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フェイクファー / スピッツ
1990年代まで遡り、続いて取り上げるのはスピッツの「フェイクファー」です。
スピッツのギターリフとしてよく取り上げられるのは「ロビンソン」。
切なさの漂うアルペジオは確かに印象的な名リフですが、表現力豊かなアルペジオという点ではこの「フェイクファー」も劣っていません。
「ロビンソン」よりもさらにシンプルに削ぎ落された八分音符のアルペジオは、イントロから始まり、曲全体の印象を決定づけるようなモチーフとして機能しています。
決して多くはない音数で、シンプルなフレーズの繰り返しであるにも関わらず、歌詞に滲む切なさや寂しさ、温かさとそれに対置される虚しさといった複雑な感情を巧みに表現しています。
心地好いにも関わらずどこか聴き手に引っ掛かりを覚えさせるような音色と音の並びが絶妙。
スピッツの楽曲が持つ多面性を象徴するようなギターリフとなっています。
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ミュージックファイター / JUDY AND MARY
続いても1990年代の楽曲。
JUDY AND MARYの「ミュージックファイター」を取り上げます。
JUDY AND MARYの楽曲のギターリフと言えば真っ先に挙げられるのは「そばかす」だと言えますが、他の楽曲のギタープレイもインパクト抜群の音色や構成ばかりです。
イントロから、冒頭の「デュビデュビバッパ デュビデュバッパッパ」のところで鳴らされる洒落た印象の軽やかなフレーズ、そこからガラリと雰囲気が変わって激しく鳴らされる和音。
聴き手を振り回すような構成でありながら、もっと聴いていたいと思わせるような快活で楽しげなサウンドに、気づけば魅了されます。
自由自在、変幻自在のギターリフは、JUDY AND MARYの楽曲を単に可愛らしいものやパワフルなもので終わらせることなく、邦ロックの歴史に爪痕を残すようなインパクトのあるものにしています。
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BURN / THE YELLOW MONKEY
THE YELLOW MONKEYの楽曲では、ロックの王道とも呼べるようなギターサウンドを味わうことができます。
QUEENなどの楽曲に影響を受けながら、それを日本語のロックに昇華し大成させているのがTHE YELLOW MONKEYの特徴。
ギターロックの金字塔とも呼べる存在となっている所以だと言えるでしょう。
その楽曲の中で今回取り上げるのは「BURN」です。
炎がうねるように上昇と下降を繰り返すイントロや間奏のギターリフは、楽曲を幕開けからドラマチックかつエモーショナルに彩っています。
音程やリズムの動きはそれほど大きなものではないにも関わらず、一度聴いただけでも耳に残る、聴き手に強烈な印象を残すという点で、名ギターリフと言って間違いないでしょう。
イントロ後半部分はピアノがメインになりますが、それを支えるバッキングギターのヒリヒリした音色も良い緊張感を生んでいます。
ギターのフレーズが楽曲の顔であるとともに要となっているのが感じられます。
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