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米津玄師の隠れた名曲10選 Part.2
こころにくだもの
米津玄師の隠れた名曲、次に紹介するのは「こころにくだもの」です。シングル「アンビリーバーズ」のカップリング曲で、ファンの間でもコアな部類に位置付けられています。サビ部分はくだものの名前しか出てこないという、遊び心が満載の名曲です。
明るい曲調ですが、歌詞は少し切なくなるような内容となっています。子どもの頃、隣に住む「あの子」が弾くピアノを密かに楽しみしていた主人公。同じところで何度も間違えるくらい下手なピアノですが、その音色に特別な思いを寄せていました。
いつの間にかピアノの音が聞こえなくなり、しばらくしたあとで隣の家族が引っ越したことを知ります。失恋の悲しみを、くだものの名前を言葉に乗せることで乗り越えていくという楽曲。
りんご レモン ぶどう メロン
いちご バナナ みかん キウイ
子どもの頃の記憶と現在が交差するような、可愛らしくも切ない曲。他の曲とは一味違った米津玄師の魅力が味わえます!
Neighbourhood
次に紹介するのは、シングル「ピースサイン」のB面に収録されている「Neighbourhood」です。「少年性」をテーマにした楽曲であり、少年時代の自分と今の自分がリンクする内容となっています。
イギリス風ロックを感じさせるメロディーは、Oasisの「Don’t Look Back In Anger」とThe Beatlesの「Strawberry Fields Forever」を意識したもの。米津玄師の楽曲は独特なサウンドで構成されていることが多いため、「Neighbourhood」のような王道のロックテイストは逆に際立って印象に残ります。
米津玄師が子どもの頃、実際に見た風景などが盛り込まれているのが特徴的。今まさにそこにあるかのような情景の描写が実に精巧です。
どうしたんだいなあ兄弟 俺がわかるかい?
お前が許せるくらいの 大人になれたかな
「兄弟」が指しているのは、おそらく過去の自分です。今の自分が納得していても、昔の自分は納得しないんじゃないか。そんな対話を感じさせる表現です。
生きられないなって トイレの鏡の前で泣いてた
逃げ出せその街を 飛ばせ飛ばせ飛ばせ 笑え笑え笑え
育ってきた田舎にコンプレックスがあり、「早く出ていきたい」と思った少年時代。そのころを振り返り、今の自分が過去の自分にメッセージを送っているかのようです。
「Neighbourhood」では、過去と現在というテーマを忠実に表現しています。米津玄師というカリスマができ上がったルーツを辿れるような名曲です!
かいじゅうのマーチ
続いて紹介するのは、アルバム「BOOTLEG」に収録の「かいじゅうのマーチ」です。
柔らかい雰囲気で、穏やかな気持ちになるようなサウンドが特徴的。この「かいじゅうのマーチ」は、イングランドのロックバンド・The Cureに影響を受けた楽曲です。
米津玄師は、「BOOTLEG」発売当初のインタビューで「メロディアスでメロウできらびやかな音像なんだけれども、実際に歌っていることは、すごくひねくれている」という音楽を意識したと語っています。
「かいじゅう」は、本当は仲良くしたいと思っているのに、恐ろしい姿をしているせいで人から怖がられてしまいます。それでも、勘違いを払拭するために、知らない言葉を覚えて、信じてもらうためにひたすら努力を続けてきました。だから、心を通じ合える「あなた」に出会えたことは、この上なく幸せなことだと感じています。
人から恐れられても、信じる心を失わない「かいじゅう」の姿は、現代社会にも通じるものがあります。多様性を認める社会になりつつあるものの、見た目で誤解されてしまう人も多いでしょう。どんな姿をしていても、あなたを認めてくれる人はきっといる。そんなメッセージを受け取れる楽曲です!
ララバイさよなら
米津玄師の隠れた名曲、次に紹介するのは「ララバイさよなら」です。シングル「orion」にカップリング曲として収録されました。
エレキギターによるロックサウンドで、ダークな雰囲気も感じさせます。米津玄師はマイナー調の曲を多く作っているので、このような重苦しい雰囲気の作曲を得意としています。
痛みも孤独も全て お前になんかやるもんか
歌詞で表現しているのは、あらゆるものに対しての怒りや憎しみのような感情です。自分も含めた世界のすべてに対して、反骨心を剥き出しにしているような歌詞が印象的。
社会や学校にストレスを感じているなら、「ララバイさよなら」を聞いて発散してみてはいかがでしょう!