演技力の高さやスタイルの良さといった持ち前の魅力を活かし、幅広いフィールドで活躍するジャニーズ事務所所属のアーティストたち。
今や彼等の活動はステージ上のみに留まらず、自身の趣味が高じてそれぞれに合った場所で才能を開花している方も少なくありません。
最近ではアニメ好きの趣味が声優業への挑戦に繋がった例があり、アニオタの間で彼等の声による演技力の高さに注目が集まっています。
今回は、そのように声優業初挑戦ながらアニメ業界での立ち位置を確立した2人のジャニーズの魅力を考察していきたいと思います。
目次
ジャニーズとアニメ業界の関係性が変化?
これまでもジャニーズが主題歌を務める形でアニメ業界と関わることは珍しくありませんでした。
しかし、最近は主題歌に携わるだけでなく自ら声優として作品に参加し、高評価を受けている2人のジャニーズに期待の声が寄せられています。
それは、自らアニオタを公言していることで有名なKis-My-Ft2(以降、「キスマイ」と省略)・宮田俊哉さんとSnow Man(以降、「スノ」と省略)・佐久間大介さん。
彼等のアニメ好きである一面はジャニーズJr.時代からファンの間で周知の事実でしたが、デビュー後はテレビやメディア出演を通し、そのアニメ愛の深さがより大勢の方から注目を集めるようになりました。
次項からは、“ジャニーズとアニメ業界の架け橋”として双方のファンから愛される2人が声優デビューを果たしたアニメ作品とそこでの演技の評価のほか、彼等がアニオタをも沼に引きずり込む理由に迫ります。
宮田俊哉とアニメ
アニメ好きとして生きることを「素敵な人生」と語る宮田俊哉さんは、ジャニーズ×アニオタというかつてない立ち位置を最も早くに確立した方です。
彼がアニメにハマったのは、中学生時代に先輩である堂本光一さん主演のミュージカル『Endless SHOCK』でバックダンサーを務めた際、その出演料を基に購入したテレビで深夜アニメを観てからだったといいます。
ジャニーズJr.時代にキスマイとして初めて開催した単独コンサートという大舞台でアイドルという立場にも関わらず、応援する側のオタク(ファン)がパフォーマンスに合わせて独特な動作をする“オタ芸”を披露したことがきっかけでアニオタから注目を集めるようになりました。
彼のアニメ好きな一面は次第にアニメ業界にも浸透していき、キスマイの5枚目のオリジナルアルバム『I SCREAM』(2016年リリース)に収録されているソロ曲ではついにあの大物声優から楽曲提供してもらう夢を実現します。
同アルバムのソロ曲は、メンバーたちそれぞれの“音楽でハグしたいアーティスト”による楽曲提供で紡がれたのですが、宮田さんは何と『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『ポケットモンスター』に長年登場するロケット団・ムサシ役等、数々の人気アニメに出演経験のある国民的声優・林原めぐみさんに楽曲制作を依頼。
結果的に「僕だけのプリンセス」というタイトルのもと、宮田さんが憧れで尊敬の対象とする彼女に作詞を引き受けてもらうことが決まります。
作曲にはアニメ『ラブライブ!』に登場するアイドルグループ・μ’sが歌う「Snow halation」等の楽曲を手掛けている山田高弘さん、編曲には水樹奈々さん等のアーティストに楽曲提供を行っている齋藤真也さんが迎えられ、豪華面々のコラボレーションで完成した同曲。
あまりの嬉しさに、キスマイがレギュラー出演するラジオ番組『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』で宮田さんは「いわば神と神の融合」とも言うべき曲だとアニオタらしいコメントと共にコラボへの喜びを語っていました。
【#宮田俊哉 さんカウントダウン動画到着🎉】
公開まであと3日🎊
“ベルム”としてドラコ・ケミカルで働くベムの同僚で
親友のバージェス・オルセンを演じた
宮田俊哉さん(Kis-My-Ft2)より
カウントダウン動画📹が到着しました!!絶対観てね!!#劇場版BEM pic.twitter.com/yPxKNhnBaV
— アニメ「BEM」公式 (@newbem2019) September 29, 2020
さらに、雑誌のインタビュー等で関心を見せてはいてもなかなか実現までに至らなかった声優の仕事にも今年ようやく初挑戦。
『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』で念願かなって声優デビューを果たしました。
仕事に繋がるか否かは関係なく、ただ純粋に「好きだから」という理由でおよそ20年にも渡って彼が語り続けてきた彼の“本物のアニメ愛”は大勢に伝わっていたようで、出演が発表された際はジャニヲタ、アニオタとも祝福の嵐。
初めて声での演技で参加する作品にも関わらず、最高視聴率20%超を記録した人気アニメ『妖怪人間ベム』のリブート作品である同作で主人公・ベムの同僚かつ親友のバージェス役という大役のオファーを受けた当初は「ド素人の自分には無理」と相当なプレッシャーから辞退も考えていたという宮田さん。
しかし、出演確定後はただ単に上手な声優さんや既存キャラの演技を真似るのではなく代わりのいない、自分だけが演じられる理想のバージェスを目指して共演者であるベテラン声優・浪川大輔さんによる指導を受けながら1ヶ月半程度の限られた期間で役作りに挑んだそうです。
アフレコのタイミングが年末に差し掛かっていたので、キスマイとしての活動でも丁度多忙な時期。
それでも、仕事終わりの遅い時間帯から浪川さんが代表を務める養成所や自宅で練習に励んだという彼の努力の甲斐は着実に演技に表れ始め、映画の仕上がりにもしっかり反映されていました。
こちらの本編ダイジェスト映像には宮田さんの演技も含まれているのですが、彼がバージェス役であることを知らない方が見れば素人の演技とは思えないようなハイクオリティな演技と思わず耳を傾けたくなる美ボイスはもはやプロのそれにも匹敵しています。
声優を本職としない芸能人による声の演技は、悪い意味で目立つと評価されがち。
しかし、彼の場合は数々のアニメを観て声優の本気の表現を体感してきたからこそ、同じ素人でもスタートラインがまず違っており、そのうえで生まれ持った声質に良い意味で脚光の当たる機会になったのではないでしょうか。
筆者個人の印象としては、何度も過去にアニメへの出演経験がある若手声優の演技と変わらないレベルにまで達していると感じました。
【イベントレポート】「劇場版 BEM」完成披露試写会で小西克幸がキスマイ宮田俊哉を絶賛「声優業界に入れたほうがいい!」https://t.co/xtIJU3dp9h pic.twitter.com/6Y8wcENR1W
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) September 19, 2020
映画の完成披露試写会ではテレビシリーズから引き続きベム役を務めた声優・小西克幸さんから「ジャニーズさんは宮田さんを声優業界に入れた方が良い」と高評価を受け、“七色の声を持つ声優”として有名な山寺宏一さんからも「素晴らしかった」と太鼓判を押されます。
ここまで述べてきたようにデビュー作から真摯に役作りと向き合い、最高の演技で観る人を虜にした宮田さん。
再び彼が声優として活躍する機会を待ち望む声は大きく、本人も次回があれば今回共演した水樹奈々さんとカップルを演じることが夢だと未来を見据えているようです。
そんなコメントからは彼女のファンクラブ会員である宮田さんの一貫したアニヲタ精神が伺え、それもまた同じくアニメを愛する人たちの共感を誘っているのだと思います。
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佐久間大介とアニメ
宮田さんに続くジャニーズ界のアニヲタとして有名な佐久間大介さん。
そのアニメ好きな一面は、2019年に放送されたバラエティー番組『アウト×デラックス』の中で彼がJr.時代に出演した『滝沢歌舞伎』の口上で推しキャラの名台詞を披露したことが取り上げられたのをきっかけに、広く認知されるようになりました。
彼の場合、幼少期に『ポケットモンスター』や『デジモン』、『おじゃ魔女どれみ』といった皆さんご存知の大ヒット作から入り、2008年に放送された『とらドラ!』でアニメの世界に引き込まれていったそうです。
ジャニーズJr.時代から雑誌のインタビューやライブのMC等で自身のアニメ好きを公言していたほか、公式プロフィールでも趣味がアニメ鑑賞で特技がオタ芸等、アニオタ要素が丸出し。
当時の目標の一つにはアニメ主題歌を担当することが掲げられていましたが、スノとしてデビューしてから間もなく2枚目のシングルに収録されている「Stories」がアニメ『ブラッククローバー』の第11クールOPテーマに起用されるされることが決まります。
さらに、同作のアニメオリジナルキャラクター役で佐久間さんが声優デビューすることも発表され、当時はSNSで「♯佐久間大介声優デビュー」がトレンド入りするほど話題となりました。
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本日18:25~放送!#SnowMan 佐久間大介さん
声優デビュー✨
\オリジナルキャラクター
“マクサ・ノース”として登場♪
ぜひご覧ください!!感想はぜひ #ブラクロ で!✨
🎤佐久間さんのコメントも!https://t.co/ja1qjmj7D7#ブラッククローバー pic.twitter.com/iaylRGfmSb
— ブラッククローバー_テレビアニメ公式 (@bclover_PR) August 25, 2020
宮田さん同様、アフレコ前には『ラブライブ!』を通じて交流を持つようになった声優・寺島拓篤さんに相談しながら練習を積み重ね、声の演技に磨きをかけていったそうです。
自分的に「手応えがあったかなと思っている」と自信を見せた演技は、確かにベテラン声優たちのそれの中に違和感なく溶け込んでいる印象。
SNS上でも「どこかの新人声優かと思った」等、高評価の声が相次ぎました。
Jr.時代からの夢を叶え、さらに趣味に関連した仕事を獲得していく佐久間さんの姿にアニヲタでなくとも共感を覚える方は多いはず。
宮田さんのような前例がいるからこそだと思いますが、デビュー直後から趣味と仕事を直結させている彼の今後のアニメ業界での活躍ぶりにも期待したいところです。
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宮田俊哉と佐久間大介のアニオタ人気が高い理由
アニメ好きを公表する2人へのアニオタからの評価は日に日に高まっているように感じますが、その理由とは一体何なのでしょうか。
理由①:ジャニーズらしからぬオタク魂
キスマイのライブやテレビ出演時で見せた宮田さんのオタ芸、佐久間さんが舞台口上で披露したアニメキャラによる名台詞に大きな反響が見られたように彼等の熱いアニオタ魂は、同士たちの心を掴む大きな要因であると考えられます。
これまで存在しなかった“ジャニーズ×アニオタ”のポジションを作り上げ、そこでもさらに活躍の幅を広げて人気を獲得し続けられることを証明したことにより、ただかっこいいことがジャニーズとして人気を獲得出来る理由ではないことを明らかにした2人。
2019年に年末年始特別番組として放送されたバラエティー『オタクのおたく』では、ジャニーズという立場ながら他のアニヲタと同じ形で世界最大規模のヲタクの祭典『コミックマーケット』に参加し、3時間半も並んで購入したというお気に入りのグッズを手にした自宅での自撮り写真を披露した宮田さん。
かつてはキスマイのメンバーがアニオタを堂々と公言することに違和感を覚える方もいたようですが、今では好きなアニメに敬意を払って愛し続ける彼の姿勢に尊敬の念を抱く方も多いといいます。
また、最近では2020年7月に佐久間さんがスノの公式YouTubeチャンネルで“俺の嫁”と称し、自分が推すアニメの女性キャラクターたちを紹介する映像がアップされました。
その熱烈なアニメ愛をメンバーや視聴者に印象付けていたことが記憶に新しいですが、同年9月に創業110周年を迎えた不二家の新たなブランドキャラクターにスノが起用された際、そのお披露目の場でも自身を大勢の嫁を持つ“一夫多妻制”のジャニーズと紹介し、際大きな存在感を放っていたように思います。
こちらも公式YouTubeチャンネルにアップされた映像なのですが、佐久間さんのアニメ好きが高じて企画されたものと簡単に予想がつきます。
このように、彼のアニヲタぶりもすでにジャニーズ事務所公認のもの。
一見かっこいい趣味や特技ではなくても世間体を気にせずにアニオタであることを公表し、それが自身等を売り込むためのビジネス戦略ではないと確信させるほどの熱烈ぶりに容姿以外のかっこよさを感じる方が多いのでしょう。
理由②:アニメ業界との懸け橋的存在
宮田さん、佐久間さんと同じくラブライバーを公言している寺島さんと交流のある2人。
歌唱力の高さを活かし、声優だけでなくアーティストとして活躍中の寺島さんはアニメの中でアイドル役を演じることも多く、ジャニーズである彼等の心情と通じるものを持っているのかもしれません。
宮田さんとは、ラジオ番組に一緒に出演した際にマニアックすぎる会話を通してその作品愛の深さを表現したエピソードが有名。
佐久間さんともラジオがきっかけで友達になり、先述したように彼の声優デビュー作のアフレコ前にアドバイスをするまでの信頼関係で結ばれているようです。
グループ単位では特にスノを推しており、声優仲間で共にYouTubeチャンネルを開設するほどプライベートでも仲の良い梶裕貴さんに「MVとか見てみてね」と彼等のことをアピールするSNSでのやり取りが話題になっていました。
もちろん知ってるよ!ラジオで共演させていただいてから友達やねん☺️
でもそういうの関係なく、佐久間くん含め素晴らしいグループやねん。よかったらMVとか見てみてね☺️— 寺島拓篤 (@Terashima_dayo) July 16, 2020
最近ではアニメやゲーム媒体の人気作品『アイドルマスターSideM』に北村想楽役として出演する声優・汐谷文康さんがSixTONESの沼にハマりつつあることをSNSに投稿。
最近SixTONESさんのNAVIGATORとJAPONICA STYLEのメロディが頭から離れないし、なんならYouTubeのチャンネル登録もして円盤もポチってしまった…どんどん推しが増えていく…つらい…楽しい…
— 汐谷文康 (@fumiyoshi76) September 28, 2020
こちらにもジャニヲタとアニヲタ双方から、多くの反応が寄せられていました。
宮田さんと佐久間さんのようにジャニーズ×アニヲタを曝け出す存在が誕生してからは、アニメのキャラクターを演じる声優側でも推しを公表する流れが自然となってきているのかもしれません。
ジャニーズと声優の距離感が近くなることで双方のオタクもそれぞれの業界で輝くアーティストたちへの理解が深まっているようなので、2人はいわば“アニメ業界との懸け橋的存在”を担っているでしょう。
最後に…
以上、ジャニーズ×アニオタというこれまでになかったポジションで活躍し続ける宮田俊哉さんと佐久間大介さんにより、大勢のアニオタが彼等を含めたジャニーズの沼に引きずり込まれる理由について考察してきました。
今年初挑戦した声の演技によって大好評を収めた2人。
アニメ業界で主題歌を務めるアーティストという立場のみならず、声優としても活躍していく可能性が秘められた彼等の今後の活動からも目が離せません!
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