今や音楽番組やフェスに引っ張りだことなったBiSH。
芸能人や著名人のファンも多く、バラエティ番組では彼女たちの特集が組まれるほどになりました。
彼女たちの人気の理由といえば、アイドルらしからぬ楽曲やパフォーマンス、型破りなプロモーションでしょう。
今回は、そんな破天荒なアイドルが多数所属する事務所「WACK」の全貌を明らかにしていきます。
目次
WACKとは
WACK設立の前身となったのは、2010年に結成した第1期BiS。
当時の所属は「つばさレコーズ」で、第1期BiSは2014年7月8日まで活動しました。
第1期BiSの解散と共につばさプラスを退社した渡辺淳之介が、新たに設立したのが「WACK」という芸能事務所でした。
「WACK」という名前は「わたなべあーてぃすちっくくりえいてぃぶかぶしきがいしゃ(Watanabe Artistic Creative KK)」の頭文字を取ったもの。
社是は「ちんこと言える世の中を。」です。
設立当初に所属していたアーティストは、第1期BiSの解散後に誕生したプラニメ(後のGANG PARADE)と、つばさレコーズから移籍したthis is not a businessの2組でした。
設立の際、BiSのサウンドプロデュースを担当していた松隈ケンタが出資しています。
2015年、渡辺淳之介が「BiSをもう一度始める」と宣言し、BiSHが誕生。
WACKは本格的に始動しました。
WACK所属アーティスト
数々の型破りなプロモーションで知られるWACKですが、どのようなアーティストが所属しているのでしょうか。
2020年現在、WACKに所属している全てのアーティストを紹介します。
BiS
『新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)』を掲げ、「アイドルを研究して、アイドルになろうとする、アイドルになりたい4人組」というコンセプトで始まったBiS。
歌手として活動していたプー・ルイがインタビューで「アイドルをやりたかった」と発言したのをきっかけに結成されました。
当時は「つばさレコーズ」に所属し、曲の降り付けやイベントのブッキングなどもメンバー自ら行っていました。
1stシングル「My Ixxx」のMVでは、メンバーが衣服のない状態で森を駆け抜け、その過激な映像で注目を集めます。
日本武道館を目指していた彼女たちですが、あまりの過激さに日本武道館側からNGを食らってしまい、横浜アリーナで解散ライブをしたという逸話も残しました。
解散から2年後、WACKを立ち上げた渡辺淳之介と第1期メンバーのプー・ルイ、サウンドプロデューサーの松隈ケンタの3人を中心に第2期BiSが始動。
2018年末にZepp Tokyoで行われた解散ライブまで走り抜けました。
第2期が解散してわずか1か月後、早くも第3期BiSのメンバー5名を発表。
メンバーそれぞれがひとりで全国各地を回ってフライヤーを配布するなど、地道なプロモーションの結果、2019年8月の初ワンマンライブを成功させました。
WACKが有名になった現在でも過激なパフォーマンスやプロモーションを続けており、比較的大衆向けのBiSHよりもアンダーグラウンド志向のアイドルです。
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BiSH
渡辺淳之介が「BiSをもう一度始める」と言って2015年に結成したのがBiSHでした。
グループ名の”BiSH”は「Brand-new idol SHiT」の略で、「新生クソアイドル」という意味です。
BiS解散後間もないにもかかわらず「もう一度BiSをやりたい」と思ったのがダサい、ということから「ダサい=クソ」となったのが「新生クソアイドル」の由来。
BiSHは2015年5月、1stアルバム「Brand-new idol SHiT」でインディーズデビュー。
「楽器を持たないパンクバンド」をコンセプトとして活動を開始します。
そんなBiSHが最初に公開したMVが、この“BiSHー星が瞬く夜にー”です。
メンバーが糞(※本物かどうかは諸説あります)にまみれながら歌う過激すぎる姿は、ファンの間で話題となりました。
BiSHの活動やコンセプトについて、始めこそ否定的な意見も大きかったものの、このMVを見て裸で森の中を駆け回る第1期BiSの姿を彷彿したファンも少なくありません。
BiSHはその後も順調にファンを増やし、2019年10月にはテレビ朝日の人気番組「アメトーーク!」で『〜クセがすごい女性グループ〜 BiSH ドハマり芸人』としてが組まれるほどに。
彼女たちはこれを機に一気にスターダムにのし上がり、WACKの名を全国に知らしめました。
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EMPiRE
EMPiREは、エイベックスとWACKの共同プロデュース企画「Project aW」をきっかけに結成しました。
オーディションに合格したのはカミヤサキ(後のYUKA EMPiRE)とモモコグミinc(後のYU-Ki EMPiRE)の2名。
追加メンバーオーディションで合格したメンバーを含めた5人が覆面姿で登場し、メンバーの個人Twitterのフォロワーが1万人を超えないと顔を公表しないことを宣言しました。
破天荒なグループが多いWACKですが、エイベックスとの共同プロデュースということもあってか、EMPiREは楽曲のスタイリッシュさに長けています。
顔立ちの整ったメンバーが多く、「顔面偏差値が高い」と評判です。
アニメの主題歌を歌っており、楽曲もWACKの中ではポップス寄り。
ライブでは、ダイブ・リフト・サーフなどの危険行為が禁止されているなど、過激なライブを得意とするWACKでは少し異質な存在です。
そのぶん、WACK特有の過激なライブに行きづらかったファンでも気軽にライブを観れるため、ファンの裾野を広げているといってもいいでしょう。
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WAgg
「次世代のアイドルグループを目指して活動が行われるWACKによる新プロジェクト」として、WACKの次世代を担う存在のWAgg。
平均年齢は16歳と若く、WACKファンの中で注目度が上昇しています。
2018年に結成した彼女たちは、WACK内の研究生のような位置づけです。
WACKの正規グループとして昇格できる日を夢見て、日々努力を怠りません。
ライブでは主にBiSHやBiSなど先輩の曲を歌っています。
既に解散した第1期・第2期BiSやGANG PARADEなど、過去に存在したグループの曲を聴けるので、古くからのWACKファンにとってはたまらないでしょう。
そんな彼女たちも2020年6月、ついにオリジナル曲「WAggの素晴らしき世界」を発表しました。
これから正規メンバーとして昇格するメンバーは出てくるのか、要注目のグループです。
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PEDRO
PEDROは、BiSHのメンバーであるアユニ・Dがボーカルとベースを務めるソロプロジェクトです。
アユニの他にサポートギターとドラムを迎え、バンド体制となっています。
プロジェクトが開始したのは2018年。
BiSHのアイナ・ジ・エンドとセントチヒロ・チッチが両A面シングルでソロデビューした同日に、PEDROの1stミニアルバム「zoozoosea」がゲリラリリースしたのが始まりでした。
同時にPEDRO誕生の背景をドキュメンタリーにした映像が公開され、話題となりました。
ギターにナンバーガールの田渕ひさ子、ドラムに毛利匠太を迎えるなど、本格的なバンドサウンドを展開しています。
CARRY LOOSE
CARRY LOOSEが結成が発表されたのは2019年6月。
第2期BiSの解散後、パン・ルナリーフィとYUiNA EMPiRE、WAggのウルウ・ルとオーディションで合格したユメカ・ナウカナ?の4名で活動を開始しました。
2019年はワンマンライブやライブイベントを開催し、2020年2月に1stシングル「にんげん」をリリース。
同年7月から、メジャーデビューするまでメンバーが共同生活をする「キャリーオブメジャー」が始動。
メジャーレーベルからオファーが来るまでメンバーの私生活が24時間生配信され続けるという、過酷な企画にチャレンジしています。
豆柴の大群
人気バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」内の企画で結成された「豆柴の大群」。
番組内の「MONSTER IDOL」という企画で、安田大サーカスのクロちゃんがプロデュースするアイドルとして話題になりました。
番組内のオーディションの結果、4名のメンバーが合格しグループが結成。
メジャーデビュー曲「りスタート」はいきなりオリコンチャート1位を獲得しました。
また、クロちゃんのプロデューサーとしての進退をかけたシングルの売上により、クロちゃんはプロデューサーからあっさり解任。
それに合わせて、オーディションで不合格となったカエデフェニックスがメンバーに合格し、豆柴の大群は5人で活動することになりました。
人気番組の企画から生まれたグループということもあり、WACKファン以外からも注目度の高いグループです。
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GO TO THE BEDS
2014年から活動していたGANG PARADEが、2020年3月からGO TO THE BEDSとPARADISESの2グループに分裂。
WACKの古株グループとして活動してきたGANG PARADEが新たな一歩を踏み出しました。
GANG PARADE時代からアンダーグラウンド志向で、大人気グループとなったBiSHに食らいつく雑草魂あふれるグループとして、コアな人気を誇っていました。
GO TO THE BEDSはGANG PARADEの中でも比較的年上のメンバーが所属しており、楽曲はより攻撃的な印象です。
もともとダンスや歌のレベルは高いので、BiSHを追い越そうと努力を惜しまない彼女たちが陽の目を見る日は近いかもしれません。
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PARADISES
GO TO THE BEDSと同様、GANG PARADEから分裂したPARADISES。
比較的年下メンバーで構成されており、攻撃的なGO TO THE BEDSの楽曲と正反対のポップなサウンドが特徴です。
略称は「楽園ズ」、ファンの総称は「ココナッツ」というように、WACKらしい奇抜さや攻撃性は微塵もありません。
先輩グループとは全く違うベクトルへ進む彼女たちですが、WACKに新しい風を吹かすことはできるのでしょうか。
個性豊かなユニット
WACK所属のアーティストたちは基本的にライバル関係にありますが、時にはグループの垣根を超えてユニットとして活動することもあります。
WACKファンにとって、別グループのメンバーの絡みが見れる貴重な場です。
SAiNT SEX
アイナ・ジ・エンドとアユニ・D(BiSH)、ユメノユアとヤママチミキ(GO TO THE BEDS)、NOW EMPiRE(EMPiRE)、パン・ルナリーフィ(CARRY LOOSE)が所属するユニット。
過去にはカミヤサキやプー・ルイといったWACKの中心的人物も所属していました。
2017年と2019年、それぞれタワーレコードで2000枚限定でシングルをリリースしているほか、2018年と2019年にはTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)にも出演しています。
HOLY SHiTS
セントチヒロ・チッチ(BiSH)、キャン・GP・マイカ(GO TO THE BEDS)、MAHO EMPiRE(EMPiRE)、ウルウ・ル(CARRY LOOSE)、ア・アンズビア(WAgg)の5名で構成されているHOLY SHiTS。
ロック色の強いSAiNT SEXと比べ、ダンスミュージックを前面に押し出したサウンドが特徴です。
SAiNT SEX同様、タワーレコードから2000枚限定でCDがリリースされており、2019年にはTIFにも参加しています。
BULLY IDOL
アイナ・ジ・エンド、アユニ・D(BiSH)、カミヤサキ(当時GANG PARADE)、パン・ルナリーフィ(CARRY LOOSE)、MAHO EMPiRE(EMPiRE)からなるユニット。
2019年1月、元BiSのファーストサマーウイカらが所属した「BILLIE IDLE®」のそっくりさんとして結成されました。
同年4月に、「そして、また、、(リミックス)」をタワーレコードで3000枚限定でリリースし、その後は活動していません。
ONAGAWACKSTARS
アイナ・ジ・エンド(BiSH)、カミヤサキ(当時GANG PARADE)、MAYU EMPiRE(EMPiRE)、パン・ルナリーフィ(CARRY LOOSE)、ネオ・トゥリーズ(BiS)、カエデフェニックス(豆柴の大群)、ナアユ(WAgg)が所属するユニット。
2020年2月、女川町とWACKが共同で開催した「WACK TOUR 2020″WACK FUCKiN’PARTY”ONAGAWACK」にて結成されました。
7人のメンバーは、女川町民の投票によって選ばれています。
社長・運営編へ続く…
今回は、アイドル界の異端児ともいえるWACKのアイドルたちを紹介しました。
どれも既存のアイドル観にとらわれないグループばかりで、次は何をやらかしてくれるのかとワクワクさせてくれます。
では、奇抜なプロモーションや攻撃的な楽曲製作を手掛けているのはどんな人たちなのでしょうか。
次回はWACKの社長・渡辺淳之介とプロデュース・マネジメントを行う運営に迫っていきたいと思います。
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