【日本語ロック特集】横文字不要!日本語ロックシーンのパイオニアたち【前編】

【日本語ロック特集】横文字不要!日本語ロックシーンのパイオニアたち【前編】

ここ数年は近年稀に見る邦楽バンドブーム。

「suchmos」や「King Gnu」などおしゃれなバンドが続々と登場し、今まで邦楽バンドに興味がなかった人も引き込まれつつあるしょう。

だからこそいま注目したいのが、今回のバンドブームに至るまでのバンドシーンを盛り上げてきたバンドたち。

彼らは基本的にボーカル、ギター、ベース、ドラムのシンプルな構成。

おしゃれなひねりはほとんどなく、いつも真っ直ぐ。

一言で表すなら泥臭い・・・!

今回はおしゃれとは無縁ながらもカッコよすぎる、日本のバンドシーンを彩った邦楽ロックバンドを年代別でご紹介します。

後編はこちら!

1980~1990年代

THE BLUE HERATS

「THE BLUE HAERTS(ザ・ブルーハーツ)」は1985年に結成された4人組バンド。

「リンダリンダ」でデビューして以降、数多くの名曲を生み出した伝説のバンドです。

1995年に解散してしまいましたが、彼らの楽曲は現在も様々なCMや映画に使用されており、色あせることなく愛され続けています。

ちなみに、ボーカル・甲本ヒロトとギター・真島昌利はその後「THE HIGH-LOWS(ザ・ハイロウズ)」を結成。

2005年に解散するも、現在は「ザ・クロマニヨンズ」として伝説を作り続けています。

・リンダリンダ

「リンダリンダ」は1987年にリリースされたデビューシングル。

<リンダリンダ/リンダリンダリンダ>という意味不明の歌詞と、甲本ヒロトの飛び跳ね暴れまわるパフォーマンスに、時代を問わず衝撃を受けた人は多かったはず。

しかし、のちにCMに起用されたり映画のテーマになったりと今では昭和を代表する名曲の一つとなりました。

どうしてもサビの歌詞だけが注目されがちですが、Aメロの愛よりも強い存在を示唆する歌詞も感動的です。

MEMO


ちなみに、「リンダ」は何者でもなく、答えもないそう。
「歌詞カードにもないから自由に歌っていい」と甲本ヒロト本人が語っています。

・情熱の薔薇

「情熱の薔薇」は1990年にリリースされた9枚目のシングル。
オリコンシングルチャートで1位を獲得した人気曲です。

ブルーハーツ解散後も長く愛され続けている楽曲であり、2000年以降に5回もCMソングとして起用されています。

<情熱の真っ赤な薔薇を/胸に咲かせよう>という名フレーズを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

とは言え、同曲は様々な部分が切り取られてCMなどで使用されています。

一曲通して聞くと、「ここの部分はあのCMだ!」と楽しめるかもしれませんね。

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the ピーズ

「the ピーズ」は、やや気だるさの漂うサウンドと投げやりな歌詞が印象的なロックバンド。

1987年に結成、1997年に一時活動を休止するものの、2002年に復活し現在も活動中です。

正直なところ大きなヒット曲はありませんが、銀杏BOYZの峯田やウルフルズのトータス松本が「影響を受けた」と公言するほど、日本の邦楽バンドシーンにおいては重要な存在。

放送禁止用語に近いようなフレーズが散りばめられた楽曲は、どれも聞き応えたっぷりです。

MEMO


ボーカルの大木温之は男性シンガーソングライターTOMOVSKYの双子の兄。

・とどめをハデにくれ

「とどめをハデにくれ」は1996年にリリースされたアルバム「どこへも帰らない」に収録されている楽曲。

同じタイトルのアルバムもリリースされていますが、なぜかそこには収録されていません。

楽曲ではボロボロの現状が歌われ、サビでは<とどめを/とどめを/とどめをハデにくれ>と叫ばれるなんとも痛快な一曲です。

疲れきった自分、ボロボロになった自分に浸りたいときにおすすめ。

曲調は軽快なので、聞いても暗い気持ちにはなりませんよ。

・実験4号

「実験4号」は1997年にリリースしたアルバム「リハビリ中断」に収録されている楽曲です。

<飲んでりゃ昨日も見えるだろう/明日が行き止まり>という何かに行き詰まるような歌詞から始まりますが、実は同アルバムはtheピーズが活動休止前に出した最後のアルバム。

メンバー2人の脱退を経験し、それでもなお音楽を続けようとしている自分へ向けた歌詞なのでは?と推測するファンもいました。

しかし、楽曲の最後ではまだ音楽活動を続けることを示唆する歌詞も盛り込まれており、その宣言通り、10年後にtheピーズは活動を再開させました。

エレファントカシマシ

エレカシこと「エレファントカシマシ」は、1981年に結成された4人組バンド。

現在も多くの大型音楽フェスに出演を果たすなど、精力的に活動しています。

結成40周年を迎える彼らの楽曲も、プロアマ問わず多くの人に愛されている名曲揃い。

続々とカバーが発表されているため、エレカシを知らずとも楽曲は知っているという人も多いでしょう。

ボーカル・宮本浩次(みやもと ひろじ)のソロ活動も話題ですが、今後も様々な活躍が期待されるレジェンドバンドの1つです。

・悲しみの果て

「悲しみの果て」は1996年にリリースされた楽曲です。

前会社との契約を打ち切られ、新たに移籍したポニーキャニオンからリリースした最初の作品でもあります。

現在のエレカシの楽曲はメロディーラインがキレイな作品が多いですが、実は「悲しみの果て」がその初代とも言える存在。

エレカシにとってはターニングポイント的な楽曲なのかもしれません。

現在もライブやフェスで演奏されることが多いため、ぜひチェックしておきましょう。

・今宵の月のように

「今宵の月のように」は1997年にリリースされた楽曲。ドラマ「月の輝く夜だから」のために書き下ろされました。

同曲はエレカシ史上初となるオリコンランキングTOP10入りを果たした作品であり、自身最大のヒット曲でもあります。

多くのアーティストがカバーしているほか、彼らの出身地・東京都北区赤羽にある赤羽駅では電車の発車音に起用。

ロックの域を超え、多くの人に愛されて続けている名曲です。

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eastern youth


「eastern youth(イースタン・ユース)」は1988年に北海道札幌市で結成されたスリーピースバンドです。

彼らの特徴は、何と言ってもボーカル・吉野寿(よしのひさし)の叫びにも似た力強い歌声。
独特な日本語詞と相まって、聴く人の心を鷲掴みにする魅力があります。

現在も活動を続けており、2018年にリリースした「時計台の鐘」は人気アニメ「ゴールデンカムイ」のエンディングソングに起用されました。

MEMO


ベース・村岡ゆかは 2015年に加入した女性メンバー。元々はeastern youthの熱狂的なファンだったようです。

・夏の日の午後

「夏の日の午後」は1998年にリリースしたアルバム「旅路ニ季節ガ燃エ散ル」に収録されている楽曲です。

タイトルだけを見ると夏の日ののどかな情景を歌う楽曲にも思えますが、全くの逆。
楽曲のメッセージもサウンドもかなりロックな一曲です。

特に重厚感溢れるギターのサウンドは必聴。男臭さと泥臭さに溢れています。

歌詞の言葉遣いがやや難しいので、自分なりの解釈を交えながらじっくりと聴いてみてください。

・沸点36℃

「沸点36℃」は2007年にリリースされた10枚目のシングル。
同年にリリースされたアルバム「地球の裏から風が吹く」にも収録されています。

楽曲を安い言葉でまとめるとするならば、人生に躓き悩む人への応援ソング。

しかし、吉野の歌声やサウンドと相まって胸に届く衝撃は「応援ソング」という言葉には収まりきらないほどに心を打ちます。

人生に迷った時、でも頑張りたいと思っている時、もう一度奮い立たせていくれる一曲です。

2000年代前半

STANCE PUNKS

「STANCE PUNKS」(スタンス・パンクス)は1998年に結成し、2000年代に人気を博した4人組バンド。

まさにパンクロック!というような激しいステージや、荒い言葉ながらも大切なことを教えてくれる楽曲が彼らの魅力です。

映画や人気アニメのタイアップを受けた楽曲もあるため、彼らの存在をご存知の方も多いかもしれませんね。

現在も活動していますが、2021年に初期メンバーであるギター・勝田欣也(かつだ きんや)が脱退。
それでも活動は続けていくようなので、今後に期待です。

MEMO

ライブでのアンコールの掛け声は「アンコール」ではなく「金返せ」。ロックを感じます。

・モニー・モニー・モニー

「モニー・モニー・モニー」は2005年にリリースされた5枚目のシングル。
同曲でメジャーデビューを果たしました。

サビの<モニー/モニー/モニー>という歌詞がなんとなくTHE BLUE HEARTの「リンダリンダ」を彷彿させますが、荒い言葉ながらもリスナーを叱咤激励する彼らの良さに溢れた一曲です。

ライブではアンコール前の締めや最後に演奏されることが多く、いつも盛り上がり必至。
涙を流しながら両拳を突き上げるファンも多く見かけます。

・クソッタレ解放区〜クソッタレ2〜

「クソッタレ解放区〜クソッタレ2〜」は2002年にリリースされたSTANCE PUNKSの1stシングルです。

同曲の魅力は、ボーカル・TSURUのハスキーな声が生きるメロウなパートから始まる点。

その後は彼ららしい激しいパンクへと転調するものの、その疾走感がたまらなくカッコイイです。

また、パンクでありながらメロディーラインがキレイなのも彼らの魅力。
同曲もサビのメロディーは耳馴染みが良く、一度聞いたら虜になります。

ガガガSP

「ガガガSP(ガガガスペシャル)」は1997年に結成された神戸出身のバンド。

ボーカル・コザック前田の独特な声と、一切飾り気がなくどこか甘酸っぱい青春感が特徴です。

2000年代にリリースした楽曲は続々とCMのタイアップを受けるなど、2000年代のバンドブームを語る上では欠かせない存在。

コザック前田の体調不良により何度か活動を休止するも、現在も精力的に活動中しています。

・卒業

ガガガSPの名曲といえば「卒業」という人も多いであろう、彼らを代表する一曲。
2002年にリリースされました。

楽曲の内容は「学校からの卒業」ではなく、「好きな人からの卒業」という淡く切ない失恋ソング。

<さよなら/さよなら/さよなら/多分もう会う事はないよ>というなんともエモい歌詞を、これでもかという程に叫びまくるギャップもまた魅力。

この世に存在する失恋ソングの中で一番威勢の良い曲と言っても過言ではありません。

・線香花火

「線香花火」は2001年にリリースされた2枚目のシングル。
今でもライブで演奏され続けているガガガSPの定番曲の一つです。

こちらはガガガSPにしてはややメロウなロック。
淡い恋の思い出をしっかりと聴かせてきます。

また、歌詞では句読点が多用されているのもポイント。
昔の思い出をポツポツと語っている様子が連想され、なんだか切なくなります。

ジャパハリネット

「ジャパハリネット」は愛媛県出身の4人組バンド。
1999年に結成、2007年に一度解散するも2015年に再結成を果たしました。

彼らの音楽の特徴は耳馴染みのいいメロディーと優しく温かい歌詞。

同年代に活躍したSTANCE PUNKSやガガガSPのような激しさはないものの、そっと心に寄り添うような熱い楽曲に心を打たれる人が多くいました。

ちなみに、ビジュアル的な特徴はボーカル・城戸けんじろのリーゼントヘア。
デビュー当時から今に至るまでずっとリーゼントヘアで活動しています。

・物憂げ世情

「物憂げ世情(ものうげせじょう)」は2002年にリリースされた楽曲。
ジャパハリネットのインディーズでのデビューシングルです。

「同曲の魅力は歌詞全部です!」と言いたくなるほど、現実的でいて温かい歌詞が印象的。

普通に音読しても涙が流れそうになりますが、ボーカル・城戸けんじろの優しくて芯のある声とどこか哀愁漂うメロディーが合わさると感動は倍増。

ぜひ歌詞を熟読しながら聞いてほしい一曲です。

・哀愁交差点

「哀愁交差点」は2004年にリリースされたメジャーデビューシングル。
オリコンランキングでTOP10入りを記録した自身最大のヒット曲です。

楽曲は生まれた場所を離れ、他の街で戦う人々を励ますような温かい内容。
上京経験がある人なら涙なしでは聞けない一曲です。

楽曲の最後、ボーカル・城戸けんじろがバク宙を披露するのが定番のパフォーマンスも必見です。

MEMO


同曲では人気音楽番組「ミュージックステーション」への出演も果たしました。

フラワーカンパニーズ

「フラワーカンパニーズ」は1989年に愛知県名古屋市で結成された4人組バンド。

「メンバーチェンジなし!活動休止なし!ヒット曲なし!」という彼らのキャッチフレーズが物語っているように、結成から今に至るまで彼らのペースで活動し続けています。

彼らを2000年代前半のブレイクバンドとしてカテゴライズしたのは、代表曲である「深夜高速」がリリースされたのが2004年であるから。

2017年からはインディーズとして活動しています。

・深夜高速

「深夜高速」は2004年にリリースされたフラワーカンパニーズの代表曲。

釈然としない感情を抱えながら生きる描写の後に続く、<生きててよかった/そんな夜を探してる>というフレーズに胸を打たれたとい人は多いはず。

ちなみに2009年にはフラカンの結成20周年を記念して「深夜高速」のトリビュートアルバムも発売されました。

参加アーティストは斉藤和義やかりゆし58、怒髪天など豪華な面々。こちらも必聴です。

・元気ですか

「元気ですか」は1989年にリリースされた10枚目のシングル。

2018年にリリースされたセルフカバーアルバムにも収録されており、新たにMVも公開された彼らの隠れ名曲です。

楽曲の内容はというと、やんわりとした失恋ソング。

彼女との別れを受け、未来の自分と彼女に向けて「元気ですか?笑っていますか?」というメッセージを投げかけています。

辛い失恋から立ち直った後に聴きたい一曲です。

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まとめ

「懐かしいな・・・」と思って方もいれば、「全然知らない」という方も少なくないでしょう。

当時ハマっていた人も、この記事で初めて知ったという方も、これを機にぜひ聴いてみてください。

おしゃれバンドとは違う良さを感じることができるはず。

ちなみにここまでが前半戦。
後半は2000年代後半〜現在にかけての泥臭いバンドをご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

後編はこちら!

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