5lack|類い稀な才能を持つラッパーの経歴やおすすめの楽曲を紹介!

5lack|類い稀な才能を持つラッパーの経歴やおすすめの楽曲を紹介!

シーンの中でも群を抜いた才能を持つラッパー、トラックメイカーの5lack(スラック)。

心地よいビートとゆるいラップで聴く人を安心させたかと思えば、繊細でディープなトラックに哲学的な言葉を乗せて聴く人に考えるきっかけをくれます。

兄のPUNPEEをはじめラッパーのkZmKOHHなどともコラボ。8月にはFUJI ROCK FESTIVAL ’21に出場し、その実力を全国に知らしめました。

今回は5lack(スラック)のプロフィールや経歴、おすすめの楽曲を紹介します。

5lackのプロフィール


活動名義:5lack a.k.a 娯楽
本名:高田洋輔
生年月日:1987年5月6日
出身地:東京都
レーベル:高田音楽制作事務所

名前の読み方・由来

5lackは「スラック」または「ゴラック」の両方の呼び方がありますが、主にスラックと呼ばれています。

2012年頃まではS.L.A.C.K.(スラック)の表記で活動。「SLACK」という単語が、ネジを閉めたときの余裕のある部分やゆとりを指す言葉だと知り、自身が持つ雰囲気やテンションのゆるさとも繋がることからS.L.A.C.K.にしました。スラングでは「だらだらしたやつ、いい加減な」の意味で使われることもあります。

現在の表記5laskに変更したのは、頭文字「S」と数字の「5」の形が似ていたことや、人間の持つ五感や五体満足の意味も含まれているとのこと。そのほかさまざまな意味が重なり現在の名前に至ったとインタビューで話しています。

MEMO


5lackは「日本人のラッパーなのに英語の名前しかないのは不自然だ」と思い、当時ハマっていた仏教に関連して「娯楽」という名前も持つようになりました。

兄のPUNPEE(パンピー)


FUJI ROCK FESTIVAL ’21で、5lackのバックDJを担当した実兄のPUNPEE

ラッパーやDJ、トラックメイカー、サウンドエンジニアなどさまざまな肩書きを持つことから「一体何者だろう?」と気になっている方もいるかもしれません。
これまでヒップホップアーティストはもちろん、加山雄三星野源などジャンルを超えた共演を果たし、音楽シーンに多大な影響を与えた人物です。

2020年に5lackをフューチャーした「Wonder Wall」を発表。PUNPEE自身がトラックをプロデュースした同作は、兄弟愛に溢れノスタルジックな気持ちになる作品に仕上がっています。

類い稀な才能を持つ高田兄弟。それぞれの場所でそれぞれの役割を担う2人の動きに今後も注目です。

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ユニット

PSG(ピー エス ジー)


2007年に兄のPUNPEE、ラッパーのGAPPER(ガッパー)と5lackの3人で結成されたPSG

PUNPEEとGAPPERの2人によるユニット「P&G」に、5lackが加入してPSGとなりました。
PUNPEEのインスタには「5lackとGAPPERでPSGという自分勝手きわまりないグループ組んでます(現在存続してるか謎)。」と記載されています。

今後のPSGの動きが気になりますね。

SICK TEAM(シック チーム)

ラッパー、ビートメーカーのISSUGI(イスギ)と5lask、トラックメイカー、DJのBudamunk(ブダモンク)からなるユニットです。

アンダーグラウンドシーンで注目を集め、2011年に1stアルバム「SICK TEAM」、2014年に2ndアルバム「SICK TEAMⅡ」を発表しました。

Budamunkのスモーキーなトラックと、高いラップスキルを持つ5lack・ISSUGIの楽曲はコアなファンを中心に人気を誇っています。

5O(ファイブオー)


“鬼才”と呼ばれているDJ、リミキサー、プロデューサーのOlive Oil(オリーブオイル)とのユニット。
新鮮な音世界へと導いてくれるOlive Oilのビートと、核心を突く5lackのリリックが見事にはまり独創的な空気感を生み出しています。

2013年にリリースしたアルバム「50」を経て、2018年に第2弾アルバム「502」を発売。同作はパワーアップした二人の実力が顕著に現れており、ヒップホップファンだけでなく幅広い層の方が楽しめる作品です。

ファッション


Levi’sのモデルにも起用されるなど、音楽のみならずファッションも注目されている5lack。

もともとスケボーをやっていたこともあり、スケーター色の強いファッションが多い印象です。
自身が立ち上げた音楽レーベル「高田音楽制作事務所」のオフィシャルショップにて販売しているTシャツやキャップを着用しているときもあり、9月にはスケーターブランドEvisen Skateboards高田音楽制作事務所のコラボアイテムを発売。

ヒップホップやスケーターファッションが好きな方は、5lackのコーディネートやブランドをチェックしてみてはいかがでしょうか。

さまざまなアーティストとのコラボ

各シーンで確固たる実力を持つアーティストたちの楽曲に参加。
5lack自身の色はそのままに、決して概念に囚われない動きでリスナーの想像をいい意味で裏切り続けています。

ジャンルレスな世界観を持つiri(イリ)や、RADWIMPSのフロントマン野田洋次郎のソロプロジェクトillion(イリオン)など、ヒップホップシーン以外のアーティストが5lackに楽曲制作の依頼をしています。

また、実力派レゲエDeeJayのRUDEBWOY FACE(ルードボーイ・フェイス)や、レジェンドヒップホップクルーOZROSAURUS(オジロザウルス)のMACCHO(マッチョ)を客演に招いた楽曲も制作。

今後はどんなアーティストとの化学反応を見せてくれるのか楽しみです。

MEMO

レゲエでは歌い手のことを「DeeJay」もしくはシンガーと呼びます。
レコードを回し選曲・スクラッチする「DJ」とは異なるので注意!

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経歴

東京・板橋区で生まれ育った5lackが、シーンに欠かせない存在になるまでの道のりを辿ります。

ヒップホップとの出会い

音楽好きの両親の元に生まれた5lackは、幼い頃からさまざまな音楽に触れて育ちました。
小学生になった頃に兄のPUNPEEが音楽を制作しているのを見て、5lack自身も音楽制作をスタート。
PUNPEEが作ったビートにラップを乗せるなどしていくうちに、ラップにものめり込んでいきます。

中学生になるとPUNPEE率いる自主レーベルIRC(板橋録音倶楽部)で活動しながら、100枚限定のアルバム「I’m Serious(好きにやってみた)」をソロで発売。ヒップホップシーンから注目されるようになりました。

PUNPEE、GAPPER、5lackがメンバーである「PSG」結成後の2009年には、PSG初となるアルバム「David」を発売。その世界観と卓越したラップスキルで数々のラッパーやリスナーを虜にし、時代を超えて今もなお愛され続けている作品となりました。

その後、曽我部恵一の「サマー・シンフォニー feat. PSG」に参加するなど、多ジャンルから求められる存在となります。

1st〜4thアルバム発売!レジェンドから注目される

PSGの活動で波に乗っている中、2009年にソロで発売した1stアルバム「My Space」は、 RHYMESTER(ライムスター)宇多丸やZEEBRA、KREVAなどのレジェンドが高く評価し、より世間からの期待が高まりました。
10年以上経った今でも根強い人気を誇る「Hot Cake」も、実は1stアルバムに収録された曲なのです。

2009年 11月に2ndアルバム「Whalabout?」を発売。
1stから一年も経たないうちに発表したものの、その多作ぶりは止まらず2011年に3rdアルバム「我時想う愛」と4thアルバム「この島の上で」を矢継ぎ早に発表しました。

MEMO


2012年に久石譲の作品をサンプリングしたアルバム「情」をフリーダウンロードで発表。ジブリ作品を彷彿させるトラックと、5lack自身の想いが伝わる9曲が収録されているおすすめの作品です。

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拠点を福岡に移動


2013年に東京から福岡に拠点を移動した5lack。

同年にリリースしたOlive Oilとのアルバム「5O」に収録されている「愛しの福岡」からは、福岡での生活の様子が垣間見えます。

あるインタビューでは東京と福岡の距離は特に感じないと話しており、東京とは違うゆったりとした空気感を楽しんでいるようです。
また、普段からスケボーに乗る5lackにとって、スケートスポットもあり、景色も良い福岡は最高の住環境なのでしょう。
5lackにとって最高のスケートスポットは「人がいないところ」だと言います。

楽曲提供


5thアルバム「5 sence」、6thアルバム「夢から覚め。」のリリースを経て、NTTドコモによる 「2020年東京オリンピック・キャンペーンCM “Style ’20 “」に楽曲を提供。

SILENT POETSがトラック制作を務めた「東京」が2015年に地上波で放送されました。つい口ずさんでしまいそうなキャッチーな同作が、お茶の間を賑わせたことでしょう。

「KESHIKI」から繋がる「この景色も越へて」

2018年に3年ぶりのニューアルバム「KESHIKI」が発表され、空白を開けず2020年にリリースされたアルバム「この景色も越へて」。

タイトルからも想像できるように、2つのアルバムは 続編的のものになっており、変わり続ける5lack自身が体感できる作品となっています。
「この景色も越へて」に収録された「透明少女」は、5lackにとってレジェンドアーティストであるMacchoをフューチャーした一曲。
他にも90年代を彷彿させるオールドスタイルな「Grind the Brain」など、聴き手の予想をはるかに超えてくる曲ばかりです。

MEMO


5lackは2020年にドネーション・ソング「きみのみらいのための」もリリースしています。収益は困難を強いられている方や子供達への支援金として寄付されました。

FUJI ROCK FESTIVAL ’21出場


2010年にPSG(5lack・PUNPEE・GAPPER)、2018年に5lackがソロで出場したFUJI ROCK FESTIVAL

2021年も5lackがソロで出場したものの、バックDJはPUNPEEが担当したり、GAPPERが登場したりとメンバーそれぞれの活躍がうかがえるステージでした。

MEMO


2021年8月にリリースしたGAPPERの1stアルバム「明日が迎えに来ル迄」は5lackがプロデュース・総合監修しています。

他にも、2021年にニューアルバム「Title」をドロップ。限定リリースのCDは、発売前に受注したところ 開始から24時間以内に完売。渦を巻くジャケットにも注目です。

おすすめの楽曲

ここからは5lackのおすすめの曲を2曲紹介します。
つい踊りたくなるような曲を選んだのでぜひ聴いてみてください。

5lack「Hot Cake」

2009年に発売され、5lackが注目されるきっかけともなった1stアルバム「My Space」の収録曲。

太いビートに並べられたゆるやかな言葉たちが、そっと肩の力を抜いてくれます。
メロディアスなフロウが心地よいフック、唯一無二の声、リリック全てにおいて傑作だと言えるでしょう。


Who are you? 5秒前の自分にバイバイでさ
別にそんな それだけできればいいと思うけど

5lack「Weekend」

2013 年に発売されたシングル「Weekend」。

軽快に鳴り響くトラックとキャッチーなフックが印象的なこの曲は、16FLIP(ISSUGI)がビートを制作しています。

また、5lackならではの楽観的なリリックが、聴く人の心に新鮮な風を吹き込んでくれるようです。


人生正解など無いと思っていいぜ
ひでぇ目にあったりするそれも まぁいいぜ

最後に

独自の音楽性を常に追求し、ヒップホップシーンに欠かせない存在となった5lack。

心地よいトラックやフロウはもちろん、リリックに現れる5lack自身の生き方が、多くの人の心を揺らし、大切なことを思い出させてくれるのでしょう。

時代がガラリと変わり始めている今でこそ、ゆるりと肩の力を抜きながらも前に進む原動力となる5lackの曲が必要なのかもしれません。

今回紹介した楽曲以外にも、魅力的な作品が溢れているのでぜひチェックしてみてください。

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