ついに発表された、2021年の紅白歌合戦に出場するアーティスト達の歌唱曲。
そんななか、ネット発のアーティストとして出場が決まり注目を浴びているまふまふが、ボカロ曲「命に嫌われている。」を歌う事が発表され、ボカロ・歌い手好きを騒然とさせる事態となりました。
ボカロ・歌い手界では有名な本作ですが、その反面、両ジャンルに触れた事のない人からしたら、どんな楽曲なのか、謎に包まれているのではないでしょうか。
そこで今回は、「命に嫌われている。」がどんな魅力を持った楽曲で、どのように人々を魅了してきたのかについて、解説していこうと思います!
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目次
「命に嫌われている。」とは
「命に嫌われている。」は、ボカロP カンザキイオリのオリジナルボカロ曲です。
歌唱を担当しているボカロは初音ミク。
2017年8月6日に、ニコニコ動画にてMVの公開が行われました。
公開直後、「命」を題材にした深い歌詞の内容に共感する人々が続出。
多くの歌い手達による「歌ってみた」やカバー動画の公開も続々と行われ、一躍ボカロ・歌い手界を賑わす話題の1作となりました。
その後も人気が衰える事はなく再生回数を伸ばし続け、10万再生を突破。カンザキイオリ初となる殿堂入りを達成する事となります。
さらに、翌年2018年9月には100万再生を達成。
それからさらに約1年後の2019年11月に200万再生、そして今年2021年5月23日に300万再生を達成する次第となりました。
2021年12月現在のニコニコ動画での再生回数は、328万回を超えています。
またニコニコ動画での楽曲公開から約1ヶ月後、2017年9月30日に公開されたYouTube版のMVも、2021年12月現時点で1800万回を超える再生回数を叩き出しています。
名実ともに、近年のボカロ音楽を代表する大人気楽曲の1つです。
カンザキイオリとは
本作の制作者であるカンザキイオリは、2014年頃から活動を開始したボカロPです。
「命に嫌われている。」がヒットした事をきっかけに、人々の注目を集め、一躍人気ボカロPの1人となりました。
2021年現在はボカロ曲の発表以外にも、他アーティストへの楽曲提供に加え、自分自身で歌唱したオリジナル曲の発表も行っています。
さらに2020年からは小説家としての活動も開始。
音楽と小説、2つのジャンルで活躍するアーティストとして、多くの人達を魅了し続けています。
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「命に嫌われている。」の魅力
高い共感性が話題となった、「命」がテーマの社会風刺ソング
本作の最大の魅力は、その歌詞が持つ高い「共感性」にあります。
「命」を題材として取り扱った本作。
しかしその歌詞の内容は「命」の大事さを説くというよりも、その大事さを否定的に捉えた内容となっており、非常に暗く重たい1作となっています。
「死にたい」という思いを抱く人物が、周囲から説かれる「生きる事の素晴らしさ」に対しての皮肉や葛藤を綴った歌詞となっており、前向きで明るい要素は一切存在しません。
しかし、綺麗事では語りきれない複雑な感情が綴られた内容が逆に高いリアリティを生み出し、共感する人々が続出。
高い共感性を持った名曲として多くの視聴者の涙を誘う事となり、ニコニコ動画では「涙腺崩壊」のタグがつけられる程の作品となりました。
動画コメント欄も、歌詞の内容と同じような事を思った経験がある人々の言葉で溢れかえっており、本作が世間で生きる上で感じる辛さや人々の口にする事が難しい本音を代弁し、その心に寄り添ってくれる高い共感性を備えている事が、よりわかる光景だといえるでしょう。
機械のような声で歌うからこその味を持つ本家
本作の世界観を深める要素として、歌唱を行うボカロ・初音ミクの歌声も人々から注目を浴びています。
「機械」であるボカロの特色を最大限に活かしたと思われる、無機質で冷たい歌声に調整された初音ミクの歌声。
「命」を題材にした作品で機械らしさを重視した歌声で歌わせるという、その矛盾した組み合わせが逆に本作が持つメッセージ性を深めているとして、高く評価をされているのです。
この初音ミクの声について、カンザキイオリ本人からのコメントは存在しない為、わざとこのような声にしたのかどうかについては、定かではありません。
ですがもし本当に、題材を意識してわざとこの歌い方をさせたというのならば、そのセンスには感服せざるを得ませんね。
もし偶然だったとしても、見事な世界観とのマッチ具合には、一種の運命のようなものに感じられるのではないでしょうか。
歌い手・Vtuber達のカバー動画の中でも再生回数が非常に高い1作
楽曲公開早々、多くの人々から反響を得たその傍ら、歌い手やVTuber達による「歌ってみた」やカバー動画も多く公開されてきた本作。
2021年12月現在も、続々とカバー動画の投稿は続けられており、「命に嫌われている。 本家」と検索しなければ原曲を見つけられない程の状態となっています。
そのなかには、今年2021年の紅白歌合戦にて本楽曲を歌唱する予定の歌い手・まふまふによる「歌ってみた」も含まれており、そちらの動画はなんとYouTubeにて再生回数1億回を突破するという、驚異の記録を誇る作品となっています。
その他にも、楽曲制作者のカンザキイオリが楽曲提供を行っているバーチャルシンガーの花譜も本作を歌唱しています。
こちらの動画は、花譜用にアレンジが行われたカバーとして、「Prayer Ver.」という名で公開がされています。
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多くの歌い手・Vtuber達のカバーが、100万や200万超えと高い再生回数を叩き出しており、本作が改めて多くの人々から愛されている事が伝わる光景だと言わざるを得ません!
JOYSOUNDカラオケランキングにて上位を獲得!
楽曲が公開された翌年、2018年12月26日に、カラオケ「JOYSOUND」にて本作の配信が開始されました。
すると配信開始の翌年2019年には、カラオケ年間ランキングの年代別ランキングにて、10代・8位、20代・11位という好成績を出す事に。
その後も、2020年のカラオケ年間ランキングVOCALOID部門にて4位を、カラオケ映像ランキングにて7位を、そしておうちでカラオケランキングにて11位を獲得。
2021年のカラオケ年間ランキングVOCALOID部門においても8位に君臨し、公開から4年が経った今も多くのボカロファンから歌われる人気の1曲となっています。
まとめ
以上、「命に嫌われている。」が人気を得る事になった経緯や魅力に関する紹介でした。
「命に嫌われている。」というタイトルの為、初めて本作を知った方はついダークな内容をイメージする場合が多いかもしれませんが、その実態は、多くの人の心情を代弁し、その内面に寄り添った深い1曲であり、その曲名も生きる事の大変さを知っているからこそつけられたものだと言えなくもありません。
儚く尊いものであるからこそ、綺麗事ばかりでは語りきれない、複雑で重たい一面も持ち合わせる「命」。
本作はそんな「命」が持つ暗くて重い一面と向き合った、命を尊ぶ楽曲だといえるでしょう。
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