目次
「★★★★★(5-STAR)」作品解説 Part.1
アルバムタイトルの「★★★★★(5-STAR)」は、1stフルアルバム「GO生(GO LIVE)」のタイトル曲「God’s Menu」にも出てきた「最高品質の音楽」を表すワードです。今回のアルバムが至高であるということを強く示すタイトルになっています。
また、全体の楽曲を通して「星」や「宇宙」などタイトルにリンクしたワードが登場することで世界観を広げます。”Stray Kidsの今”を表すだけでなく、宇宙という壮大さが隣り合わせにあるのが「★★★★★(5-STAR)」の大きな魅力です。
そして、今回のアルバムの隠れたキーワードでもあるのが「킹받다(キンバッタ)」。腹が立った時に使う「열 받다(ヨルバッタ)」と強調を表す「킹(キン)」が合体したもので、韓国の若者が使用しているスラングです。単純に訳すと「ものすごくムカつく」という意味になりますが、実際はいたずらっぽいニュアンスを含んでいます。メンバー同士で「この曲はムカつくよね」と話すほど挑発的な要素も含まれる今回のアルバム。強気な歌詞も凄まじい努力で築き上げた確固たる自負があるからこそ。この「킹받다(キンバッタ)」要素で「何だか気になる」と思わせる計算は緻密です。
Hall of Fame
「僕は今、星に自分の名前を書く」という一節からアルバムが始まります。続々と出てくる偉人の名前が作品を彩っていきますが、なかでも肉声が使われている宇宙飛行士のニール・アームストロングのインパクトは絶大です。1曲目から「アルバムタイトルには、色んな含みがある」と聴いてる側の想像を膨らませます。
ヒーローの登場シーンを想起させるような迫力のあるサウンドに、あえて不穏な音を混ぜて癖のある仕上がりにしてるのもStray Kidsらしさ。サビの歪んだギターが楽曲を盛り立てます。
「世界に大きな影響を与える」という抱負と、「インスピレーションを受け取った人にとって、Stray Kidsが偉人のような姿であってほしい」という願いが込められた作品です。
S-Class
タイトル曲の「S-Class」を聴いた時に「何だこれは」と思った人も多いはず。そう思った時点で、既にStray Kidsの術中にはまっています。
壮大な始まり、危険な香りがするAメロ、ドラマチックなBメロ、印象的な振付と共に繰り出されるサビ…と目まぐるしく変わる展開は圧巻です。そこに更に、オールドスクール・ヒップホップ、ベースの効いたダンスブレイクが加えられ聴衆の想像を凌駕した作品が生まれました。
「空を見上げると僕の姿が縫い取られてある」という歌詞で、「STAR」がStray Kids自身を表すことも分かります。
今回の「★★★★★(5-STAR)」は、タイトル曲の選出にかなり時間がかかったそうです。そんな中で終盤に完成した「S-Class」は、タイトル曲になると強く確信させるほど突出した作品になりました。
ITEM
「ITEM」と「I ate them」が並ぶとにかく言葉遊びが楽しい一曲。弾けるように発音する単語を散りばめることで、小気味いいリズムが生まれます。J.Y. Parkと共同で制作した「ALL IN」やJYPエンターテインメントが重視する価値観「真実・誠実・謙虚」も曲中に登場。遊び心満点でありつつも、Stray Kidsの道程を思わせる歌詞が曲に意味深さを持たせます。
重厚なビートの中で、ゲームサウンドが軽妙な飛び道具となっている「ITEM」。軽さと重さを掛け合わせる手法は、2ndフルアルバム「NOEASY」の収録曲「DOMINO」を彷彿とさせ、メンバーのフィリックスも楽曲の印象を「DOMINOのLevel.2」と語っています。