みなさんは、ハングルの歴史をご存じですか?
日本語の文字には、漢字・ひらがな・カタカナの三種類が使われています。
漢字は中国から伝わり、ひらがなは漢字を簡略化して作られ、カタカナは漢字の一部を切り取って作られたと言われていますね。
韓国にも日本と同じように中国から漢字が伝わり、漢字語も多く使われていますが、ハングルを見てみると漢字の面影が一切ありません。
実はハングルは、朝鮮王朝第4代王の世宗(セジョン)の時代に作られたものなんです。
ハングルができる前の韓国では、中国から伝わった漢字のみで表記する漢文が用いられていました。
しかし漢文を書けるのは高級官吏や学校に通えるお金持ちなど一部の支配層のみであり、一般庶民は書くことも読むこともままなりませんでした。
そこで世宗大王は、当時の優秀な学者たちを集めて研究をさせ、民衆にも分かりやすい独自の文字・ハングルを作り上げて公布したのです。
文字というと、歴史の中で自然に生まれてくるものだと思っている方も多いと思いますが、ハングルは人工的に作られたものだったんですね。
このように、文字だけでなく韓国にはおもしろい歴史がたくさんあるので、今の韓国がどうしてこうなったのか、色々探求してみるのも楽しいかもしれませんよ。
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目次
FEVER / ENHYPEN
今回は、日本でも人気の高いボーイズグループ・ENHYPENの楽曲を取り上げます。
2020年に、Big Hit Entertainment(現:HYBE)とCJ ENMによるサバイバルオーディション番組『I-LAND』を通して、練習生23人から選抜された7人で結成されたENHYPEN。
グループ名の「ENHYPEN」は、連結記号である“‐(ハイフン)”(韓国では「ハイプン」と読む)のように、「異なる7人の少年たちが『つながって』、お互いを見つけて一緒に成長する」という意味、そして「音楽を通じて人と人、世界と世界を『つなげる』」という意思が込められています。
K‐POPアイドル達は、ただかっこよかったり可愛かったりするだけじゃなく、しっかりとした軸を持っていて、最終的に社会に良い影響を与えることを掲げて活動しているグループが多いので、そういった部分にも惹かれてしまうのかもしれません。
では、そんなENHYPENの“FEVER”という曲を通して、楽しく韓国語を学んでいきましょう!
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~같은(カトゥン)
얼음 같은 눈 그 붉은 눈빛(オルム ガットゥン ヌン ク ブルグン ヌンピッ)
意味)氷のような目 その赤い眼差し
しょっぱなから印象的な歌詞ですね。
“FEVER”というタイトル通り、好きな女性に対してどうにもならないほど熱い気持ちを抱いてしまっている男性の心情を表現している曲です。
冒頭は、“熱を持っている自分”に対して“氷のような目をしている彼女”が対照的に描かれていて、とても詩的で面白い部分ですね。
“~같은(カトゥン)”とは、「~のような」「~みたいな」という意味です。
例を見てみましょう。
어른이 되면 어머니와 같은 여성이 되고 싶다(オルニ トェミョン オモニワ ガットゥン ヨソンイ トェゴ シプタ)
意味)私は大人になったら母のような女性になりたい
“~같은(カトゥン)”の類語として、“~처럼(チョロム)”があります。こちらは「~のように」という意味です。
こちらも例を挙げて説明します。
눈처럼 하얀 피부(ヌンチョロム ハヤン ピブ)
意味)雪のように白い肌
このような使い方をする言葉です。
BLACKPINKの“마지막처럼(マジマッチョロム)”はまさに、“마지막(マジマㇰ)「最後」と“~처럼(チョロム)”「~のように」で、「最後のように」という意味なんです。
“~같은(カトゥン)”と“~처럼(チョロム)”はK‐POPにも韓国ドラマにも頻繁に出てくる言葉なので、しっかり覚えておいてくださいね。
안(アン)
너에게 손대선 안 돼 절대(ノエゲ ソンデソン アン ドェ チョルテ)
意味)君に手出ししてはいけない 絶対
하지만 이끌리지(ハジマン イックルリジ)
意味)だけど惹かれるんだ
これはきつい状況ですね……。
筆者は、彼氏にハグしたくてしたくてたまらないけど近くに彼がいないときは、枕におもいっきり抱きついて解消しています(笑)
ここに出てくる“안 돼(アンドェ)”というのは「してはいけない」という意味ですが、この“안(アン)”というのは何かというと、否定形なんです。
例えば、“안(アン)”と「する」という意味の“하다(ハダ)”をくっつけると、“안 하다(アナダ)”「しない」になりますし、“먹다(モッタ)”「食べる」をくっつけると「食べない」という意味になります。
つまり、日本語でいう「~ない」の役割なんです。これは動詞と形容詞に使うことができます。
しかし漢字語の場合、前にそのまま“안(アン)”を付けられない場合があります。
いくつか例を挙げてみましょう。まずは誤った用法からです。
- 어제는 안 연습했어요(オジェヌン アン ヨンスッ ペッソヨ)
- 意味)昨日は練習しませんでした
- 오늘은 안 요리할 생각이다(オヌルン アン ヨリハル センガギダ)
- 意味)今日は料理しないつもりだ
「練習する」「料理する」のように、漢字語に“하다(ハダ)”「~する」が付いて構成された動詞には“안(アン)”を付けることが出来ないのです。
正しい用法は次のようになります。
- 어제는 연습을 안 했어요(オジェヌン ヨンスプ アネッソヨ)
- 意味)昨日は練習しませんでした
- 오늘은 요리를 안 할 생각이다(オヌルン ヨリルル アナル センガギダ)
- 意味)今日は料理しないつもりだ
このように、漢字語の後ろに助詞“를/을(を)”を付けて、その後ろに“안 하다(アナダ)”とすればいいのです。
しかし、これにもまた例外があります。漢字語の中にも、日本語でいう形容動詞の場合、“안(アン)”をそのまま前に付けて使えます。
이 문제는 안 중요하다(イ ムンジェヌン アン チュンヨハダ)
意味)この問題は重要ではない
また、複合語の場合は“안(アン)”が使えません。
複合語とは、例えば“아름답다(アルムダプタ)”「美しい」という言葉があります。これは“~답다(ダプタ)”という言葉が複合語として合わさって出来た言葉です。
「美しくない」と言いたい場合の例をご紹介しましょう。
- 이 경치는 안 아름답다(イ キョンチヌン アン アルムダプタ)
- 意味)この景色は美しくない
残念ながらこの使い方は誤りとなってしまいます。
この場合は、“~지 않다(ジ アンタ)”という言葉を語尾にくっつけるんです。
- 이 경치는 아름답지 않다(アルムダプチ アンタ)
- 意味)この景色は美しくない
この“~지 않다(ジ アンタ)”は複合語に限らず、ほとんどの言葉に使うことができます。
ニュアンスとしては、“안(アン)”よりも文語的で、固い表現で、新聞や論文でよく使われるような言葉です。
このように“안(アン)~”と“~지 않다(ジ アンタ)”は、色々とルールがややこしく使いこなすのが難しい言葉ではありますが、一度しっかり頭に叩きこんでしまえば会話の質を一気にアップさせることができます。
みなさんもたくさん使ってマスターしてくださいね。
まとめ
今回は、ENHYPENの“FEVER”に出てくる韓国語をご紹介しました。
“FEVER”というタイトル通り、好きな人に対する気持ちがこれでもかというほど込められた、とても情熱的で素敵な曲でしたよね。
個人的には、“날 놓아줘 날 안아줘(ナル ノアジョ ナル アナジョ)”「僕を放して 僕を抱きしめて」という部分が大好きです。
相手の魅力に完全に飲み込まれてしまいたくないという気持ちと、それでも相手に受け入れられたい、愛されたいという相反する二つの感情の中で葛藤している心情が上手く表現されていて、とてもドキドキしてしまいました。
さて、次回は好きなアーティストにファンレターを書くとき、またSNSでリプを送るときなど、推しに直接気持ちを伝えるために使える韓国語をご紹介していきます。お楽しみに!
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