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「★★★★★(5-STAR)」作品解説 Part.3
GET LIT
イントロのモチーフがサビで炸裂する展開が熱い「GET LIT」。「Kids」らしい悪童を思わせる歌詞が印象的ですが、よく見ると「Super Bowl」にも出てきた「ギャング」や「DLC」の「一晩中踊りましょう」というワードが。キーワードを共有させることで収録曲に連帯が生まれ、意味の重みも増します。
楽曲の韓国語タイトルであり、キラーフレーズである「죽어보자(チュゴボジャ)」は飲みの席などで使用されるスラングです。直訳だと「死んでみよう」という過激な響きがあるため、ネガティブな言葉を嫌うチャンビンは、タイトルを見てイマイチだと思ったそう。ただ、ハンが持ってきた楽曲はその意見をひっくり返すほどの良曲でした。中毒性を持った「GET LIT」も、アルバムの中での必聴の一曲です。
Collision
恋愛関係のぶつかりを惑星の衝突に例えた「Collision」。自分の情けなさを吐露した歌詞は、今までの強気な楽曲と違い情緒的です。
切なさを帯びた歌声がストーリーを色付けていきます。あえて違和感のあるバックサウンドを用いることで、登場人物のすれ違いを表現。哀愁のあるトランペットが楽曲を盛り上げます。
電話の受信音はどんな意味を持つのか、聴く側の想像に委ねたラストは見事です。
FNF
バンチャンとフィリックスの故郷であるオーストラリアへの思いが詰まった「FNF」。「FNF」は動植物を表す「Fauna and flora」の略です。
オーストラリアでは、2019年から2020年にかけての大規模な山火事で、多くの自然と動物が焼失してしまいました。繰り返す「I’m catching up(追いつく)」という言葉には、「一生懸命生きることが追いかけることになる」という意味が込められています。
序盤の掠れたギターからは無常感が滲みますが、サビの力強いビートは前に向かって走り出す姿を想像させるはず。