下火になることはあれど、その火が消えることは一度もなかった「邦楽ロック」。
それを象徴するように、これまでに何度も「第●次バンドブーム」と呼ばれるムーブメントが繰り返されてきました。
そんな中で今回注目するのが、2010年代に生まれた邦楽ロックの名曲たち。
東日本大震災、消費税10%への引き上げ、「令和」への元号改変など様々なことがあったこの時期、一体どんな名曲が誕生したのでしょうか?
この記事では2010年代に生まれた邦楽ロックの名曲を、10曲厳選してご紹介します!
目次
2010年代前半 Part.1
2010年代前半といえば、AKB48や嵐など、いわゆる「アイドル」が大ブームだった時代。
また、西野カナやmiwaなど女性ボーカリストの活躍も多く見られました。
まずはそんな2010年代前半に生まれた名曲を紹介します。
完全感覚Dreamer/ONE OK ROCK
2010年代の邦楽ロックシーンを語る上で欠かせないバンドといえばONE OK ROCK。
その中でも注目したいのが、2010年2月にリリースされた「完全感覚Dreamer」です。
ワンオクは2000年代から活動していますが、当時はボーカル・takaが元ジャニーズ、しかも演歌界の大御所・森進一の息子ということもあり注目されていました。
その後は確かな歌唱力や演奏力から徐々に“ロックファン”を増やし始めたものの、メンバーの脱退により一時活動を休止。
その活動休止明けの一発目、前作から約2年半ぶりのシングルとしてリリースされたのが「完全感覚Dreamer」です。
同曲は疾走感のあるメロディ、分厚いサウンドが印象的なハードロック。
激しいドラミング、掻き鳴らすようなギター&ベース、叫ぶような歌声は、当時アイドル等のキャッチーな音楽に溢れていた邦楽界において、かなりのインパクトがありました。
結果的に、同曲はオリコンチャートで9位にランクインするほど大ヒット。
彼らを「元アイドル」「親の七光り」ではなく「ロックバンド」と強く印象づける一曲になったのはもちろん、邦楽ロックシーンに再び注目を集めるきっかけとなりました。
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ロックンロールは鳴り止まないっ/神聖かまってちゃん
2010年に至るまでの邦楽ロックシーンを席巻していたバンドといえば、サンボマスターやUVERworldなど、J-POP派の人も“聴きやすい”ロックバンドとその楽曲たち。
そんな中で異彩を放っていたのが、神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ」です。
同曲は「ロックンロール」というタイトルとは裏腹に、美しくて儚げなピアノから始まる一曲。
その後に激しいロックサウンドへと変わり、一度落ち着いたかと思えば脱力感のあるボーカルが聴こえ、その後叫び声のような歌声に変わるという緩急がとにかく印象的です。
また、激しい歌声の後ろではピアノの儚げなメロディがひたすら繰り返されており、正直「どこを聴いたらいいのかわからない」と煩雑な印象を受ける人も少なくないはず。
しかしその儚さとロックさが混在する煩雑さが新しくて心地よく、新たな邦楽ロックの幕開けを感じさせました。
“かまってちゃん”という名前こそロック感に欠けるものの、「え…?大丈夫…?」と思わせるような激しいパフォーマンスも含め、邦楽ロック界の名曲と言えるでしょう。
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