ロックといえばやっぱりギター!と言っても過言ではないほど、ロック音楽の中核を担っているのはギターの音色ですよね。
楽曲を聴いていてふとした瞬間に心を掴まれたり、何気なく聴いていてもいつの間にか耳に残って離れなくなっていたり、こんな風にギターを弾いてみたいと思わされたり、そんな風に聴き手の印象に残っているギターのフレーズは数多くあるでしょう。
今回はそんなギターのフレーズの中で、邦ロックの名ギターリフをご紹介します。
リフとは楽曲の中で繰り返し使われる印象的なフレーズのこと。
邦ロックの多くの楽曲にとって重要な構成要素であり、アイデンティティとなっているものだと言えます。
ちなみに、邦ロックのギターリフについてはこの記事以前にも様々なメディアで特集されていると思いますが、今回は定番以外の名ギターリフも取り上げていきます。
年代も幅広くご紹介していきますので、普段聴かない世代の楽曲があればぜひ注目してみてください。
聴いただけで「あの曲だ!」とわかる、曲の顔ともいえるリフや、曲名を知らなくても聴いたらピンとくるようなインパクトのあるリフ、他のミュージシャンにも影響を与えた画期的なリフなど、邦楽のギターリフの魅力をじっくり味わってくださいね。
目次
一途 / King Gnu
まずは最近の楽曲から1曲取り上げます。
King Gnuの「一途」は、冒頭から16ビートのバッキングギターにのせて鳴らされる鋭いカッティングのリフが印象的です。
ギタリストは常田大希。
シンプルでありながら、それだけに耳に残るフレーズですよね。
楽曲全体の切迫感や疾走感を一層強め、細かいフレーズはアクセント的な役割も担っています。
いわゆるギターロック的な楽曲だけではなく、複雑なアンサンブルも奏でることのできる実力を持ったKing Gnu。
他の楽曲ではバラード調やファンク調のアレンジ、やや複雑なリズム構成なども見られる中で、「一途」は比較的ストレートでパワフルなギター主導の楽曲です。
演奏の引き出しが多く技術も高いKing Gnuが、ギターロックらしいカッティングのリフを取り入れることによって、「一途」は刺激的で緊張感のある楽曲に仕上がっていると言えるでしょう。
邦ロックの演奏スタイルも様々に変化してきている中で、往年のギターロックらしさと新しさの共存しているギターリフです。
▼あわせて読みたい!
ハートに火をつけて / 9mm Parabellum Bullet
ここからは、より「邦ロックのギターリフ」と聞いてイメージしやすい楽曲、いわゆるギターロックらしさの強く表れている楽曲を中心にご紹介していきます。
まずは9mm Parabellum Bullet(以下、9mmと略記)の「ハートに火をつけて」。
ギタリストは滝善充。
9mmの楽曲には印象的なギターのフレーズが多く、名ギターリフの例としては「Black Market Blues」などもよく挙げられている定番曲です。
多くの楽曲で特徴的なのは歌謡曲やシャンソン、東欧の民謡などを思わせるマイナー調のフレーズ。
物哀しくもドラマチックな曲想の軸になっているのが、メロディアスなギターリフです。
「ハートに火をつけて」でもやはり、メロディアスなギターリフが楽曲全体を貫いています。
イントロの冒頭のフレーズからドラマチックな展開を思わせ、聴き手の心を掴みます。
続くイントロ後半のメインリフも、疾走感がありながら哀愁を帯びたフレーズ。一度聴いたら耳に残ること確実です。
Bメロの歌の間に差し挟まれるフレーズも印象的。
9mmの楽曲は名ギターリフの宝庫と言っても良いでしょう。
▼あわせて読みたい!
Telecastic fake show / 凛として時雨
続いては凛として時雨の「Telecastic fake show」。
凛として時雨のメジャー1stアルバム『just A moment』に収められています。
曲名にもなっているテレキャスターをかき鳴らすのはギタリストのTK。
凛として時雨は、ジャンルとしてはいわゆるストレートなギターロックというよりも、ポストロックやオルタナティブロックに分類されるような、やや複雑な印象の楽曲も多いバンドです。
TK自身も、超絶技巧を駆使した演奏もこなす一方、サンプリングも活用したり、またフラメンコギターも取り入れたりと変幻自在な演奏を見せています。
それでいてこの楽曲を聴いて印象に残るのは、感情をストレートに爆発させるような激しいギタープレイだと言えるでしょう。
テレキャスターの厚みのある音色と叫ぶような高音の繰り返されるイントロ、鋭いカッティング、絶妙なタイミングで挟まれる轟音など、こちらの感情も揺さぶるようなフレーズが畳みかけられます。
特にイントロと間奏で登場するリフは短いながらも強烈です。
この曲自体は変拍子が入ったり曲調が大きく変わったりとやや複雑な構成の楽曲でありながら、エモーショナルでストレートなギターリフの表現によって、聴き手に強く訴えかけてくるものとなっています。
▼あわせて読みたい!