高い物語性と予想外の結末をもって、人々の注目を集めた大人気ボカロ曲「恋愛裁判」。
公開から8年の時が経った今もなお、多くのボカロファン、さらには歌い手やVTuber達の間で人気がある「恋愛裁判」ですが、実はとある動画が共にあげられた事で、ボカロファンの間に衝撃を走らせた1作でもある事をご存知でしたか?
本楽曲の魅力や、ボカロファンに及ぼした影響について解説していきます!
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目次
「恋愛裁判」とは
「恋愛裁判」とは、ボカロP 40mPが制作したボカロ曲です。
公開日は2014年6月10日。
ニコニコ動画・YouTubeにて公開が行われました。
「裁判」をモチーフに作られた恋愛ソングである本作。
物語性の高い1作となっており、その予想外の結末をもって多くの人を虜にし、公開早々に人気を集める事となりました。
公開から約1年後の2015年7月には、ニコニコ動画にて再生回数がミリオンを達成。
2022年1月現在では、ニコニコ動画にて395万超え、YouTubeにて4300万回超えの再生回数を誇る大人気ボカロ曲となっており、40mPを代表する1曲としても数えられるようになっています。
さらに、楽曲公開から2日後の2014年6月12日。
楽曲制作の裏側が詰め込まれた「メイキング映像」が、ニコニコ動画・YouTubeにて公開され、「恋愛裁判」はさらに人々の注目を集める事となります。
通常ならば決して見る事ができない裏側の光景。
それを目にできるという事で、ボカロファンに大きな衝撃を与えた事はいうまでもないでしょう。
「ここまで手の込んだ作品を無料で見られる事が凄い」「ここまでしてくれている事に感謝」など、多くの感動のコメントが寄せられ、ボカロ曲に対する見解を改めて見直さざるを得ない1作として、楽曲「恋愛裁判」と共に話題となりました。
制作者の40mPは超多才なハイスペックパパP
YouTubeチャンネル登録50万人ありがとうございます🙏
これからもたくさん動画アップしていきます! pic.twitter.com/Yzd047N8cg— 40mP (@40mP) November 5, 2021
「恋愛裁判」の制作者である40mPは、2008年頃から活動を行っているボカロPです。
「トリノコシティ」や「シリョクケンサ」、「からくりピエロ」といった、ボカロを代表する名曲をいくつも生み出しており、デビューから14年が経った2022年現在も、根強い支持を得ているボカロPとなっています。
また、2015年からはイナメトオルの名で、シンガーソングライターとしての活動も開始。
イナメトオルのオリジナル楽曲に加え、自身のボカロ曲のカバーも行っていくようになります。
もちろん本作「恋愛裁判」も、イナメトオル版の公開が行われています。
MVの内容もイナメトオル本人が出演する実写版へ一新されており、原曲とはまた違う印象を抱く1作に仕上がっています。
なお、イナメトオル版とは別に「40mP」名義での歌ってみたの投稿も行われています。
こちらは原曲のMVがそのまま使用されました。
楽曲を作れるだけではなく歌も上手い、というハイスペックぶりに、ニコニコ動画で公開されている40mP版の「恋愛裁判」では「模範解答」や「あとは踊るだけ」といったタグがつけられるまでに。
しかしその実、なんと楽譜が読めない事も40mP本人の口から明かされています。
たとえば生放送中に行われるピアノの弾き語りでは、全て耳コピで、和音を組み合わせて弾いている、という驚異の音感をもとに行っているといいます。
また人気女性歌い手・シャノと結婚をしており、2022年現在は二児のパパである事も明らかになっています。
驚異の音感持ちで、楽曲を作れて歌も歌えて、さらには子どもが2人も居る。
「ハイスペックパパ」と呼んでも誇張はないボカロPでしょう。
「恋愛裁判」の魅力
驚きの結末で人々の心を掴んだ物語音楽
「恋愛裁判」というタイトル通り、本作は「裁判」をモチーフに制作された恋愛ソングです。
歌の主役は、浮気が恋人にバレてしまった男性。
恋人の女性に罪人として裁かれる様子を歌っており、自身に厳しい判決を下す恋人に許しを乞う男性のリアルな心情や、裁判を通して自分にとって何が大事であったかに気づく男性の変化が魅力的な物語音楽となっています。
と同時に、楽曲の最後の最後に見せる予想外の結末に、多くの人々が驚かされた1作でもあります。
解釈の仕方によっては、それまでの楽曲の展開を全て覆す可能性も秘めた歌詞の内容に、楽曲公開当初は多くの考察が動画コメント欄にて行われました。
緻密な物語性が生み出した、意外な結末に驚かされる事間違いなしの恋愛ソングです!
ミク風「裁判官」が可愛いと評判のMV
「恋愛裁判」の魅力は楽曲だけにはありません。
そのMVもまた、本作が高く評価されている要因となっています。
本作のMVを担当したのは、イラストレーターのたま。
これまでにも「シリョクケンサ」や「妄想スケッチ」など、いくつもの40mPの楽曲達のMV制作に携わってきており、40mPファンにはお馴染みのイラストレーターです。
そんなたまが作り上げた「恋愛裁判」のMV。
そこに登場する、ミクを模したと思われる裁判官姿の少女が可愛いと人々の間で話題に!
物語展開の予想外な結末が見せる少女の驚きの「真実の姿」も含めて、「可愛い!」と絶賛されています。
またイラストがある事で物語のイメージがつけやすい、という感想も寄せられており、良い意味で歌詞だけでは表現しきれない、主人公達の些細な心情を補足してくれるMVともなっている事がわかります。
楽曲と一心同体のMVだといえるでしょう。本作を語る上で、決して忘れてはならない存在です!
Adoも!? 多くの有名歌い手・VTuberがカバーした名作
意外な展開とそんな楽曲と一心同体のMVで、多くのボカロファンを魅了した「恋愛裁判」。
実は2018年8月に、歌手・Adoによる歌ってみたが公開されていた事が発覚しています。
Adoは2020年に公開した楽曲「うっせぇわ」をきっかけに、人気を博した歌手です。
2022年現在も老若男女関係なく、多くの人々から支持されています。
そんな彼女が今のような人気を得る以前に公開した、「恋愛裁判」の歌ってみた。
「うっせぇわ」以前のAdoを知れる貴重な1作だといえるでしょう。
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もちろんAdo以外にも多くの歌い手達による歌ってみたの投稿も行われています。
伊東歌詞太郎やSou、花たんなど、歌い手・ボカロ好きの間では名の知れたそうそうたるメンバーによる歌ってみたが、ニコニコ動画・YouTubeにて現在も公開中です。
また近年はVtuber達によるカバーも行われています。
戌神ころねやときのそらといった、人気Vtuber達によるカバー動画が続々と公開されている事が確認されています。
公開から約8年が経った、2022年現在。
長い時を経てもなお多くのアーティスト達を魅了し続ける様からは、本作が時代を超えて愛される名作である事が窺い知れるでしょう!
2015年小説化! 原作と異なる展開と結末に絶賛の声!
2015年、楽曲「恋愛裁判」を原作とした小説が角川ビーンズ文庫より発売されました。
【告知】初音ミク曲「恋愛裁判」が小説化されます。6月1日に角川ビーンズ文庫から発売となります。|∀・)っ
『恋愛裁判 僕は有罪(ギルティ)?』
原案/40mP、著/西本紘奈、イラスト/たま pic.twitter.com/XpRXSMfE1m— 40mP (@40mP) April 23, 2015
とはいえ、あくまでも楽曲を基に制作された小説との事で、その内容は楽曲とはまた異なる展開が繰り広げられた1作ともなっています。
読んだ人達からも、「こんなお話になるのか」「歌とは全く違う」と驚きの声があげられている程です。
しかし反面、「先がどうなるのかワクワクした」「思わず頬が緩む」と絶賛の声も確かに寄せられています。
もちろん、楽曲のタイトルである「恋愛裁判」というワードも物語内に登場!
物語の終わりに関わる重要なキーワードとなっており、「予想外の展開でドキッとした」「なるほど、と納得するエンディングだった」等、小説の完成度の高さに驚愕するファンが続出しました。
ファン大満足のボカロ恋愛小説!
ぜひ原曲を聴いた後に読んで欲しい1作です!
最新情報
2020年12月30日、スマホ向けボカロリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(通称:プロセカ)にて、本楽曲の配信が行われました。
🎍行く年来る年毎日楽曲追加キャンペーン🎊
収録楽曲発表🎉▽▼12月30日の追加楽曲はこちら▼▽
『恋愛裁判』📺番組生配信中:https://t.co/knsdSbrhi7#初音ミク #プロセカ生放送 pic.twitter.com/7gVIABS7FV
— プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク【プロセカ】 (@pj_sekai) December 23, 2020
2020年から配信が開始された「プロセカ」。
様々な人気ボカロ曲で遊べるという事もあり、公開当初から多くのボカロファンに支持される大人気ゲームとなっています。
そんなボカロファン大注目のゲームに収録された「恋愛裁判」。
初音ミクが歌唱する「バーチャルシンガーVer」の音源に加え、プロセカ内に登場する架空のアイドルユニット「MORE MORE JUMP!」のメンバー・花里みのりと桃井愛莉と初音ミクが共に歌唱する「セカイver」の収録も行われています。
可愛らしいアイドルの少女達が共に歌唱する事で、原作とはまた違った雰囲気を楽しめる1作に仕上がっています。
なお、こちらの「セカイVer」は、YouTubeにて2DMVの公開も行われています。
MVの制作を担当したのは、原曲のMV制作を担当したたまです。
元のMVをオマージュしつつ、「MORE MORE JUMP!」のメインストーリーを彷彿とさせる演出が多く盛り込まれた内容に、プロセカファンからの評価も高い1作となっています。
ぜひ、元のMVと比較しながら視聴してみてください!
まとめ
以上、「恋愛裁判」の解説でした!
「メイキング映像」という新たな試みと共に、当時のボカロファンをアッと言わせた本作。
近年はTwitterの動画投稿やツイキャス、YouTubeの生配信等を通し、楽曲制作の裏を見せてくれるボカロPが多く居ますが、ここまで本格的な「メイキング映像」を無料公開している方は、やはりそうそういません。
ボカロが大好きな人ほど、ぜひ一度、この貴重なメイキング映像と共に「恋愛裁判」を視聴してみてください。
ボカロ音楽というジャンルに惚れ直す事、間違いなしですよ!
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