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【ジブリ映画 主題歌】1990~1999年
おもひでぽろぽろ:『愛は花、君はその種子』
作詞・作曲:アマンダ・マクブルーム 訳詞:高畑勲
歌:都はるみ
1990年代最初の作品が、1991年公開の「おもひでぽろぽろ」です。
主題歌の『愛は花、君はその種子』は、ベット・ミドラーの名曲『The Rose』を高畑勲監督が日本語に訳詞したもので、演歌歌手の都はるみが歌唱を担当しています。
哀愁漂う歌声が作品とマッチしており、子どもの頃の淡い思い出がよみがえってくるような、心に訴えるものを感じる楽曲です。
紅の豚:『さくらんぼの実る頃』 / 『時には昔の話を』
作詞:ジャン=バティスト・クレマン 作曲:アントワーヌ・ルナール
歌:加藤登紀子
1992年に公開された「紅の豚」では、マダム・ジーナの声優としても出演しているシンガーソングライターの加藤登紀子が主題歌を担当。
OPテーマでは『さくらんぼの実る頃』、EDテーマでは『時には昔の話を』が起用されました。
『さくらんぼの実る頃』は、1868年にフランスで発表されたシャンソン『Le Temps des cerises』の日本語版で、作中では加藤登紀子がフランス語でも歌唱しています。
一方、『時には昔の話を』は、1960年代の学生運動について書かれた楽曲。
元々映画用に作られた曲ではありませんが、エンディングで聞くと、苦労しながらも夢を見続ける人を描いた歌詞が主人公・ポルコと重なり、じんわりと映画の余韻を感じられます。
作詞・作曲・歌:加藤登紀子
海がきこえる:『海になれたら』
作詞:望月智充 作曲:永田茂 歌:坂本洋子
「海がきこえる」は、1993年に日本テレビ開局40周年を記念して制作されたスタジオジブリ初のテレビ向けアニメ作品。
スタッフ育成のため制作は若手スタッフに任され、宮崎駿や高畑勲が一切関与しなかった珍しい作品でもあります。
主題歌の『海になれたら』は、作詞を本作の監督である望月智充が担当。
ボーカルにはヒロイン役を演じた舞台女優の坂本洋子が抜擢され、作中のエンディングで使用されました。
高校生の淡い青春を描いた映画のエンディングにマッチしたバラード調の楽曲です。
平成狸合戦ぽんぽこ:『アジアのこの街で』 / 『いつでも誰かが』
作詞:紅龍 作曲:猪野陽子 歌:上々颱風
1994年の「平成狸合戦ぽんぽこ」では、音楽集団・上々颱風(シャンシャンタイフーン)が主題歌『アジアのこの街で』とEDテーマ『いつでも誰かが』を担当。
どこか懐かしさを感じる主題歌は「ぽんぽこ愛のテーマ」として発表され、映画のイメージソングとなりました。
一方、『いつでも誰かが』は映画の終盤に流れる楽曲。
都市開発で住処を追われる狸たちの寂しさと本来持つ陽気さを感じられる、エンディングらしい1曲です。
作詞・作曲:紅龍 歌:上々颱風