目次
【理由2】圧倒的な演奏力!ライブはナマモノ感がハンパない
King Gnuが怪物という2つ目の理由は演奏力。
スタジオでレコーディング・ミキシング・マスタリングされた作品には、江﨑文武の鍵盤、ermhoi(Black Boboi)のコーラス、MELRAW(安藤康平)のサックス、常田大希の兄・常田俊太郎のバイオリンなどが入っています。
ライブではメンバー4人なので、アルバムと異なるアレンジになるのは必然。
再現不可能では?という心配を振り切り、ここまで化けるのか!と圧倒されます。
ライブごとにもアレンジは変わり、進化中の未発表曲も披露。
スタジオ作品はもちろん、ライブでの演奏と歌唱も抜群です。
とくに「Flash!!!」のドラムソロや「Prayer X」のシンセベースを体感すると、King Gnuはグルーヴの怪物と驚愕するでしょう。
常田大希がホワイト・ストライプスやキング・クリムゾンなどお気に入りのギターフレーズを気ままに掻き鳴らすアンコールのアウトロや、井口理のぼくとつとしたMCもナマモノ感にあふれています。
【理由3】クリエイティブも自発的!総合的に鬼かっこいい
King Gnuが怪物という3つ目の理由は総合クリエイティブ力。
PERIMETRONはもともと常田大希が作ったレコードレーベル、YouTubeチャンネルも開設しています。
Srv.Vinciの「ABUKU」(2013年7月)や「Stem」(2014年6月)などのMVに反応し、常田大希とコンタクトを取ったのが佐々木集。
クリエイター集団have no ideasのプロデューサーとしてイベントの出演バンドを探していたところ目に留まりました。
2016年、映像作家・アートディレクターのOSRINと共に常田大希と出会い、3人でクリエイティブレーベルとしてのPERIMETRONを始動。
常田大希は2015年頃からファッション関係のCM曲も制作しており、イギリス・ロンドンでインディーズバンドのベーシスト、東京・原宿でアパレルショップの店長も経験した佐々木集との相性は抜群です。
ファッション業界を巻き込む音楽活動は1970年代のパンクそのもの。
2021年3月時点でPERIMETRONのメンバーは総勢10人です。
King Gnuとmillennium parade以外にも多岐にわたる案件を手がけています。
破壊と構築を繰り返しながら創造するパンク魂が、クリエイティブの面々によって総合的に膨れ上がる現象も怪物的です。
【理由4】すべては愛!ヌーの群れはリスペクトの集合体
King Gnuが怪物という4つ目の理由は愛。
怪物並みの音楽表現という愛でコロナ禍をも乗り越え、イノベーションを起こす可能性がありそうです。
デジタルネイティブはバブルを知らない分、冷静かつ独創的。
自力で道を切り拓くスタートアップが増加し、コロナ禍をも生き抜いています。
King Gnu周辺も然り。
2015年には石若駿や江﨑文武らが企画・運営し、Srv.Vinciが出演した「JAZZ SUMMIT TOKYO」でクラウドファンディング「READYFOR」を活用し、プロジェクトを成立させた実績があります。
クリエイター向けデジタルコンテンツ配信会社ユートニックの代表を務める常田俊太郎は、表現者をサポートする情報処理技術で特許を取得しています。
常田大希に関わる人たちが音楽に惚れ込んで群れと化し、モンスター級の才能を交感し合っているイメージ。
しかもトップダウンのヒエラルキーではなく、リスペクトし合うホラクラシーに近い関係性です。
これこそ創造者ゆえに共鳴し合う、怪物並みの愛ではないでしょうか。
最後に
音楽性、演奏力、総合クリエイティブ力、愛の4つがKing Gnu怪物説を裏づける決定的な理由でした。
シングル集やベスト盤のようにキャッチーな「CEREMONY」はテンポ的にアップ・ミディアム・スローという流れの2幕構成。
「壇上」では常田大希が原点回帰を強く意識しています。
「Tokyo Rendez-Vous」や「Sympa」にさかのぼると、横揺れが似合うミディアムナンバーに中毒性を覚えます。
エレクトリック神社などのジャズバーでセッションを重ねた3人と井口理、4人体制になって初めての曲がSrv.Vinci「ロウラヴ」。
King Gnuはスローとアップの両極端をメインに押しがちですが、ミディアムも真骨頂。
「ロウラヴ」や「ABUKU」、ディディーの地下室まで振り返ったうえで、「Vivid Red」(2021年3月時点で未発表)の進化も楽しみです。
PERIMETRONのYouTubeやVimeo、公式サイトがまだの方はぜひ。
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