高校生の頃に出演したテレビ番組で圧倒的な歌声を披露し、その名を全国に轟かせた鈴木瑛美子(すずきえみこ)。
歌手、シンガーソングライター、ミュージカル女優といった異なる顔を持つ彼女は、旺盛な創作意欲と精力的な表現活動で唯一無二の輝きを放ちます。
本記事では鈴木瑛美子のプロフィールや経歴を紹介。彼女が持つ魅力に迫ります。
目次
鈴木瑛美子とは?
- 誕生日:1999年5月16日
- 出身地:千葉県
ソウルフルな歌唱で聴き手の心を揺さぶる鈴木瑛美子。
幼い頃から音楽に慣れ親しんだ彼女は、家族と共に歌ってきたゴスペルにルーツを持ちます。
加えて姉の影響で、鈴木は洋楽をはじめとした幅広いジャンルの音楽を吸収してきました。
そんな彼女が大好きな存在として挙げるのは、クリスティーナ・アギレラなど力強い歌声の際立つ歌手。
鈴木が磨き上げた歌声には、そうした歌手たちの影響が強く感じられます。
地声だけで3オクターブを越える鈴木。これは地声で十分にハイトーンの楽曲を歌いこなせる音域の広さです。
また鈴木は、カメラ、映画鑑賞、絵など多くの趣味を持ち、その全てを仕事にしたいと語ります。
表現することに並々ならぬ情熱を燃やす彼女は、まさに1人の表現者と言えるでしょう。
「スギモト☆ファミリー」として家族4人での音楽活動も行う鈴木。
2017年12月には「スギモト☆ファミリー & The Best Friends」名義で、ゴスペルアルバム『喜びあふれる』を発売しています。
鈴木瑛美子の歩み
ここからは鈴木の歩んだ道のりを辿ります。
子供の頃から身近にあった音楽
心から歌うことを楽しむ姿が印象的な鈴木。
音楽一家に生まれた彼女は、子供の頃から音楽が身近にある環境で育ち、家族と共にステージで歌う経験をしてきました。
作曲家である父親の力を借り、鈴木が初めて作詞作曲をしたのは7歳の頃。その後は記念日などに、身近な人に向けた楽曲を制作。
一方で何か特別な教育を受けたことはなく、自分で試行錯誤する中で、鈴木は現在の歌唱力を身に付けます。
徹底的に研究したのは、ジェニファー・ハドソンなど多彩なアーティストの歌い方。口の開き方や声の出し方など全てを自身に取り入れ、鈴木はその歌声を磨いてきました。
なかでもジェニファーが出演する映画『ドリームガールズ』は、彼女にとって歌の先生とも言える存在です。
全国的な知名度を獲得したテレビ出演
歌うことは好きだったものの、中学・高校時代はバレーボール部の活動に勤しんできた鈴木。
歌に対して向き合う姿勢が変化したのは、高校1年生の頃でした。
2015年7月に「全国ゴスペルコンテスト(ゴスペル甲子園)」に出場した鈴木は、ステージ上で場の空気を一変させるほどの歌声を披露。
大勢を前にして1人で歌うのは初めてだったものの、ボーカル部門で最優秀賞を受賞します。
そして彼女の存在を多くの人に知らしめたのは、2016年9月放送のテレビ番組「関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王NO.1決定戦」への出演です。
番組内でパワフルな歌声を披露した鈴木は、プロの歌手からも高い評価を獲得。「最強ゴスペル女子高生」として全国的に注目を集めます。
同番組への出演が反響を呼び、2017年2月には湖池屋「KOIKEYA PRIDE POTATO」のTVCMに出演した鈴木。
ポテトチップスを片手に持ち、女子学生が熱唱する姿は、視聴者の目に鮮烈な印象を焼き付けました。
幅広い舞台で圧倒的な歌声を披露
その後も鈴木の勢いは止まることはなく、さらに多くの舞台で歌声を披露していきます。
- 「日本元気プロジェクト2017 スーパーエネルギー!!」で『男は大きな河になれ~モルダウより~』(さだまさしの楽曲)独唱
- 『FINAL FANTASY XV オンライン拡張パック:戦友』の主題歌『Choosing Hope』歌唱
- 「WBA世界ミドル級タイトルマッチ」村田諒太VSアッサン・エンダム戦で国歌独唱
また2017年7月には、音楽レーベル「LINE RECORDS」第1弾シンガーとして絢香の『みんな空の下』のカバーをリリース。
以降も自身にとって思い入れの深い2曲を、鈴木はカバーしました。
2018年に高校を卒業した鈴木は、今まであまり歌うことのなかったアップテンポの楽曲に出会います。
それが映画『恋は雨上がりのように』の主題歌であり、神聖かまってちゃんの楽曲をカバーした『フロントメモリー』。
音楽プロデューサーの亀田誠治がプロデュースを手掛けた同曲は、軽やかなメロディと鈴木の変幻自在の歌声が眩しく、爽やかな青春ソングとして映画に彩りを添えました。
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メジャーデビュー
高校在学中から飛ぶ鳥を落とす勢いで、音楽活動を続けてきた鈴木。
将来的に歌の道に進めたらいいなと考えながらも、本気で仕事にしようと決めたのは大学進学後のことでした。
転機は、鈴木が観客として訪れた、友人の歌手・大原櫻子のコンサート。
ファンの前で楽しげに歌う大原の姿を観て心を動かされた鈴木は、歌手を目指す覚悟を決め、本格的にデビューに向けた活動を開始します。
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そして、2019年8月28日に鈴木はシングル『FLY MY WAY / Soul Full of Music』でメジャーデビュー。
自身が作詞作曲を務めた本作には、当時の鈴木が持っていた全ての技術がこれでもかと詰め込まれました。
20歳になった鈴木は名刺代わりとも言えるシングルを携え、ソロアーティストとしての一歩を踏み出します。
ミュージカルへの挑戦
子供の頃に初めて観たミュージカルで、涙を流すほど感動した経験を持つ鈴木。
これまでも歌の表現をしてきた彼女は、いつか自身もミュージカルに挑戦してみたいと考えていました。
そして2020年3月の『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』への出演を皮切りに、鈴木はミュージカルの世界に活躍の舞台を広げています。
- 『RENT』モーリーン役
- 『PARTY』主人公・ユリ役
- 『ジェイミー』ベックス役
声の出し方をはじめ、アーティストの時とは異なる表現をする必要があるミュージカル。
鈴木は演じることの楽しさを感じており、今後もミュージカルを続けたいと語ります。
こうした場での学びはアーティスト活動にも好影響を与え、鈴木の表現の幅を広げました。
表現者としての更なる飛躍
色々な音楽ジャンルへの挑戦に意欲を燃やし、自身の可能性を広げることを考える鈴木は、自作曲だけの歌唱にこだわりません。
2020年10月に発表した配信EP『After All』は、収録曲全てが他者からの提供であり、ここで鈴木は歌手に徹しています。
今作で彼女が力を注いだのは、提供曲の魅力を最大限に表現すること。
EPには表題曲の壮大なバラード『After All』(※亀田誠治プロデュース)からアップテンポなナンバーまでバラエティ豊かな顔ぶれが並び、楽曲に応じて絶妙に色を変える鈴木の歌唱が光りました。
同EPは2020年11月9日付のオリコン週間デジタルアルバムランキングにて8位を獲得。
2021年11月には、作詞家・松本隆の作詞活動50周年記念イベント「風街オデッセイ2021」(日本武道館で開催)に鈴木が出演し、薬師丸ひろ子の『Woman “Wの悲劇”より』と松田聖子の『瞳はダイアモンド』を歌唱。
時代を彩った名曲たちを情感たっぷりに歌い上げる鈴木のパフォーマンスは、イベントに集まった多くの観客を魅了しました。
ちなみに鈴木の母親・広田恵子は、1987年に松本が監督した映画『微熱少年』に出演した経験を持ちます。
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そして2022年3月30日に待望の1stアルバム『5 senses』を発売する鈴木。
新たな楽曲を披露する度に表現力に磨きをかけ、飛躍し続ける彼女から目が離せそうにありません。
鈴木瑛美子の魅力
数え切れない魅力を持つ鈴木。ここからはそんな彼女の魅力を2つ紹介します。
心の奥底にまで響く歌声
彼女の歌声には、聴き手の心の奥底にまで響き、様々な感情を呼び起こす力があります。
先にも触れたように、鈴木は自分で試行錯誤をしながら、その突出した歌声を獲得してきました。
大音量の伴奏にも負けないほどの豊かな声量、低音から高音まで自在に行き来する音域の広さ、楽曲に込められたメッセージを真っすぐ届ける確かな表現力。
磨き上げられ、そして今なお進化する歌声は、唯一無二の魅力を放ちます。
シンガーソングライターの大黒摩季は自身の公式YouTubeチャンネル内で、鈴木について「気持ちが響きに変わる技術がある」と絶賛。
原曲へのリスペクトに満ちたカバー
その高い歌唱力で、数多くの名曲をカバーしてきた鈴木。
2020年5月に自身の公式YouTubeチャンネルを開設した彼女は、同年6月に楽曲『Some Nights』をアカペラでカバーした動画を公開します。
ミュージカルドラマ『glee』でフィーチャーされて話題を呼んだ、ロックバンド・FUN.の楽曲。
本動画は、鈴木1人で全てのパートを歌唱するという驚きの内容となりました。
これ以降も鈴木は多彩な楽曲をカバーした動画の公開を継続。原曲に敬意を表しつつ、アカペラや他のアーティストとのコラボなど、鈴木は楽曲に応じて異なる表現に挑戦しています。
- Official髭男dism『115万キロのフィルム』
- LiSA『紅蓮華』
- 藤井風『きらり』
なかでもSuperflyの『愛をこめて花束を』は、鈴木が『関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王NO.1決定戦』で歌唱した、なじみ深い楽曲。
アコースティック編成による落ち着いた伴奏の中で、鈴木の美しく伸びやかな歌声が力強く響き渡ります。
公式YouTubeには、鈴木の歌声が光るカバーが盛りだくさんなので要注目です。
鈴木瑛美子のおすすめ楽曲3選
ここからは鈴木のおすすめ楽曲を3つ紹介します。
Soul Full of Music
デビューシングルのカップリング曲で、鈴木が作詞作曲を担当。
パワフルな歌い出しに度肝を抜かれる本作は、鈴木が自己紹介的な楽曲だと語るように、彼女自身の思いを素直に表現した楽曲となりました。
インタビューにおいて色々なことに挑戦してみたいと語る鈴木。そうした主張が英語詞も使って、真っすぐ聴き手の心を射抜きます。
そして忘れてはならないのが、サックスやトランペットなどを用いたビッグバンドの存在。あらゆる場面で大人の雰囲気を漂わせるサウンドが強い印象を残します。
タイトルにあるように、まさに鈴木のソウルに満ち溢れた楽曲です。
kIng
2021年放送のTVアニメ『キングダム』第2クールのエンディング主題歌に起用された楽曲であり、鈴木にとって初のアニメ主題歌。
プロデュースを手掛けたのは、TVアニメ『進撃の巨人』などの劇伴を手がける澤野弘之。澤野が作り上げた壮大な楽曲を、鈴木は伸びやかな歌声で力強く繊細に歌い上げます。
人生の中では壁にぶつかることもあるでしょう。そうした事柄も、全て力に変えて自分の道を突き進む意志が本楽曲には感じられます。
鈴木のエネルギーに満ち溢れた歌声が力強く背中を押し、何度でも立ち上がる勇気をくれる楽曲です。
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カナリアの歌
シンガーソングライターのアンジェラ・アキが作詞作曲を務めた楽曲。
物語性の高い歌詞と美しいメロディーが光る本作では、1つ1つの言葉に感情を込める鈴木の歌唱が、聴き手の心に迫ります。
特に、2番の歌詞にある<Ah~>の歌唱はアンジェラが「鳥肌が立つほどの衝撃を受けた」と語るほど。微妙な感情の揺れ動きが凝縮された鈴木の表現に是非注目してください。
解釈の余地を残した歌詞では、聴き手次第で異なる捉え方が出来る点も魅力。
MVのように親子の物語としてはもちろん、自分自身と向き合う物語としても捉えることができます。
楽曲を聴くうちに、こらえきれず涙してしまうこと必至の名バラードです。
最後に
歌手、シンガーソングライター、ミュージカル女優など全てにおいて、高い熱量をもって取り組む鈴木。
表現活動を心から楽しむ彼女の姿は、見る者に活力を与えてくれます。
鈴木が挑戦を続ける先に見据えるのは、世界。将来的に世界的な表現者として活躍する姿に期待が膨らみます。