君島大空 – 繊細な表現で描き出す美しい景色!中性的な歌声を持つ音楽家を徹底解説!

君島大空 – 繊細な表現で描き出す美しい景色!中性的な歌声を持つ音楽家を徹底解説!

ギター奏者としての高いスキルに加え、中性的で美しい歌声を持つ音楽家・君島大空(きみしまおおぞら)

多彩なジャンルの音楽にルーツを持つ君島が作り上げた繊細な楽曲は、聴き手に極上の音楽体験を味わわせてくれます。

本記事では君島大空のプロフィールや経歴を紹介。彼が放つ魅力に迫ります。

君島大空とは?

  • 誕生日:1995年1月18日
  • 出身地:東京都

君島大空は2014年から本格的に音楽活動を始めた、シンガーソングライターであり、ギタリスト

多彩なアーティストの元でサポートギタリストとして活躍し、自身でもソロライブを行ってきました。

自身の楽曲について、自分の力で作り上げることにこだわりを持つ君島。2021年までに発表した3枚のEPは、全て君島がセルフプロデュースを行っています。

他アーティストからも注目を集めており、なかでもシンガーソングライターの崎山蒼志は君島を尊敬するアーティストとして挙げました。

MEMO

2018年に崎山が君島の楽曲をTwitterで絶賛し、それ以降2人は親交を深めていきます。

崎山の楽曲『潜水(with 君島大空)』では君島との共作が実現しました。

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君島大空の経歴

ここからは君島の経歴を辿ります。

ギターとの出会い

君島が音楽を始めたのは子供の頃。フォークソング好きの父親にギターを買ってもらったのがきっかけです。

MEMO

父親がトム・ウェイツの音楽を聴いていた影響で、トムの楽曲に参加していたマーク・リーボウは、後に君島の大好きなギタリストとなりました。

ギターの練習はしていたものの、当時はギタリストを目指そうとは考えていなかった君島。

そんな中、君島は中学生の頃に「スーパー・ギター・トリオ」と称される3人のギタリスト(アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア)が参加した作品と出会い、衝撃を受けます。

ギタリストへの憧れを抱いた君島は、突き動かされるかのようにギターの練習にのめり込みます。

MEMO

ヘヴィメタルに熱中し、ギターテクニックをコピーした時期を持つ君島。プログレッシヴ・メタルバンドとして名を馳せるドリーム・シアターなどを好んで聴きました。

高校1年生の頃には福生(東京)のライブハウスに通い始め、ギターを演奏するように。この時に現King Gnuのベーシスト・新井和輝と出会い、親交を深めます。

ギタリストとしての活躍

2014年から君島は本格的にギタリストとしての活動を開始。名だたるアーティストのサポートを務め、ギター奏者としての本領を存分に発揮します。

サポートの際、君島は歌に寄り添いつつ空間を広げることを意識して、ギターを演奏してきました。

君島がサポートを務めたアーティストの例

  • 高井息吹
  • 坂口喜咲
  • 吉澤嘉代子

なかでも高井息吹は、君島がソロ活動をする前からの長い付き合い。

高井のバンドセット「高井息吹と眠る星座」のメンバーとして、君島は欠かせない存在となっています。

MEMO

新井和輝も同バンドにベースとして参加。

2014年には音楽共有サービス・SoundCloudに、自身で多重録音を行って制作した音源の投稿も開始。

その活動は1つの枠におさまらず、他アーティストに楽曲提供をしたり、映画『離れても離れてもまだ眠ることを知らない』の音楽を担当したりと、多彩な活躍を見せます。

MEMO

・adieu(上白石萌歌)『春の羅針』(2021年4月):作詞作曲を君島が手がけた楽曲。

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・中村佳穂『Hank』(2022年2月):君島がゲストミュージシャンとして参加した楽曲。

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CDデビュー

デビュー前からギタリストとして異彩を放っていた君島。

サポートギタリストとして活躍しながらも、君島は「自分の名前が永遠に残る、名刺のような作品を作りたい」という思いを抱くようになっていきました。

その後、君島は自身の楽曲制作を本格化させていきます。

2019年3月13日にはデビューEP『午後の反射光』を発売。

同EPは、君島が作詞・作曲・編曲・演奏・歌唱を担当し、多重録音で制作したもの。

デビュー作とは思えないほど完成度が高く、君島の描く美しい世界に心を揺さぶられる珠玉のEPとなりました。

MEMO

収録楽曲には、君島が影響を受けたと語るジム・オルーククリスチャン・フェネスの音楽の匂いも感じられます。


合奏形態

高井息吹のバンドなどでギターを演奏しつつも、自身の音楽活動では弾き語りのソロライブをメインに行ってきた君島。

そんな君島が、デビュー後に気心の知れたメンバーとバンド形式で楽曲を披露したのが「君島大空 合奏形態」です。

合奏形態には先に触れた新井を含め、日本の音楽シーンを賑わせるプレイヤーが集結。

  • ドラム:石若駿
  • ベース:新井和輝
  • ギター:西田修大

自身が率いるプロジェクト「Answer to Remember」を初め、millennium paradeのメンバーなど精力的な活躍が光るドラマーの石若駿

中村佳穂BAND、石若の「SONGBOOK PROJECT」などでギタリストとして活動する西田修大

音楽を楽しむ精鋭たちが集まった合奏形態では、毎回その瞬間にしか出せない演奏が繰り広げられ、見る者を楽曲の世界へと引き込みます。

合奏形態の初披露は、2019年4月19日に開催の「君島大空 1st EP発売記念夜会『午後の反射光』」

当初は一度だけのつもりだった君島ですが、4人での演奏が楽しくなり、何度となく合奏形態でのライブを行うように。

MEMO

2019年7月開催の「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」では、新人アーティストの登竜門「ROOKIE A GO-GO」ステージに、君島が合奏形態で出演。

名プレイヤー4人の化学反応による圧巻のパフォーマンスが観客を魅了しました。

その後も弾き語りや楽曲発表などを行いながら、君島は精力的に音楽活動を続けていきます。

純度の高い音楽を追い求めて

2020年に入ると新型コロナウイルス流行の影響が音楽業界にも及びます。

そんな中、同年6月には君島が羊文学のボーカル・塩塚モエカと共に、シンガーソングライター・七尾旅人の代表曲『サーカスナイト』のカバーを配信。

高校生の頃から知り合いの2人が完成させた同曲は、柔らかく響く塩塚の歌声に君島のギターと声が重なり合い、聴き手の心を優しく包み込んでくれました。

MEMO

七尾は君島に影響を与えた音楽家の1人。お互いに共鳴する部分を持つ2人は、後に音楽イベントで共演を果たしました。

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それ以降もオンラインライブやシングルの発売を初め、君島の活動は勢いを増していきます。

2020年11月には2枚目のEP『縫層』を発売。本作に収録された、轟音を響かせる『笑止』は、合奏形態のメンバー全員が参加する初めての楽曲となりました。

そして翌2021年4月には3枚目のEP『袖の汀』を発売。自宅で作られた本作で光るのは、自在に姿を変えるガットギターの演奏と、自然な状態で歌唱する君島の歌声。

海を近くに感じさせる本作には、疲れた心を癒してくれるかのような優しさがあります。

自分が救われるような音楽を作ることが、他の誰かを救うことにも繋がればと考える君島。

音楽と真摯に向き合い続ける彼の活躍から今後も目が離せません。

君島大空の魅力

ここからは君島が放つ魅力を2つ紹介します。

中性的で透き通るような歌声

君島の楽曲で異彩を放つのは、一聴しただけでは性別を特定できない、中性的で透き通るような歌声

加えて、ささやくような歌い方が儚く繊細な印象を楽曲にもたらします。

君島が歌う際に意識しているのは、性別を感じさせないこと。

自然な形でサウンドと溶け合う歌声は、聴き手の心の奥底にまで優しく届きます。

美しい瞬間を再現した楽曲

君島が作ろうとしているのは、「まぶたの裏に映像が浮かんでくるような音楽」。言葉にするには難しい景色を、君島は楽曲で再現しようと試みています。

彼の楽曲は、どこか懐かしい感覚を呼び起こすのに加え、体温までも伝わってくる点が魅力的です。

MEMO

情報量が多い君島の楽曲では、息遣いや環境音など偶然録れた音が入っているのも特徴。

また君島は、シュルレアリスムやコラージュに影響を受けており、それらが楽曲制作にも反映されています。

なかでもコラージュ作家・岡上淑子を好み、自身でも異なる要素を組み合わせたコラージュ作品を作る君島。

彼の楽曲ではロックやポップスなど多彩なジャンルの音楽が顔を出します。複雑なサウンドながら、しっかりと1つの作品として完成されているのが印象的です。

MEMO

自身でCDジャケットのアートワークも手掛けており、EP『午後の反射光』のジャケットには、君島が写真を切り貼りしたコラージュが使用されました。


そして情報量の多さでは、選び抜かれた言葉で丁寧に紡がれた歌詞も見逃せません。

言葉の響きが気持ちいい歌詞は、君島の歌声と合わさることで、聴き手の眼前に淡い光を帯びた情景を映し出してくれます。

君島大空のおすすめ楽曲3選

ここからは君島のおすすめ楽曲を3つ紹介します。

遠視のコントラルト

EP『午後の反射光』収録の楽曲で、ドラムの演奏は石若駿が担当しています。

音楽が嫌になるほど辛い時期を経験した君島。そんな彼が、自分にとって大切な瞬間を楽曲にすることで救われたと語るのが本作です。

君島の個人的な思いを形にした本作は、多くのリスナーの心に響くこととなりました。

アコースティックギターやエレキギターが複雑に絡み合った重厚なサウンド。切ない感情を呼び起こすメロディー。美しい言葉で丁寧に紡がれた歌詞。

全ての要素が絶妙なバランスで構成された本作は、カッコよさと繊細な美しさを併せ持ちます。

MEMO

コントラルトとは「女声の最低音域」のこと。楽曲では儚さと共に力強さも備えた君島の歌声が光を放ちます。

火傷に雨

2020年7月に配信されたシングル。ドラムを石若駿、それ以外の演奏を君島が担当しています。

全身に響く激しいサウンドに、心に降り続ける雨を想起させる歌詞と、空間を震わす君島の歌声が見事に合わさった本楽曲。

サビでは君島の綺麗な歌声が気持ちよく、まるでシャワーのように降り注ぎます。

曲の最初と最後では、しとしとと降る雨音が印象的。聴き終わった後にしばらく余韻に浸りたくなる楽曲です。

向こう髪

EP『袖の汀』に収録された、歌とギターの音色が心地よく響くシンプルで美しい楽曲。

本作は君島がレコーディングの際に、ギターの演奏が難しく感じたと語る1曲であり、リズミカルで優しいギターの音色が優しく心に染み入ります。

なかでも、まるで身体の一部であるかのように弦を弾く流麗なギターソロは必聴です。

君島の穏やかで艶のある歌声、そして幾つもの情景が立ち現れる歌詞が印象的で、聴く者を美しい楽曲の世界へと誘います。

歌う際には笑うことを意識する君島。本楽曲では全体を通して多幸感に包まれ、まるで夢を見ているかのような気持ちにさせられることでしょう。

最後に

表現力豊かなギター、切なさをはらんだ歌声、独自の表現が光る歌詞。

1曲1曲に強いこだわりを持って君島が生み出す楽曲には、何度も味わいたくなる魅力があります。

次はどんな楽曲で私たちを魅了してくれるのか、今後の君島の動向にも要注目です。

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