:1977年
売上枚数:89万3,000枚
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫

次にご紹介するのは、ソロ2番目のレコードセールスとなった「勝手にしやがれ」です。
この曲はオリコン1位を獲得し、同年のレコード大賞を受賞しています。

大野克夫の真骨頂である、イントロのたたみかけるようなピアノは一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。

そして歌い出しの「壁ぎわに寝返り打って 背中で聞いている」というフレーズは、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

作詞を担当した阿久悠は自身も認める映画マニアで、この歌詞のアイデアは、同名の映画の中でキザな男が無理してかっこつける姿を見てひらめいたそうです。

阿久が描きたかった「男のやせ我慢の美学」を表現できるのは、沢田研二をおいて他にはいなかったといいます。

曲中で沢田研二がボルサリーノの帽子を斜めに被り、映画のワンシーンさながらファンに向かって飛ばす伝説のパフォーマンスには、多くの女性がハートを射抜かれました。

ダーリング


発売年:1978年
売上枚数:44万8,000枚
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫

「勝手にしやがれ」の翌年に発売された「ダーリング」は、疾走感のある人気曲。

斉藤和義や、最近ではダンス・ボーカルユニットのSUPER DRAGONにもカバーされ話題になりました。

作曲者の大野克夫が「この頃はギターでガチャガチャするサウンドが好みだった」と話すように、イントロのギターリフ、歌はじまりのカッティングから後ろで鳴っているリフまで、全編にわたってかっこいいギターサウンドを聴くことができます。

沢田研二がセーラーのコスチュームで悩ましく頭を抱えながら「あなたが欲しい」と連呼するパフォーマンスは、また多くのファンの心を鷲掴みにしました。

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カサブランカ・ダンディ


発売年:1979年
売上枚数:39万枚
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫

「カサブランカ・ダンディ」は、これまでも映画からインスピレーションを受けた作品を多数発表していた阿久悠が、1942年のアメリカ映画「カサブランカ」の主演俳優ハンフリー・ボガードへのオマージュとして作詞した曲です。


ボギー ボギー
あんたの時代はよかった
男がピカピカの気障でいられた

この歌詞に登場する「ボギー」とは、ボガードのニックネーム。

阿久悠は、ボガードが演じたような「キザなやせ我慢こそがダンディズム」という、当時失われつつあった男の美学を沢田研二を通して表現していました。

また、口に含んだ洋酒を霧のように吹き出すパフォーマンスが話題となり、作曲を担当した大野克夫も「曲自体がどうこうというより、沢田研二の表情とパフォーマンスが最高だった」と絶賛しています。

TOKIO


発売年:1980年
売上枚数:33万8,000枚
作詞:糸井重里 作曲:加瀬邦彦

1980年1月1日に発表された「TOKIO」で、沢田研二はカラーコンタクトに派手なメイク、電飾付きの衣装にパラシュートを背負った奇抜すぎるビジュアルで、新しい時代の幕開けを告げました。

この曲では作詞家にコピーライターの糸井重里を起用し、当時YMOの登場により流行していたテクノポップを取り入れるなど、それまでの沢田研二の曲とは違う新しい試みが多くみられました。

と同時に、それまで10年間にわたり沢田研二のバックでギターを弾いていた井上堯之は、方向性が変化したことで「ミュージシャンとして自分が役にたてる場所はもうここにはない」と感じ、この曲を最後に担当から外れたそうです。

そして1980年代以降の沢田研二は、曲ごとに趣向を変えるなどその時どきでアンテナにひっかかる音楽を取り入れながら、自身の音楽を追求していくことになります。

まとめ

今回は、これから沢田研二の曲を聴きたい人に向けて、レコードセールスや人気と知名度の観点から、最低限おさえておきたいものだけを5曲厳選してお伝えしました。

筆者もいちファンであるため、他にもご紹介したい曲が多数ある中から5曲に絞り込むのは大変悩みました。

取り上げた曲以外にも、「サムライ」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」「おまえがパラダイス」など、名曲を挙げたらキリがありません。

この記事を読んでもっと沢田研二を知りたくなった方は、ぜひ他の曲もチェックしてみてください!

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