SPY×FAMILY 【アニメ主題歌解説】Official髭男dism × 星野源！ 話題の2曲を徹底解説

エンディング主題歌・星野源「喜劇」

星野源さんが歌うエンディング主題歌「喜劇」は、アニメ第1話が放送される前日の2022年4月8日に配信されました。

さらに、その前日である7日に公開されたフル音源は、YouTubeでの再生回数が400万回を突破。(2022年4月29日時点)
「歌詞だけで泣いてしまう」「心に染みる優しい曲」とSNS上でも評判です。

物語の終わりに心をじわりと温めてくれるような、優しいサウンドや歌詞の内容に迫ります。

「家族」の面にスポットを当てつくられた曲

「SPY×FAMILY」という作品の大きな特徴といえば、作品名からも分かるように「FAMILY」＝家族であること。

星野さんも、アニメ制作スタッフから「家族をテーマに」と要望を受け、自分の考える家族像を楽曲に落とし込んだのだとか。

その家族像について、星野さんは「自分にとって一番落ち着く家族像と、『SPY×FAMILY』が提示する家族像がすごく近いものがある」と語っています。

家族だから血が繋がっていなければいけない、世間の言う「普通」に当てはまっていなければいけないと決めつけるのではなく、どんな形であれ自分にとって心の安らぐ場所があればいいと語りかけてくれる楽曲です。

全体のサウンドとしては、一人ぼっちで俯き加減に歩いているようなAメロ・Bメロの孤独感と、ボーカルに厚みが生まれることでそれまでの寂しさが薄れてゆくサビの対比が特徴的です。

それぞれ孤独を抱え生きてきたフォージャー家の3人が、仮初の状態から少しずつ本当の絆を紡いでゆく様を彷彿とさせます。

星野源節が炸裂した歌詞

星野さんが生み出す楽曲の魅力といえば、絶望や悲しみの中にある光を上手く描いていること。

ただ悲しいだけでも幸せ一色でもない、人の人生そのものを体現したような楽曲が多く存在します。映画の主題歌にもなっている「地獄でなぜ悪い」や、2021年リリースの楽曲「不思議」もこの傾向が強く見られるため、気になった方はぜひ聴いてみてください。

それでは、本題であるエンディング主題歌「喜劇」の歌詞を見てみましょう。

1番のAメロは、フレーズの節々に言いようのない寂しさが漂っています。帰る場所を「夢の中」と表現することで、外の世界から帰ってきて眠りに就くまでの間に、その日あった出来事や感じたことを話せる相手がいない状態を表しているのがポイントです。

スパイとなるために人並みの幸せを捨てたロイド、世間の決めつける「普通」に馴染めないヨル、孤独な暮らしを続けてきたアーニャの3人が抱えていた淋しさが伝わってきます。

また、このAメロに使われている「よそ者」のように、社会や特定のグループからはぐれてしまった存在を表す単語も星野源ワールドの特徴です。(「創造」のサビ終わりに登場する「外れ者」など)

続いて、1番のサビです。Aメロに満ちていた孤独感が次第に薄れていき、思わずほっと息を吐きたくなる温かさに包まれます。

忙しない1日が終わり、大切な人と「何食べる？」「今日、嬉しいことがあってね‥‥‥」と言葉を交わしあうことの尊さを語りかけてくれるような箇所です。アニメのエンディング映像でも、Bメロの終わりまでは一人ぼっちで歩いていたアーニャが、サビではロイド・ヨルと共に手を繋ぎながら帰路を辿る演出がされています。

また「君と話したかったんだ」というフレーズについて、星野さんいわく「その相手は人間じゃなくてももちろん大丈夫です」とのこと。

本当の家族でも、偽物の家族でも、犬や猫といったペットでもいい。自分にとっての大切な存在が傍にいてくれるなら、どんな日常も「喜劇」に変わるのだと教えてくれる名曲です。

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2022年6月22日に「ミックスナッツ」を含むヒゲダンの最新EP発売！

2022年6月22日、ヒゲダンファン待望の最新EPが発売されます。

今回の記事で紹介した「ミックスナッツ」や、映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」の主題歌「Anarchy」を含む4曲を収録。彼らの音楽をCDでも楽しみたい方にはたまらない内容です。

また、CD+Blu-ray盤・CD+DVD盤には、2021年6月23日に開催された「Official髭男dism Road to 『one – man tour 2021-2022』の模様が収録されています。
レコーディング音源はもちろん、ライブでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるヒゲダンの魅力がつまったEPとなるでしょう。

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最後に

アニメ「SPY×FAMILY」の世界を盛り上げる2曲について、サウンド・歌詞を中心に解説しました。

どちらの曲も聴けば聴くほど新たな発見があり、作品への理解も深まること間違いなしの名曲です。Youtubeや各ストリーミングサイト等でフル音源を聴くことができるので、ぜひ彼らの音楽を何度も味わってみてください。