ツミキ【ボカロP解説】ユニット・NOMELON NOLEMONでも活躍! 名曲“フォニイ”を生んだアーティストを徹底解説

ツミキ【ボカロP解説】ユニット・NOMELON NOLEMONでも活躍! 名曲“フォニイ”を生んだアーティストを徹底解説

大ヒット曲『フォニイ』を筆頭に、初投稿からすべての楽曲が殿堂入りを達成している人気ボカロP・ツミキ

高速BPMに乗せた楽曲や言葉を詰めこんだ歌詞はボカロらしさ抜群ながら、新しさや独自の音楽性を感じる今注目のアーティストです。
また、NOMELON NOLEMONというユニットも組んでおり、ボカロ以外の音楽活動も精力的に行われています。

wowakaハチなどの有名ボカロPの楽曲を聞いて育った若手世代でもありますが、その音楽ルーツはボカロ以外のところにもありました。

そこで今回は、ツミキのプロフィールや活動経歴、ルーツ、おすすめ楽曲などをご紹介します。

【プロフィール】ツミキとは?

プロフィール

  • 名前:ツミキ
  • 活動:2017年~現在
  • 参加ユニット等:NOMELON NOLEMON
  • 主な使用ボーカロイド:初音ミク、鏡音リン、GUMI他

ツミキは、2017年からボーカロイド楽曲の制作・投稿を行っているアーティスト。
2022年8月現在、投稿しているボカロ楽曲がすべてニコニコ動画で殿堂入りをしている人気ボカロPで、モノクロのサムネイルカタカナのタイトルで楽曲が統一されているのが特徴的です。

楽曲はロックがメイン。
高速BPMや音の間に詰めこまれる大量のワード、ボカロらしい高音などの要素を盛り込んだ楽曲は、2007~2010年代前半のボカロ曲に親しんだ方にとって懐かしさを覚えるものとなっています。

しかし、彼の楽曲が独特なのは、当時流行ったキャラクターソング的な雰囲気を感じないところです。
あくまで楽曲をボカロが歌っているというスタンスを貫いており、本人もボーカロイドをプロデュースするボカロPではなく、アーティストであると公言しています。

そのせいか、比較的ボカロらしい機械感の残る調声人間には出せないノイジーな声が多いにもかかわらず、楽曲からは人間味を強く感じられます。
胸に秘めた思いを感情的に訴えているかのような歌い方が、ツミキ楽曲の魅力のひとつです。

ボーカロイドを使い始めたきっかけ

幼少期からエレクトーンを習い、小学校の頃にはギターに触れていたツミキは、ボカロ楽曲を聞いて育った世代でもあります。

初めて聞いたボカロ曲はryo『メルト』
ハチwowakaなどが流行った時代でよく聞いていましたが、中学生の頃には一度ボカロを離れて、バンド活動やフリーソフトによる作曲活動にハマっていったといいます。

そんな彼がボカロ楽曲の制作を行うようになったのは、初音ミクが発売10周年を迎えた2017年。
ハチ『砂の惑星』wowaka『アンノウン・マザーグース』など、伝説的ボカロPが再び曲を投稿したのをきっかけに、ツミキはボカロPとしての活動を開始しました。

ツミキの活動経歴

デビュー作から注目!『トウキョウダイバアフェイクショウ』

ツミキが初めてボカロを使って制作したのが、2017年12月に投稿された本楽曲。
初投稿でありながらニコニコ動画で殿堂入りを達成し、話題となりました。

当時ツミキ自身が感じていた“成人しても大人になれない苦悩“をボーカロイドで表現した楽曲で、スピード感のある曲調と少女の心情を文学的に描写した歌詞が多くの人の心にヒット。
人気ボカロPとしてその名が知られていきました。

後にツミキ楽曲の特徴にもなる高速BPM言葉数の多い歌詞が盛り込まれたのは、2007年~2010年前半のボカロ曲に親しんだツミキにとって、“ボカロとはそういうもの”だったからです。

また、当時のトレンドがシティポップチル系などのおしゃれで心地よい音楽だったこともあり、アンチテーゼとして、耳に引っかかるようなボカロらしい楽曲が制作されました。

1stアルバム「SAKKAC CRAFT」

2021年2月には、3年間で発表したボカロ楽曲をまとめた1stフルアルバムを発表。
収録曲はすべて初音ミク歌唱にリアレンジされています。

また、随所にツミキのこだわりが見られるのも特徴的。
総収録時間は30分ぴったりに収められ、余白を詰めた曲同士はつながっているようにも聞こえます。
曲順も2文字ずつタイトルが減っていく仕組みで、左下がりに見える視覚的な遊び心もポイントです。

タイトルの意味は“手作りの錯覚”。
収録されている楽曲にも「錯視」などの表現が多数登場するように、「錯覚」というワードがツミキの中でひとつの大きなテーマであることがうかがえます。
自身の内面にある思いや感情を描いたツミキ楽曲の集大成といえる名盤です。

『フォニイ』が大ヒット!

これまでにも人気ボカロ楽曲を数多く制作してきたツミキですが、その名をさらに有名にしたのが2021年6月投稿の『フォニイ』です。
2022年8月19日現在、ニコニコ動画では450万回再生超、YouTubeでは2500万回再生超を達成。初の伝説入り作品でもあります。

また、数多くの歌ってみたや踊ってみた、弾いてみたなどの動画が作成され、ニコニコ動画では1500本以上の派生動画が投稿されているのも特徴
ツミキの新たな一面が見られた楽曲でもあり、幅広いリスナーに愛されています。

本楽曲の爆発的な人気についてツミキは、「もっと普遍的なものを書きたいと思って作った楽曲」「ちゃんと評価されていて嬉しい」と述べています。

NOMELON NOLEMONとしても活動

2021年8月には、シンガーソングライター・みきまりあとユニット「NOMELON NOLEMON」(ノーメロンノーレモン)を結成。
“自分の内面ではなく外の部分を描きたい“という思いから、他のアーティストとユニットを組む形で音楽活動を開始しました。

ボーカルのみきまりあは、アコースティックセッションユニット「ぷらそにか」所属のシンガーソングライター。ぷらそにかは、2021年8月までYOASOBIikura(幾田りら)も所属していた実力派ユニットです。

感情的で激しいボカロ曲とは一味違うツミキの楽曲と、みきまりあの高い表現力が魅力のひとつ。
2022年に発売した1stフルアルバム『PoP』では、ツミキの楽曲制作における引き出しの多さを堪能できます。

Reolに楽曲提供&初の作詞を担当

センラ、めいちゃん、そらる、Rain Dropsなど、これまでに数多くアーティストに楽曲提供をしているツミキ。
なかでも話題となったのが、Reol『赤裸裸』を提供したことです。

発表する楽曲の作詞はすべて自身で手掛けてきたReolですが、『赤裸裸』ではツミキが作詞を担当。Reol楽曲史上初の作詞を行ったアーティストとなりました。

経緯としては、共通の友人であったYOASOBIAyaseを通じて知り合い、椎名林檎好きで意気投合。考え方にも共感できる部分が多く、Reolが作詞・作曲を依頼して共同制作が行われました。

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