悲しみの先に光を見つけたフジファブリック その経歴や魅力を徹底解説!

悲しみの先に光を見つけたフジファブリック その経歴や魅力を徹底解説!

2019年にデビュー15周年を迎えた「フジファブリック」

アニバーサリーイヤーとなったこの年は、アルバムリリースに始まり、オフィシャル・ブートレグ映像の放出、インディーズ時代に発表されたアルバムのアナログ盤リリースなど、ファンにとっても特別な一年になりました。

独特の世界観で広がっていく癖になるメロディーと、叙情的なメッセージからユーモア溢れる言葉まで発想豊かなリリックが魅力のロックバンドです。

これまでに積み重ねられた楽曲は、常に変化をしながらも”フジファブリックらしさ”は不変的に貫かれてきました。

フジファブリックって、聴けば聴くほどハマっていくよね。

ついにフジファブリックの魅力に気がついたんだね。ジーンとくる名曲もあれば、クスッと笑っちゃう曲まで、ほんとに幅広いよね。

じゃあ今日は、すでにファンだという人も、これから聴いてみたいなっていう人も、一緒にフジファブリックの歴史を楽曲と共に振り返っていこう!

目次

フジファブリックとは

「富士ファブリック」結成

2000年山梨にて、高校生だったVo.Gt.志村正彦さんを中心に「富士ファブリック」が結成されました。

志村正彦さんは、メンバーの渡辺隆之さんと中学生の頃に行った奥田民生さんのライブに魅了され、音楽の道を志したのです。

約1年半の活動を経た富士ファブリックは、高校卒業と上京に伴い一旦解散しました。

「フジファブリック」始動

上京した志村正彦さんは、前メンバーのDr.渡辺隆之さんとともに、新たにGt.萩原彰人さん、Ba.加藤雄一さん、Key.田所幸子さんを迎えて「フジファブリック」として活動を開始します。

Vo.Gt.志村正彦さんがほとんどの楽曲の作詞作曲を手がけ、フジファブリックの音楽を作り上げていきました。

2002年10月、1stミニアルバム『アラカルト』をリリース。

記念すべき第1作目となったこのミニアルバムには、今でもファンに愛される名曲『線香花火』『茜色の夕日』が収録されています。

『線香花火』(1stミニアルバム『アラカルト』収録曲)

『茜色の夕日』(1stミニアルバム『アラカルト』収録曲)

1stアルバムをリリース後、 Gt.萩原彰人さん、Ba.加藤雄一さん、Key.田所幸子さんが脱退。

サポートメンバーであったBa.加藤慎一さん、Key.金澤ダイスケさんが加入します。

2003年6月、2ndアルバム『アラモード』をリリース。

『お月様のっぺらぼう』(2ndアルバム『アラモード』収録曲)

『笑ってサヨナラ』(2ndアルバム『アラモード』収録曲 )

2ndアルバムをリリース後、Dr.渡辺隆之さんが脱退。

サポートメンバーであったGt.山内総一郎さん、Dr.足立房文さんが加入し、フジファブリックの活動は一気に加速していきました。

メジャーデビュー

インディーズシーンにおいて、圧倒的な個性と非凡さで絶大な人気を集めていたフジファブリック

作詞作曲を担当する志村正彦さんの才能に触れたリスナーは、あっという間に魅了されていきました。

2004年4月、1stシングル『桜の季節』でメジャーデビュー。

春にデビューしたフジファブリックは、それぞれの季節に四季をテーマにした4曲、通称「四季盤」をリリースしていきます。

そのどれもが、今でも名曲として語り継がれ、愛され続けています。

2004年4月・1stシングル『桜の季節』

2004年7月・2ndシングル『陽炎』

2004年9月・3rdシングル『赤黄色の金木犀』

2005年2月・4thシングル『銀河』

最注目アーティストへ

デビュー時から多彩な音楽性を披露し続けたフジファブリックは、一気に知名度を上げ、多くのファンを獲得していきました。

インディーズ時代からブレずに自分たちのやりたい音楽を発信し続け、売れるために変わっていくのではなく、自分たちの好きな音楽を貫いて進化していきます。

2006年3月、Dr.足立房文さんが脱退し、4人編成となったフジファブリック。

同年には、日比谷野外音楽堂にて初のワンマンライブを成功させ、映画のタイアップに起用されるなど大きな飛躍を遂げました。

2007年11月、10thシングル『若者のすべて』をリリース。

この『若者のすべて』は、フジファブリックの代表曲の一つとなりました。

10thシングル『若者のすべて』

この『若者のすべて』はBank Bandや藤井フミヤさんをはじめ、多くのアーティストにカバーされたり、時を経てCMソングに起用されたりしている名曲だよ。

その後も、順調にフジファブリックは爪あとを残し続け、日本の音楽シーンになくてはならないアーティストへと、その存在感を圧倒的なものにしていきます。

2009年5月、4thアルバム『CHRONICLE』をリリース。

『Sugar!!』(4thアルバム『CHRONICLE』収録曲)

志村正彦さん急逝

2009年12月24日、Vo.Gt.志村正彦さんが急逝。

レーベル移籍発表や音楽フェス”COUNTDOWN JAPAN09/10” を目前に控えた突然の訃報に、メンバーや関係者、そしてファンは飲み込めない悲しみに打ちひしがれてしまいます。

出演予定であった”COUNTDOWN JAPAN09/10”はキャンセルされました。

志村正彦さんが音楽を始めるきっかけになり、彼の憧れであり仲間でもあった奥田民生さんは、このフェスで急遽『茜色の夕日』を熱唱

普段は飄々と歌う奥田民生さんが、この時は言葉をつまらせながら歌い、涙が頬をつたいました。

2010年7月、志村正彦さんの故郷である山梨・富士吉田にある富士急ハイランドにて、1日限りのステージ「フジフジ富士Q」を開催し、フジファブリックにゆかりのあるアーティスト(奥田民生、氣志團、くるり、メレンゲなど)が出演。

メンバーである山内総一郎さん、加藤慎一さん、金澤ダイスケの演奏で、フジファブリックの曲を披露しました。

そして、志村正彦さんが遺したデモを元に、最後の歌声も収録した5thアルバム『MUSIC』を完成させます。

『夜明けのビート』(5thアルバム『MUSIC』収録曲)

この『夜明けのビート』は志村正彦さんがデモに残していた歌声です。

3人で活動継続

フジファブリックの中心であった志村正彦さんを失い、残されたメンバーはバンドの今後について話し合います。

志村正彦さんなしではフジファブリックを続けられる気がしないと思っていたメンバーですが、周りのサポートや「志村くんが始めたバンドを自分たちが終わらせるわけにはいかない」という使命感が、3人の背中を押しました。

2011年4月、Gt.山内総一郎さんがボーカルを務める形で、フジファブリックを続けることを発表。

同年9月には、3人体制での初アルバム『STAR』をリリースしました。

『STAR』(6thアルバム『STAR』収録曲)

3人体制となったフジファブリックは、”らしさ”を引き継いだ楽曲を次々に発表し、精力的にライブ活動をこなしていきました。

12thシングル『徒然モノクローム/流線形』

https://youtu.be/p0twe-qwIKE

そして、2014年11月には日本武道館にて初のワンマンライブを開催し、ロックバンドとして確固たる地位を築きました。

デビュー15周年

山田孝之さんを迎えた2017年2月リリースの19thシングル『カンヌの休日 feat. 山田孝之』や、2018年4月から3ヶ月連続配信限定シングルのリリースなど、多くの話題を振りまいてきたフジファブリック。

『手紙』(配信限定リリース第三弾)

この『手紙』は、東京から故郷を思う曲で、MVは山内総一郎さんの故郷である大阪・茨木で撮影されたものです。

2019年にはデビュー15周年を迎え、まず1月に10thアルバム『F』をリリースします。

「フジファブリック」の「F」から始まる様々なワードをコンセプトにした楽曲が詰まったアルバムで、フジファブリックの最高傑作であると自負するほどの名盤を完成させました。

『東京』(10thアルバム『F』収録曲)

この『東京』は、故郷から東京で頑張っている友へ向けた歌で、『手紙』と対になっている楽曲だよ。

志村正彦さんの誕生日である7月10日には、志村正彦さんのラストツアーとなってしまった「デビュー5周年ツアーGoGoGoGoGoooood!!!!!」、志村正彦さんの遺作となった4thアルバム『CRONICLE』を携えたツアー「CRONICLE TOUR」を映像作品化したオフィシャル・ブートレグ映像シリーズ、及び永久保存完全生産盤のDVD BOXをリリース。

『虹』(『FAB LIST1』収録曲)

8月28日には、2004〜2009年の間に発表されたすべての楽曲の中からファン投票で選ばれたTOP15の楽曲を全曲リマスタリングした音源が収録された『FAB LIST1』、レコード会社移籍後の2010〜2019年の間にリリースされたファン投票によるTOP15の楽曲が収録された『FAB LIST2』をリリース。

『FAB LIST2』

そして、志村正彦さんが紡いだ言葉を集めた「志村正彦全詩集」を出版しました。

12月11月、インディーズ時代に発表し、フジファブリックの原点である『アラカルト』『アラモード』の12インチアナログ盤をリリースし、15周年という節目の年を締めくくりました。

まだまだフジファブリックは終わらない

節目の年を越えてもフジファブリックの歩みは止まらず、2020年2月1日の横浜BAYHALLを皮切りに、全国ツアー「I FAB U」を開催

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2月28日以降のステージは開催中止が相次いでしまうことになりましたが、5/6深夜に放送・配信された「STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に~」に山内総一郎さんが出演し、ファンを喜ばせました。

志村正彦さんという絶対的な存在を失い、3人体制となった今も、その系譜はしっかりと継ぎ、新たな音楽を作り続けています。

フジファブリックの魅力

フジファブリックの魅力といえば・・・

「切なくなるようなメロディー」

「飾らないのに温かい言葉」

「最初は「?」と思ってもだんだん癖になる音」

「しっとりした音楽を奏でたかと思えば、目の覚めるような激しい音をかき鳴らす変幻自在さ」

など・・・。

フジファブリックの魅力を表す言葉は、数えきれないほど並べられています。

フワッとした志村正彦さんの存在感と優しい歌声。

山内総一郎さんの素朴なのにずっと聴き入ってしまう不思議な歌声。

違うアーティストの曲でも金澤ダイスケさんが弾けば、必ずフジファブリックらしくなる魔法のような音。

主張は決して強すぎないのに、とてつもなく存在感を放つ加藤慎一さんのベース。

それらがすべて合わさって、フジファブリックが完成しています。

一曲聴けば「他にはどんな曲があるんだろう」と、初めてフジファブリックを耳にするリスナーの音楽欲を掻き立てるような引力が、フジファブリックの音楽にはあるのです

フジファブリック・メンバー

山内総一郎

・1981年10月25日生まれ
・大阪府茨木市出身

ボーカル・ギターを担当する山内総一郎さんは、2020年元日に女優の平岩紙さんとご結婚

フジファブリックオフィシャルモバイル会員サイト”FABch”では、ブログ「総言うわけで」を不定期に更新しています。

2016年5月には世界有数のギターメーカー・フェンダーとエンドースメント契約を結び、名実ともに日本を代表するギタリストとして知られる存在です。

加藤慎一

・1980年8月2日生まれ
・石川県金沢市出身

ベースを担当する加藤慎一さんはメンバー1の読書家で、かつて雑誌のインタビューで薦めた本は、日本橋ヨヲコさんの「G戦場ヘヴンズドア」。

”FABch”では、ファンからのリクエストで「初めての〇〇」に挑戦する「かとをのはじめて(仮)」を配信しています。

地元である石川テレビの音楽情報番組「Nー18凸(デコ)」では、レギュラーコーナー「加藤の目(アイ)」が放送中

視聴者から寄せられた様々な相談事を、加藤慎一さんがズバッと解決しています。

金澤ダイスケ

・1980年2月9日生まれ
・茨城県久慈郡出身

キーボードを担当する金澤ダイスケさんは、2018年4月に歌手Superfly越智志帆さんとご結婚

”FABch”では、金澤ダイスケさんが撮影をした「写真金澤3」をほぼ毎日配信しています。

小学校の頃からピアノを始め、 フジファブリックに加入する前は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのサポートメンバーを務めていました。

10thアルバム『F』に収録されている金澤ダイスケさん作詞作曲『恋するパスタ』は、ポップで爽やかなラブソングに見せかけて、実は血糖値を恋愛に見立てたユニークな楽曲です。

2020年6月3日・新曲を配信限定リリース

2020年6月3日0時に解禁される配信限定の新曲『光あれ』

数々の人気アーティストを世に送り出してきた音楽プロデューサー・小林武史さんとの、初タッグで生まれた楽曲がリリースされます。

作詞作曲を山内総一郎さんが担当していますが、小林武史さんの腕によって、新たなフジファブリックを垣間見ることができます。

フジファブリック公式Twitterでは、メンバー自宅で収録したアコースティックティザー映像が先行公開されています。

自粛期間にも精力的に音楽を作っていた姿に、ファンは元気を与えられていることでしょう。

終わりに…

フジファブリックは志村正彦さんによって生み出され、残された3人のメンバーが育てています。

志村正彦さんがボーカルを務めていた頃、そして山内総一郎さんがボーカルを務めてから。

ファンは、フジファブリックに2度恋をしました。

どの時期の楽曲もフジファブリックであり、これからもフジファブリックであり続けることでしょう。

聴けば聴くほど、深みにハマっていくフジファブリックの音楽。

曲を聴けば、あの時の思い出が蘇ってくる。

そんなふうにファンの記憶に寄り添う、素晴らしいアーティストなのです。

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