澤野弘之(さわの ひろゆき)は、多くの賞を受賞してきた日本の音楽家であり、ボーカリストに重点を置いた自身のプロジェクト「nZk」を立ち上げる、プロデューサー兼アーティストでもあります。
この記事では、
- 「澤野弘之の経歴やプロフィールが知りたい」
- 「澤野弘之が手掛けたおすすめの楽曲が知りたい」
- 「澤野弘之のプロジェクトnZkについて知りたい」
と思っている方に向けて、「澤野弘之の活動や経歴について」ご紹介します。
目次
経歴
澤野弘之は、作曲家・編曲家・作詞家として、これまで多くのドラマやアニメ、さらには映画作品に携わってきています。
ジャンルは、ボーカリストを起用した楽曲以外にも、劇伴も多く制作しており、これまで数々の賞を受賞しています。
また、澤野弘之はピアノが演奏でき、久石譲などに影響されたことから、インストゥルメンタル系の楽曲も多く制作しています。
澤野弘之は、日本でも指折りの音楽家でありつつ、自身のファンクラブやYouTubeチャンネルまでも開設する、個人のアーティストとしても活動しています。
また、澤野弘之は、「初心を忘れない大人でありたい」という信条を持っているとのことなので、これまでのアグレッシブな活動や受賞歴は、この信条が大きなモチベーションとなり、結果に結びついたのでしょう。
それでは、澤野弘之がこれまで獲得してきた、主な受賞歴をご紹介します。
- 2006年7月:第49回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞の音楽賞を受賞(医龍)
- 2006年10月:第50回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞の音楽賞を受賞(タイヨウのうた)
- 2013年10月:ニュータイプアニメアワード2013のサウンド賞で1位入賞(進撃の巨人)
- 2014年3月:第29回日本ゴールドディスク大賞を受賞(機動戦士ガンダムUC COMPLETE BEST)
- 2014年3月:アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞
- 2014年3月:東京アニメアワードフェスティバル2014の音楽賞を受賞
- 2014年10月:ニュータイプアニメアワード2014のサウンド賞で1位入賞(キルラキル)
- 2015年3月:東京アニメアワードフェスティバル2015で音楽賞を入賞
- 2015年5月:2014年度JASRAC賞で銀賞を獲得
- 2015年10月:ニュータイプアニメアワード2015のサウンド賞で1位入賞(アルドノア・ゼロ)
- 2016年10月:ニュータイプアニメアワード2016のサウンド賞で1位入賞(甲鉄城のカバネリ)
- 2017年3月:東京アニメアワードフェスティバル2017の音響・パフォーマンス賞を受賞
- 2017年10月:ニュータイプアニメアワード2017のサウンド賞で5位入賞(進撃の巨人Season2)
- 2019年10月:ニュータイプアニメアワード2019のサウンド賞で3位入賞(プロメア)
澤野弘之は、人気ドラマである医龍の劇伴を担当し、2006年に音楽賞を受賞したことで、一気に知名度と注目度が上がりました。
その後は、「機動戦士ガンダム」や「進撃の巨人」、「キルラキル」などの人気作品を次々と手掛け、今では日本有数の音楽家にまで登り詰めました。
また、澤野弘之は、自分が手掛けた音楽に関して、「澤野弘之」が作曲したことを意識してもらえるような作曲家になりたいと語っています。
これらの受賞歴を考えると、その夢も叶えられているのではないでしょうか。
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プロフィール
間もなく放送!
ライブから1ヶ月半経つんですね。
改めて自分にとって忘れられないライブとなりました。
是非ご覧頂ければ幸いです!! https://t.co/FlqFJVqqky— 澤野弘之 [nZk] (@sawano_nZk) March 30, 2021
- 生年月日:1980年9月12日
- 事務所:VV-ALKLINE
- 職業:作曲家、編曲家、作詞家
澤野弘之は、1980年生まれなので、2021年現在は41歳を迎えています。
幼いころからピアノを弾き始めていましたが、その当時は特に音楽家への興味関心はなかったそうです。
ですが、中学校に入学し、その頃にチャゲ&飛鳥の音楽を聴いて、音楽で人を感動させることに魅力を感じたことをきっかけに、音楽家への道を志すことになります。
その後、高校生になると、小室哲哉の音楽に興味を持ち、作曲を始めることとなります。
そして、本格的に作曲家として活動していくために、17歳からは「坪井伸親」に師事し、作曲や音楽理論などの知識を学んでいきます。
作曲を学んでいく過程で、久石譲や坂本龍一などの影響を受け、次第にインストゥルメンタルの世界へ興味がシフトしていきます。
澤野弘之の学生時代を見てみると、幼いころに感じた憧れを、憧れで終わらせず、「現実のものにする」ために、真っすぐに音楽に打ち込んでいる印象を受けます。
このメンタリティは、プロとなった澤野弘之の受賞歴からも、しっかりと引き継がれていることが分かりますね。
プロとして活動を始め、数々の作品に携わっていく中で、2017年に所属していた「Legendoor」との契約が終了し、2017年7月3日からは、現在の「VV-ALKLINE」に移籍することとなりました。
澤野弘之のプロへの信念
澤野弘之は、才能はもちろんありましたが、作曲家のプロになるために、下積み時代も経験し、多くの努力を重ねてきました。
作曲の勉強を進めていく中で、プロになるためには、どこかしらの事務所に所属する必要があり、澤野弘之は、片っ端から音楽事務所に自主音源を送り続けました。
その結果、ようやく音楽業界に携わるキッカケを獲得します。
ですが、最初に所属した事務所では、自分が制作したい映像音楽の仕事は全くなく、自分の意志とは違う仕事をしていたそうです。
そんな経験からか、澤野弘之は、「アマチュアの若い頃に大事にしていた、青臭い理想や信念は大事にしていきたい」と語っており、作曲家という仕事への執念やプライドが感じられます。
また、今後はライブや楽曲制作の活動の幅を広げたいとも語っていますので、これからの活動も、この澤野弘之の信念を元に、理想の作品をクリエイションしていくと思われます。
nZk(ヌジーク)について
澤野弘之は、ボーカルを起用しての楽曲も制作していましたが、これまで以上にボーカルに重きを置いた楽曲を制作するため、「nZk」というプロジェクトを2014年に始動させました。
このプロジェクトでは、これまで多くの大物アーティストが参加していますので、その一部をご紹介します。
- Aimer
- mizuki
- SUGIZO
- スキマスイッチ
- LiSA
- 西川貴教
- 優里
- 岡野昭仁(ポルノグラフィティ)
また、これまでに10枚のシングルと4枚のアルバムをリリースしており、各配信フォームでは、ランキング上位を獲得することもありました。
nZkが制作してきた楽曲の、大まかなリリース経歴は以下の通りです。
- 2014年9月10日:1stシングル「A/Z|aLIEz」をリリース
- 2015年2月4日:2ndシングル「&Z」をリリース
- 2015年5月20日:3rdシングル「X.U.|scaPEGoat」をリリース
- 2015年9月9日:1stアルバム「o1」をリリース
- 2016年6月29日:4thシングル「Into the Sky EP」をリリース
- 2016年7月8日:デジタル1stシングル「CRYst-Alise EP」をリリース
- 2016年12月30日:デジタル2ndシングル「e of s EP」をリリース
- 2017年6月28日:5thシングル「gravityWall/sh0ut」をリリース
- 2017年9月20日:2ndアルバム「2V-ALK」をリリース
- 2018年4月25日:6thシングル「Binary Star/Cage」をリリース
- 2018年11月28日:7thシングル「narrative/NOISEofRAIN」をリリース
- 2019年3月6日:3rdアルバム「R∃/MEMBER」をリリース
- 2019年10月2日:8thシングル「Tranquility/Trollz」をリリース
- 2020年7月29日:9thシングル「Chaos Drifters/CRY」をリリース
- 2021年3月3日:4thアルバム「iv」をリリース
- 2021年6月9日:10thシングル「Avid/Hands Up to the Sky」をリリース
2014年に第一プロジェクトとして、「機動戦士ガンダムUC」への楽曲提供を行い、ボーカリストに、若者を中心に人気を誇る「Aimer」を起用したことでも注目を集めました。
また、澤野弘之はこれまでの楽曲では、作詞までを担当することは少なかったですが、nZkプロジェクトでは、作詞も含めプロデュースすることが多いのも特徴の1つです。
そのため、昔から澤野弘之の活動を追っている方にとって、作詞まで手掛けたnZkの楽曲は、レアリティの高い楽曲として、楽しむ事ができるでしょう。
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おすすめの楽曲
澤野弘之は、これまで数々の楽曲をリリースしていますが、その中からおすすめの楽曲をいくつかご紹介します。
TRACER
TRACERは、今話題になっている、映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の劇中歌で、作曲は澤野弘之が担当し、作詞はBenjamin & mpiが担当しています。
また、今回澤野弘之はピアノも担当しているので、MVでは演奏している姿が見られます。
基本的には、4つ打ちのキックが特徴的なダンスミュージックテイストに仕上がっており、非常に聞き心地の良い楽曲です。
また、ボーカルありきのBメロがないため、洋楽的な印象を受けます。
サビに入ると、一気に爆発するような爽快感やワクワク感があるので、何度も聞きたくなるような1曲です。
さらに、楽曲のハイハットやリバースシンバルの質感は、まさに「澤野弘之が手掛けた音楽」という印象を受けますので、澤野弘之サウンドを体感したい方におすすめの楽曲です。
膏(あぶら)
膏(あぶら)は、2021年に発売されたnZkの4thアルバム「iv」に収録されている楽曲で、作曲は澤野弘之が担当し、作詞とボーカルは岡崎体育が担当しています。
イントロのフレーズがかっこ良く、全体を通して自己啓発させるような歌詞が散りばめられているのが特徴的です。
そんな歌詞と岡崎体育の声が相まって、聴いていると沸々と闘志がみなぎってくるような感覚を覚えます。
最後には、大勢で歌う箇所があるので、ライブなどでも観客を交えて盛り上がれる楽曲となっています。
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Avid
Avidは、2021年4月に放送されたテレビアニメ「86―エイティシックス―」のWエンディングテーマとして起用された楽曲です。
作曲は澤野弘之が担当し、作詞はcAnON.が担当しています。
全体的にダークな雰囲気で、1番のサビに入っても、グッと盛り上がるのではなく、静かに展開されていく構成がたまらない1曲です。
また、ボーカリストにはmizukiを起用し、mizukiの透き通る声が、楽曲と非常にマッチしている印象です。
さらに、リアルな質感を持つ音源に加え、サビで不規則に刻まれるスネアドラムが、楽曲のダークさや、どうしようもない闇を演出しているように感じます。
Chaos Drifters
Chaos Driftersは、2020年に放送されたテレビアニメ「ノー・ガンズ・ライフ」の、第2期オープニングテーマとして起用された楽曲です。
作曲は澤野弘之が担当し、作詞とボーカルは、MAN WITH A MISSIONのJean-Ken Johnnyが務めています。
前の2つの楽曲に比べて、ドライブサウンドに仕上がっており、MAN WITH A MISSIONらしい力強い歌声と、非常にマッチしています。
また、楽曲全体に少しEDMテイストを感じ、歌詞の語感もとても心地よいので、自然とテンションを上げてくれる1曲です。
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まとめ
これまでお伝えしてきましたように、澤野弘之は作曲家という枠を超え、日本でも有数の音楽家として、活動しています。
その一方で、思い通りにはいかない下積み時代も経験しており、才能だけで多くの賞を受賞したわけではなく、圧倒的な努力家であることが見て分かります。
澤野弘之は、これからも自身のプロジェクトnZkを中心に、自分が理想とする、ハイクオリティの音楽を届けてくれるでしょう。
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