2021年11月1日をもって「完結」することを発表したV6。
そんな彼らの知られざる魅力をお伝えすべく、攻めた楽曲にフォーカスしてご紹介しています。
「V6の攻めた表題曲」をまとめた記事はこちらからご覧ください。
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”マニアックなV6ここに極まれり”ということで、今回は「V6の攻めたカップリング曲」をピックアップしてお届けします!
タイアップが多い「表題曲」では挑戦しづらい楽曲も「カップリング曲」で昇華させるのがV6。
音楽ジャンルの幅が広いことに加え、彼らの職人気質な面がより一層際立っているのも魅力です。
ぜひお好みの楽曲を探してみてください!
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目次
V6【カップリング曲】
OK(発売:2010年9月1日)
『OK』は、V6の37枚目のシングル『Only dreaming / Catch』に収録されたカップリング曲です。
作曲したDr. Hardcastleの楽曲は、洗練された電子音楽が特徴的。V6以外のジャニーズグループにもいくつか楽曲提供しており、特に嵐の『movin’ on』『full of love』や、大野智のソロ『静かな夜に』は、嵐ファンからの人気も高い楽曲です。『OK』では、重低音をしっかりと利かせたベース音に軽やかなシンセサイザーを添え、サイバー感溢れる世界観に仕上げました。
作詞を手がけたのは、歌手のmao。彼女は「Shalalalala」のサビでお馴染み、ドラえもんのOP『夢をかなえてドラえもん』でメジャーデビューを果たしました。『OK』では、予想外のラブハプニングにテンションが抑えきれない主人公をコミカルに捉えています。ファンキーな要素たっぷりな歌詞をスタイリッシュなEDMで締め、楽曲に個性的なカッコよさを生み出しました。
FLASH BACK(発売:2013年8月21日)
『FLASH BACK』は、2013年に開催されたV6のコンサートツアー「Oh! My! Goodness!」にてサプライズ披露された楽曲です。メンバーのアイディアを取り入れて構成されたことでも有名なこのライブ。V6のファンなら、予告無しで知らない楽曲を披露してもきっと喜んでくれるはずということで『FLASH BACK』がプログラムの序盤に組み込まれることになりました。
その後『FLASH BACK』は『君が思い出す僕は君を愛しているだろうか』のカップリングとして収録されることになります。この楽曲をプロデュースした三宅健は、自身のラジオで「これ(FLASH BACK)はシングルポテンシャルのある楽曲だから、カップリングになるのはちょっともったいない気がしてる」と語るほど愛着を持っていたそう。しかし、カップリングに収録したことで、結果としてファンに早く楽曲を届けられたことは良かったとも語り、ファンファーストな姿を見せました。
楽曲のポイントは、ところどころに盛り込まれたカメラのシャッター音です。三宅は、デジタルカメラのCMソングをイメージしてこの楽曲を制作したそう。細部までこだわりぬいた結果、唯一無二の個性を持つ楽曲が誕生しました。
BEAT OF LIFE(発売:2014年8月27日)
『BEAT OF LIFE』は、V6の43枚目となるシングル『ナミダの痕が消える頃』のカップリング曲です。
作詞したSUNNY BOYは、ヒットソングを数多く世に送り出してきた音楽プロデューサー。国内ではジャニーズグループをはじめ、安室奈美恵やw-inds.に楽曲提供してきた他、BTSやBLACKPINK、2PMやBIG BANGといったK-POPアーティストの楽曲も数多く手がけています。2021年に復活した2PMの最新ミニアルバムでは、『By My Side』の作詞を手がけました。
スウェーデン出身の作曲家Fredrik ”Figge” Bostromは、これまでに嵐の『BRAVE』『オーライ!』『I’ll be there』、相葉雅紀のソロ曲『Magical Song』やSexy Zoneの『Cha-Cha-Chaチャンピオン』などを作曲してきました。一度聞けばクセになる、そんな音楽作りを得意としています。
V6には隠れた名曲が多数存在しますが、『BEAT OF LIFE』は、その第一線に並ぶこと間違いなしの攻めきった楽曲です。エキゾチックなメロディーとキレッキレのリズム感が絶妙なバランスを保ち、楽曲の中に疾走感と中毒性を共存させました。サビ前のような注意を惹きたいポイントでは、あえてアカペラにしてメンバーの声に集中させる等、考え抜かれた楽曲構成がとられています。
注目すべきは、V6の芯のある中低音や伸びやかな高音が、この楽曲の魅力を最大限まで引き出していることです。時にはメンバーの声が打楽器や効果音のように用いられ、V6の音声のバリエーションを拡張させた楽曲と言えます。
fAKE(発売:2012年12月26日)
『fAKE』は2012年にリリースされた『Rock Your Soul』のカップリング曲です。「偽物」という意味のこの楽曲は、偽りの自分と本当の気持ちの間に揺れる葛藤を描いています。2013年のライブ『Oh! My! Goodness!』ではオープニング曲として披露されており、インパクトの強さとファン人気の高さを兼ね備えた楽曲です。
作詞を担当したKenn Katoは、ワシントンD.C.出身の作詞家です。これまでに、EXILEや倖田 來未、AAA、伊藤由奈といった人気アーティストの楽曲を数多く手がけてきました。また、森進一や郷ひろみといったベテラン世代や、羽多野渉といった人気声優の楽曲にも詞を提供しており、ジャンルレスなふり幅の広さが強みの作詞家です。
『fAKE』の歌詞は「本当の自分とは何なのか」を考えさせられる深い内容となっています。幸せな日常を過ごしているはずの主人公カップルですが、彼は次第に彼女に何も感じなくなってしまっていることに気づきます。恋人のように触れ合っても心が伴わなず、いつからか操り人形のように偽りの自分を演じる日々。本音を打ち明ければ、きっとこの関係は崩れる。彼女を傷つけると知りながら「ありのままを伝えることが 本当に正しいのか?」と苦悩する主人公。最終的に、自分の気持ちには鍵を掛け、彼女に嘘をつき続けるという「罪」を背負って生きていくことを心に決めます。
作曲したのは、『Sexy Honey Bunny!』や『kEEP oN.』でお馴染みのcorin.。『fAKE』ではメンバーの声の素材を存分に活かしつつ、ボーカルエフェクターを効果的に使用しています。この機械的な音質が、偽りの自分を演じる主人公の無機質さを儚く描き出しています。逆に本音を吐露するパートでは、音声加工をあまり用いず、肉声が発する力強さで聴く人の感情を揺さぶります。Kenn Kato×corin.という才能の融合によって『fAKE』では、誰しもが心の奥深くに抱える葛藤を哀しくも美しく描き出しました。
TL(発売:2018年5月30日)
『TL』は『Crazy Rays / KEEP GOING』のカップリング曲。タイトルは「Time Line」の略で、いつどんな場所からもアクセスできる「SNS」という特殊な世界を疾走感たっぷりに描きました。
作詞を務めたのはPALM DRIVEのAKIRA。HIPHOPやR&Bを中心にJ-POP界で活躍する音楽プロデューサーです。彼は、20th Centuryのシングル『Precious Love(AKIRA’S CORE FIGHTER REMIX)』でリミックスを担当した他、6thアルバム『Volume6』に収録された『JUST YOU CAN MAKE ME HIGH』では作詞から作曲、編曲まで全てを担いました。近年では、13thアルバム『The ONES』の『Remember your love』や、2019年にリリースした『ある日願いが叶ったんだ/All For You』のカップリング曲『Sweet Bitter Rain』の作詞を務めました。また、三宅健と滝沢秀明のユニットKEN☆Tackeyの『アイシテモ』の作詞も手がけています。
作・編曲を担当したのは『KEEP GOING』の作曲チームである☆Taku TakahashiとJazzin’park、Mitsunori Ikedaです。部屋の一室という普遍的な風景からバーチャルな世界を浮遊する感覚までを繊細に描き出しました。日常と非日常が交錯する世界観をV6が甘い歌声で包み込み、1曲の中に広大な景色を違和感なく集約させています。
ネット社会が発展した現代で、私たちは当たり前のように「TL」という海に浸かっています。この楽曲では、様々な情報が一瞬で流れていく儚い世界の中で、何に興味を示し、何を発信し、そして何を愛するのか決めるのは自分だというメッセージが感じられます。
『TL』は、V6の25周年配信ライブ『V6 For the 25th anniversary』にてインストとダンスで披露されました。三宅がラジオで明かした裏話によると、振付師YOSHIEの「14歳だった岡田が2020年の今、同じ振りをみんなと共に踊ってるイメージ」を元に形にしたそうです。また、水を使った印象的な演出は、岡田の発案によるものだったそうで、長年俳優として活躍してきた彼の映像に対するこだわりを感じさせました。